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労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
 
労働衛生工学(記述式)過去問【更新】R04分追加完了
健康管理(記述式)過去問R03分まで[R04分連載開始]
 
労働衛生工学:記述式の出題ポイント 索引【更新】
(各種労働衛生関係の講習会での修了テスト問題から編集)
  

事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。

 
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労働衛生工学過去問(R01-3-2) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

労働衛生コンサルタントを受験される方を応援するために、過去問について、一問ずつ解いていきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>


衛生工学 R01 (問3の後半です)

問 3 有機溶剤業務を行う作業場に設置されているダクトの断面積(0.0452 m2)が一定で、排風量が12.0 m3/min である図1の局所排気装置について、以下の設問に計算過程を示して答えよ。

ただし、計算は有効数字3桁(4桁目は切り捨て)で行い、解答は有効数字3桁目を四捨五入して有効数字2桁で答えよ。なお、空気密度を 1.20 kg/m3、重力加速度を 9.80 /s2 とする。


問R010301.png

問3)

3)図1の局所排気装置のA 点からB 点について、以下の問に答えよ。
① フードからA 点までの圧力損失が15.5 Pa であるとき、A 点の全圧をパスカル(Pa)単位で求めよ。
② B 点に図4のように水柱マノメータ(水の入ったU 字管マノメータ)を設置し、圧力測定を行った結果、水柱マノメータの左右の水面の高さの差の値が2.5 mm であった。A 点からB 点間の圧力損失をパスカル(Pa)単位で求めよ。
問R010304.png
回答案
①フードの外側の全圧0の状態から、ダクト内に空気が流れ込んでいくので、
ダクト内部の静圧はであることが判断できます。
局排計算書では 風速から速度圧を求めて、静圧=-圧損-速度圧を求めていますが、
ダクト内の全圧は、静圧+速度圧ですので、ここでは、フードの圧損そのものが、全圧になります。
答えは、全圧=-15.5Pa(=フード圧損)です。
②ピトー管は全圧を求めるように設置されています。
 マノメーターの値の2.5mmH2OをPaに変換すると
 (2)の答えを使って
 2.5*9.8=-24.5Paです。
 A点の全圧が-15.5Pa、B点の全圧が-24.5Paなので、
 A点-B点間の圧力損失は、Paとなります。←訂正しました。
感想と解説
冒頭の図1で、ファンがC端にあることに注意しましょう。
速度圧は、この設問の最後で使いますが、ここでは、全圧を問われているので、計算する必要はありません。
問4)
4)位置圧が無視できない場合は、全圧を求めるときに位置圧を考慮する必要があるが、2点間の高低差が20.0 m であるとき、2点間の位置圧の差をパスカル(Pa)単位で求めよ。 
回答案
位置エネルギーは密度 ρ [kg/m3] と 重力加速度 g [m/s2]、基準位置からの高さ z [m] の積で表されます。
 よって、位置圧=1.2*9.8*20=235.2Pa
感想と解説
ちょっと、この答えは自信がないです。無視できるくらいに小さいのかと思っていたら、意外と大きいので。。。
高さ20mの縦ダクトって、一階から7-8階までの高さなので、確かに局所排気のフードとしては、あまり見かけないんですけどね。
 
(2021/10追記:大気圧が1013.25hPa=101325Paだと気がつくと、高山で気圧が下がるという知識と相まって、235Paの納得感が出てきました。
こちらをご参考にしてください。)
問5)
5)位置圧が無視できる場合は、全圧は静圧と速度圧の和となるが、位置圧が無視できない場合は、静圧と速度圧の和に位置圧を加えたものが全圧となる。図1 のB 点とC 点の高低差( h )が20.0 mあり、この間の圧力損失が19.4 Pa であるとき、C 点の速度圧と静圧をパスカル(Pa)単位で求めよ。
なお、B 点からC 点間は、ベンドの圧力損失とベンドの高さは無視し、長さh の直線ダクトとみなすものとする。 
回答案
『速度圧と静圧を求めよ』となっていますので、簡単な速度圧から求めましょう。
速度圧は、排風量(Q=12m3/分)とダクト断面積A(0.0452 m2)から流速(Fm/秒)を求めて計算します。
ここでは、排風量(分あたり)と流速(秒速)の換算に気を付けます。
 Q=Q×F → 12÷60=0.0452×F → F=4.425m/s
 速度圧Ps=空気の比重×(速度)の二乗×1/2
 =1.2*4.425*4.425*0.5=11.74Pa ←訂正しました。
  答え:11.7Pa  ←訂正しました。
静圧は、全圧から速度圧を引いて求めます。
全圧は、フード入口から、圧損を順番に引いていくことになるので、
入口=0
A地点=-15.5Pa(問題文から)
B地点=-15.5ー9.0(問3②)=ー24.5Pa ←訂正しました。
C地点=-24.5-19.4-235.2(問4)=ー279.1Pa ←訂正しました。
C地点の静圧=全圧ー速度圧=-279.1ー11.7=ー290.8Pa  ←訂正しました。
 答え:-291Pa           ←訂正しました。
感想と解説
排気量(分速)と流速(秒速)の切り替えが、ダクト設計表では頻繁に行われているのですが、普段の業務では、EXCELシートに計算式が入っていて自動計算されていると、忘れてしまいがちだと思いますので、受験準備では必ず電卓手計算で練習しておきましょう。 
まあ、同じ問題は出ないでしょうが、位置圧の計算が判らなくても、速度圧だけでも計算しておけば、ひょっとして部分点を取れるかもしれないので、試験の時には、諦めずに速度圧だけでも計算しておくことをお勧めします。
 
問4は、また後日。
 
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コメント 5

ひのよろし

失礼します。いつもありがとうございます。
3)の② なのですが、A-B間の圧力損失はどうして10Paでしょうか?9Paだと何か間違っているでしょうか?
5)の回答案で計算いただいている中、B点の全圧が-25.5Paとされており、ここと併せて、どのように理解してよいのか分からずにおります。
by ひのよろし (2021-10-08 19:14) 

ちょまぷ

ひのよろしさん、コメントでのご指摘ありがとうございます。
ご指摘の部分は、単純に、私のケアレスミスだと思います。
修正しておきます。
誤った回答案で、混乱させてしまって申し訳ありませんでした。
今後とも、よろしくお願いします。
by ちょまぷ (2021-10-09 07:58) 

ひのよろし

ありがとうございました(_ _)
さらにで申し訳ありませんが、5)で求める速度圧は11.7Paにはなりませんでしょうか?また、C地点の静圧を求めるに当たり、問題文にあるB-Cの圧力損失19.4Paは、考慮する必要はないでしょうか?
by ひのよろし (2021-10-17 13:57) 

ちょまぷ

ひのよろしさん、コメント並びに間違いの指摘ありがとうございます。仰るとおりですね。速度圧は、何間違っちゃたんだろう・・・電卓の打ち間違いかな。
 
C地点の静圧についても、ご指摘の通りです。速度圧と静圧と位置圧を判りやすく表にして載せたいと思っていますので、最終の訂正まで少しお時間をください。

よろしくお願いします。
by ちょまぷ (2021-10-17 21:08) 

ひのよろし

ご丁寧にありがとうございます
by ひのよろし (2021-10-17 21:14) 

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