労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
R02労働衛生工学 記述式試験 回答速報⑤ [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、お疲れ様でした。
受験者の方から問題を入手いたしましたので、順番に紹介しています。
今日から問3。キャノピー型フードの設計計算でした。この問は、H24の問4に類似した問題です。
問3 図に示す正方形のキャノピー型フードについて、以下の設問に答え よ。
但し、空気密度は1.20kg/m3、水の密度は1000kg/ m3とする。計算は有効数字3桁
で行い、解答も3桁で答えよ。なお、諸元は次の通りである。
フードと汚染源の間隔 H = 0.35m
汚染源の一辺の長さ E = 1.00m
フードの一辺の長さ W = 1.20m
フードの仮想高さ Z = 2×E[m]
(1)図に示すキャノピー型フードにおいて、汚染源に熱源がある 場合に、正方
形の汚染源からの上昇気流と周囲の空気との温度差Δtが120℃ であるときにつ
いて以下の問に答えよ。
①汚染源から発散する汚染気流の量について次の式を用いて計算せ よ。
但し、Aは汚染源の面積とする。
Q1=0.57×A^0.33×Δt^0.45×Z^1.5
ただし、Δt^0.45=8.62とする
②漏れ安全係数と漏れ限界流量比の意味を考えて、以下のアからウ の式のうち適切なものを選択して、キャノピー型フードの必要排風量を求めよ。
但し、空気密度は1.20kg/m3、水の密度は1000kg/
で行い、解答も3桁で答えよ。なお、諸元は次の通りである。
フードと汚染源の間隔 H = 0.35m
汚染源の一辺の長さ E = 1.00m
フードの一辺の長さ W = 1.20m
フードの仮想高さ Z = 2×E[m]
(1)図に示すキャノピー型フードにおいて、汚染源に熱源がある
形の汚染源からの上昇気流と周囲の空気との温度差Δtが120℃
いて以下の問に答えよ。
①汚染源から発散する汚染気流の量について次の式を用いて計算せ
但し、Aは汚染源の面積とする。
Q1=0.57×A^0.33×Δt^0.45×Z^1.5
ただし、Δt^0.45=8.62とする
②漏れ安全係数と漏れ限界流量比の意味を考えて、以下のアからウ
ア)Q2=Q1(1+漏れ安全係数×漏れ限界流量比)
イ)Q2=Q1×漏れ安全係数×漏れ限界流量比
ウ)Q2=Q1(漏れ安全係数+漏れ限界流量比)
此処では、それぞれ、以下の値を用いよ。
漏れ安全係数 :5
漏れ限界流量比 :0.821
イ)Q2=Q1×漏れ安全係数×漏れ限界流量比
ウ)Q2=Q1(漏れ安全係数+漏れ限界流量比)
此処では、それぞれ、以下の値を用いよ。
漏れ安全係数 :5
漏れ限界流量比 :0.821
③Q2の計算において、漏れ安全係数が必要な理由を述べよ。
④Q2の計算において、限界流量比が必要な理由を述べよ。
小生の回答案
①Z^1.5=root(Z^3)であり、Z=2×E=2×1.0=2.0
Z^1.5=root(2×2×2)=2×√2=2×1.414→1.41=2.828 →2.82
A^0.33→A=1なので、 A^0.33=1.0
Q1=0.57×1.0×8.62×2.828=13.85→13.8
Q1=0.57×1.0×8.62×2.828=13.85→13.8
Q1は、13.9→13.8m3/分
②漏れ限界流量比の意味は、「噴き出し空気の流量Q1に対する誘引空気流量の比の限界値を漏れ限界流量比という」なので、ア)を選択します。
Q2=Q1×(1+5×0.821) =25.3= 13.8×5.11 =70.5
Q2は、25.3m3/分 =70.5m3/分
ぴっころさんのコメントで修正しました。申し訳ありませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
2021/5/25修正:ワークさんのご指摘で、有効数字について修正しました。
③フード周辺の乱れ気流の影響が有っても、有効にフードに吸引する為。
④上昇気流により誘導気流が発生する為。温度差が大きいほど、誘導気流が大きくなる。
十分大きい排風量を確保しないと、フードの圧損により、上昇気流が、フードの外側に広がってしまい、有害物質の一部分をフードの外側に逃がしてしまう為。
④上昇気流により誘導気流が発生する為。温度差が大きいほど、誘導気流が大きくなる。
十分大きい排風量を確保しないと、フードの圧損により、上昇気流が、フードの外側に広がってしまい、有害物質の一部分をフードの外側に逃がしてしまう為。
過去問H24問4の画像はこちら。汚染源のサイズがちょっと変わっていますが、あとはほぼほぼ同じ(+_+)
小問(2)以降は、明日また。
やはり、沼野先生の本を隅々まで勉強しないといけませんね。
初めまして!
衛生コンサルタントを目指し勉強を始めました。
解説記事はわかりやすくて非常に勉強になります。
ところで、本記事中のQ2の計算ですが、Q1が13.9m3/分なので
Q2=Q1×(1+5×0.821) = 13.9×5.105 =70.9
になりませんか?
私の計算がおかしいのでしょうか?
教えていただけると幸いです。宜しくお願いいたします。
by ぴっころ (2021-01-13 20:44)
ぴっころさん
コメント・間違いのご指摘、ありがとうございます。
係数の5をかけ忘れて計算してしまいました。
修正しておきます。
もろもろ、ご参考になれば幸いです。
頑張ってくださいね。
by ちょまぷ (2021-01-14 20:27)
こんばんは。
夜分遅くに失礼いたします。
問3①のZですが、有効数字3桁で計算ですので、Z=2.82での計算ではないでしょうか?こちらで計算しますとQ=13.85で有効数字3桁で計算なので、13.8が正解ではないでしょうか?
間違いでしたら申し訳ございません。
もし、間違いでしたら教えていただけますと幸いです。
by ワーク (2021-05-24 22:46)
ワークさん、コメントありがとうございます。「有効数字」は厄介ですね。有効数字3桁で√2=1.41となるので、ワークさんのおっしゃる通り、Z^1.5=2.82です。さらに、2.82で計算すると、Q1=13.85なります。ここで丸めるときに、四捨五入だと13.9ですが、JISの5捨5入だと13.8ですね。本文も後ほど修正しておきます。
by ちょまぷ (2021-05-25 16:19)
ちょまぷ 様
お世話になっております。
ご教授願いたいのですが、②の5.11ですがQ2の計算途中で5.105の四桁目の5を四捨五入をするのはどのような考え方なのでしょうか?
仮に有効数字三桁で計算せよに従っているものとした場合でも計算途中では四桁目までは利用するのが基本だと思っておりました。
私の考え方は13.8×5.105=70.449=70.4でした。
又、①では2.828で四桁目の8を切り捨てております。同じ試験で四捨五入をするしないの違いはなぜ起こるのでしょうか?
お手数お掛けし申し訳ありませんが、宜しくお願いします。
by たきー (2023-07-04 10:40)
[たきー] 様、コメントありがとうございます。有効数字のお話は、いつも頭を悩ませています。数学の基本として「有効数字3桁で求めよ」であれば、[たきー] 様のご指摘の通りです。
============以下は、私の見解なので、これが絶対というわけではないとお願いして、敢えて、私の解釈を述べますね============
試験協会の過去問集を確認すると、「計算に用いる桁数を3桁とする」と解釈しているようなのです。
問題文に「計算は、有効数字3桁で行い」とある部分です。
折角、計算方法を勉強して試験に臨んでも、こんなところで、減点されたくない!、私も受験の時に感じていました。
================この解釈、間違っていたら、ごめんなさい。勉強しなければならない本質は、沼野先生の「やさ局排」p284 13章15.圧力損失計算結果の端数処理とまるめ方にあるように、「差しさわりのない限り、大きめになるようにまるめてください」だと思っています。===========ご意見頂ければ幸いです。
by ちょまぷ (2023-07-06 09:43)