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労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
 
労働衛生工学(記述式)過去問【更新】R04分追加完了
健康管理(記述式)過去問R03分まで[R04分連載開始]
 
労働衛生工学:記述式の出題ポイント 索引【更新】
(各種労働衛生関係の講習会での修了テスト問題から編集)
  

事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。

 
口述試験:衛生工学の情報のまとめ(クリックすると開きます)
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。

記述式 健康管理 過去問(R01-1-1) [労働衛生コンサルタント過去問:健康管理]

労働衛生コンサルタントを受験される方を応援するために、過去問について、一問ずつ解いていきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>


保健師さんの資格で受験される方は、こちらの科目を選択することになりますが、作業環境測定士などの衛生工学関係の受験科目の「労働衛生工学」を受験される方も、一読しておくと良いと思います。特に、化学物質管理に関しては、健康管理の科目でも頻出しており、良い勉強になると思います。


特に、本ブログの5/26にも記載した通り、問1または問2の選択問題では、有害物質管理とくに、有機則や特化則に関連した問題が、毎年のように出題されています。これらの問題は、科目:労働衛生工学でも基本的な事柄ですので、復習するのにちょうど良いと思われます。


健康管理R0101a.png

昨年令和元年の健康管理 問1

問 1 職場の有害物質の体内への取り込みと健康障害に関する次の設問に答えよ。
(1)経気道による体内への取り込みのリスクが高い化学物質として有機溶剤がある。経気道による取り込みにかかわる有機溶剤の一般的な物性と、それによってリスクが高くなる理由について述べよ。
(2)有機溶剤の経気道ばく露によって比較的短時間のうちに現れる健康障害で、多くの有機溶剤に共通する障害について述べよ。また、そのような健康障害をもたらす有機溶剤の物性は何か。
(3)メチル水銀のヒトの体内への吸収、体内分布及び生体影響について、無機水銀(金属水銀を除く。)との違いに言及して述べよ。また、この違いを生じる理由も述べよ。
(4)化学物質の中には経皮吸収のリスクを考慮しなければならないものがある。このような化学物質の物性と経皮吸収のリスクについて簡潔に述べよ。
(5)経皮吸収のリスクを無視できないと考えられている物質について、そのリスクを ACGIH(米国産業衛生専門家会議)の TLVs(許容限界値)及び日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告の一覧ではそれぞれどのように表示しているか。
また、これらの値の設定に際して経皮吸収のリスクを考慮しているかどうかについて述べよ。
(6)化学物質の皮膚への接触や経皮吸収を防ぐために化学防護手袋がある。この手袋を選び使用する際に留意すべきことについて述べよ。
(7)経皮吸収や皮膚障害を防止するために、保護具による対策と作業の自動化など保護具によらない対策がある。この二つの対策のうちどちらを優先して考えるべきか、その理由も含めて述べよ。
(8)生物学的モニタリングの目的について述べよ。また、生物学的モニタリングが適用される有機溶剤の例を一つ挙げ、その指標物質を挙げよ。
(9)化学物質が吸入などにより体内に取り込まれなくても環境中に気体として存在して身体と接触すると直ちに健康影響をもたらすことがある。そのような健康影響の例を挙げよ。
(10)体内に取り込まれた有機溶剤が最終的に体外に排出される経路として主なものを二つ挙げよ。



以下、これらの問いに、自分の言葉で答えられるようになっていると、実は、筆記試験合格後の口頭試問でも関連した問がありますので、良い練習になると思います。(口頭試問の受験の記録・感想や小職の提案する勉強法については、年末位からこのブログでも紹介したいと考えています)


解答例

(1)
有機溶剤は沸点が低く蒸気圧が高いため、高濃度のガスとして空気中に存在するため、肺の奥深くまで入り込むことが出来るため、ばく露リスクが高くなる
(2)
麻酔作用や、めまいなど。脂溶性が高く、神経細胞への親和性が高いこと
(3)
メチル水銀のような有機水銀には、脂溶性があるため吸収されやすく、排出されにくい。脂溶性により神経細胞への吸収がされやすく、 脳や神経系統の障害を起こしやすい
無機水銀は、消化管で吸収されにくいため、消化器系の障害は起こりやすい。血中に入り込んでも、たんぱくとの結合により排出されやすい。
(4)
脂溶性の高いものは、皮膚からの吸収されやすいため、呼吸用保護具ではばく露リスクを低減しきれないケースがある。特に、溶剤に直接触れる洗浄や払拭作業で、経皮吸収のリスクが高くなる。
(5)
ACGIHは、皮膚への侵入のある物質の注意事項として「Skin」と表示している。
産業衛生学会は許容濃度等の勧告において経皮吸収の欄に「皮」と表示している。
TLVsも許容濃度等は気中の濃度を表示しており経皮ばく露のリスクは考慮されていない。
 


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