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労働衛生工学過去問(H29-4-1) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

労働衛生コンサルタントの筆記試験を受験される方を応援するために、過去問について、一問ずつ解いていきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答・ご不明な点についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>


労働衛生工学 第45回(平成29年) 問4

問3、問4は、局所排気装置設計に関わる計算問題です。例年、問3問4のどちらか一方はがっつりとダクトの各位置での風速や圧力損失を計算して、局所排気装置計算書を完成させる問題です。

平成29年は、問3が局所排気装置計算書を埋める問題で、問4がダクト内の流れや圧力をじっくり考えさせる問題でした。

 
平成29年の問4は、ファンの特性曲線も出題されていますが、基本的な事項なので、落ち着いて問題を読めば、問3の計算問題よりも所要時間は短かったかもしれませんね。

 

問4 局所排気装置の基本事項について以下の設問に答えよ。計算は有効数字3桁で行い、解答は有効数字2桁で答えよ。 

1)図1に示したファン前の吸引ダクト内のA 点とB 点で水柱マノメータを用いて圧力測定を行った結果、水柱の読み(水面の高さの差)が、それぞれ10mm20mm であった。次の①~③に答えよ。 ただし、A 点とB 点間でのダクト直径に変化はなく、風量は50 m3/min、1 mm H2O 9.80 Pa、空気密度は1.20 kg/m3 とする。

問H290401.png



① A 点の水柱マノメータを用いて測定した圧力は、全圧、静圧、速度圧のどれを表しているのか答えよ。 また、その圧力[Pa]を求めよ。 
①はマノメーターの内部末端が管壁なので、速度圧ではないことが分かります。
さらに、外部末端が、外気に繋がっていることとで、静圧ということになります。
全圧、静圧、速度圧の関係は、沼野先生の本に、詳しく解説がされています。
吸引ダクトと排気ダクトでの挙動の違いも理解しておきましょう。
回答例
静圧
・ファン手前の吸引ダクトなので、負圧になっている
 マノメーターの読みが10mm
 1mmH2O=9.8Paなので→10×9.8=98Pa  ∴98Pa
   
② A 点とB 点の2点間の圧力損失[Pa]を、計算過程を示した上で求めよ 
②の問題は、A点とB点の静圧差が、圧力損失そのものであることを知っていれば、簡単ですね。
回答例
・A点の静圧=上記で求めた -98Pa
・B点の静圧=上記と同様に求めると:ー20mmHg→ー196Pa
A点とB点の差圧は、風速・流量・ダクト径に変化が無いので、圧力損失である
 圧力損失=98Pa
 
③ A 点とB 点の2点間の圧力損失がゼロであると仮定した場合、B 点の静圧[Pa]を求めよ。
③はちょっと、奇問かもしれません。ダクト径が記載されていないので、風量から速度圧などを求めることができないのですが、だとすると、水柱マノメーターの高さの差は何だ?!ということになります。
白紙回答で、他の問題に集中かな
小生の回答案 → 
 <済みません、分かりません>
 
次の小問は、ファン前後の静圧の挙動についての問題です。局所排気装置計算書で得られた数字が実際にどのような姿(風の流れ、圧力分布)なのかを想像できていれば、答え易い問題だったと思います。
2)大気圧を基準とした局所排気装置のファン前後のダクト内の圧力分布を図2に点線で示した。次の①及び②に答えよ。ただし、ファンの前後の風量は同一であるものとする。
問H290402.png
① ファン前の吸引ダクト側XYZ 及びファン後の排気ダクト側xyz の圧力分布が、全圧、静圧、速度圧のどれを表しているのか答えよ。
ファンからの距離で勾配があるのは圧力損失ですから、静圧と全圧は距離で変化し、速度圧はダクト径が変わらなければ一定ですので、吸引ダクトの大文字Xと排気ダクトの小文字zは速度圧ですね。
ファンの吸引ダクト側
・ダクト径が一定なら、速度圧は変化しない。
 且つ、速度圧>0なので、Xは速度圧。
・吸引側は、全圧は負圧。
 且つ、静圧=全圧-速度圧なので、静圧<全圧<0
 ∴X:速度圧、Y:全圧、Z:静圧
ファンの排気ダクト側 ・ダクト径が一定なら、速度圧は変化しないので、  z:速度圧
・全圧=静圧+速度圧なので 全圧>静圧>0
 ∴x:全圧、y:静圧、z:速度圧
次の質問も実務的な問題かもしれません。
② ファン前の吸引ダクト側の圧力X よりもファン後の排気ダクト側の圧力z の方が小さくなっているが、この理由をダクト形状にも言及した上で簡潔に述べよ。なお、局所排気装置は正常に稼動しているものとする。
小生の回答案 ちょっと自信ないけど。。。
ファンの出口側のダクト径が入り口側より大きいファンを用いているため、搬送速度が小さくなり速度圧が入り口側より小さくなっている。
通常屋内側にスペースが無く、ギリギリのサイズのダクト径で配管してきて、ファン以降は屋外に設置してスペースがある場合などに起こる。
また、ファン以降のダクト径を大きくすることで、ファン以降の圧力損失を下げることができるため、ファン前後の静圧差を小さくしファンを小型化して省エネや省騒音に寄与できるというメリットもある。
問4の後半は、また明日。
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