労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
労働衛生工学過去問(H29-1-1) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタントの筆記試験を受験される方を応援するために、過去問について、一問ずつ解いていきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答・ご不明な点についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>
労働衛生工学 第45回
問 1 労働環境における有害要因とそのばく露に関する以下の設問に答えよ。
1)粉じんの空気力学的直径(空気力学相当径、空気動力学的粒子径などともいう。)の定義を述べよ。 |
知っていればなんと言うことも無い問題ですね。
粉じんが発生原因によって不定形になることを、鉱石の採掘時の飛散を考えて頂ければわかりやすいと思いますが、空気中に漂いやすいかどうかの物差しにしたいので、不定型なモノの大きさを、球形だったら直径いくらの球と同じ速度で落ちる。。。って言う意味ですね。
小生の回答案は
●空気などの粘性をもつ流体中にある、粉粒体の粒子の大きさ(粒径)を表す量
不規則な形をした粒子の直径を測ることは一般には難しいため、その粒子と終末沈降速度が等しい密度 1 g/cm3 の球の直径を空気動力学径とよび、粒子の大きさとして代用する
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小問の二つ目は、サービス問題(・_・)
2)ISO では粉じんを空気力学的直径により3種類に分類している。これらの名称を挙げ、それぞれについて簡潔に述べよ。 |
小生の回答案
1. 吸引性粉じん: 鼻孔また䛿口を通過する粒子。(100μm以下)
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2. 咽頭通過性粉じん: 咽頭を通過し、肺に向かう粒子。(10μm以下)
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3. 吸入性粉じん: 肺胞まで達する粒子。(4μm以下) |
小問の(3)も用語の定義
3)有害物質へのばく露には、少なくとも3種類の侵入経路が考えられる。その名称を挙げ、それぞれについて経路及びばく露防止対策を簡潔に述べよ。 |
これも、知っていれば簡単なのですが、限られた時間でどこまで詳しく書くのかで、悩むかも。
小生の回答案は、コレ
①
経気道吸入ばく露
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呼吸とともに吸収され、主に喉・気管の粘膜・肺の肺胞まで届いて体内に吸収される。 | 呼吸と一緒に吸い込まないように、呼吸用保護具を着用する。 |
②
経口ばく露
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経気道と同様に口から体内に侵入するが、唾液や食物と一緒に消化器に到達し、消化器から体内に吸収される。通常は排泄される量も多いが、慢性中毒に注意する。 | 保護マスクで防護するほか、休憩室の衛生管理や、作業場所での飲食の禁止などで対策する。 |
③
経皮吸収
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皮膚から吸収され、表皮で影響を与えるほか、体内にも拡散する。
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皮膚の露出を避けるために保護手袋・カバーなどを使用する。手袋等の材質によっては、浸透して皮膚に到達するため、有害物質の種類に応じて適切な保護具を着用する必要がある。
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問1の後半は、後日また。
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