労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
R02労働衛生工学 記述式試験 回答速報⑨ [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、 お疲れ様でした。
受験者の方から問題を入手いたしましたので、 順番に紹介しています。
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受験者の方から問題を入手いたしましたので、 順番に紹介しています。「回答が間違っているよ」というご意見があればコメントをお待ちしています。
今日は問4の最後のパートです。局所排気装置計算書の計算から少し離れた設問です。
受験者の方から問題を入手いたしましたので、
労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、
受験者の方から問題を入手いたしましたので、
今日は問4の最後のパートです。局所排気装置計算書の計算から少し離れた設問です。
(3) 局所排気装置計算書に基づいて実際に設置された図1に示した局所 排気装置を稼働させたときについて、次の問に答えよ。なお、 解答用紙の解答欄には計算過程を示し、 計算は有効数字3桁で行い、 解答は有効数字3桁目を四捨五入して有効数字2桁で答えること。
①フード1は囲い式フードで、その開口面を16等分して、 それぞれの中心の風速測定を行った結果、 表1に示した値が得られた。囲い式フードの排風量の計算式で、 開口面上での気流分布のムラを表す補正係数を計算せよ。
② 枝ダクト系列と主ダクト系列との合流点で全圧を測定してところ、 -1930Paであった。この結果から、 枝ダクト系列のダクトの断面積を0.00521m2として、 稼働時のフード2の排風量[m3/分]を計算せよ。なお、 合流点での主ダクト系列との静圧バランスはとれており、 盛津の値は設計時と変わらないものとする。
③枝ダクト系列のフード2はスロット型外付け式フードで、 その外観図を図2の(a)に、吸引口周囲の等速度面を(b) に示した。等速度面は、図2の点線で示した図形の表面で、 円柱の両端に半球が付いたものと考え、 表2のスロット型外付け式フードの形状等を参考にして② で求めた排風量から等速度面上の気流の速度[m/秒] を計算せよ。なお、等速度面を考えるときは、 等速度面上の吸引口の幅(z)は無視してよい。
局所排気装置計算書は、昨日完成させました。(3)の②で一部の数値を使います。
小問(3)の回答案
①補正係数は、平均風速と最低風速の比なので、 表1から平均風速は0.6m/s、最低風速は0.5m/ sであり、
0.6/0.5=1.2 k=1.2である。
②局所排気装置計算表で求めた合流点の全圧は-2120Pa-2290Paとなるが、実際の全圧は- 1930Paだったということなので、設計風量より、( 1930/2290)の二乗分平方根だけ、 風量が少なくなっていることになる。
コメントでご指摘頂き修正しました(2021/05/23)
合流点での静圧バランスがとれているという設定なので、 主ダクトを枝ダクトの静圧は同じ、枝ダクト側の静圧が下がった分枝ダクトの風量が下がるので、
13.1× (1930/2290)の平方根=10.9m3/分 9.30m3/分12.2m3/分
コメントで間違いを指摘頂き、修正しました。(2021/8/21)
③等速度面の面積=半径Wの円筒の表面積+半径Xの半球の表面積
W×(2×X×π)+4×π×Xの二乗
=0.5*2*0.1*3.14+4*3.14*0.1*0. 1=0.314+0.1256=0.4396
②の風量を用いると、等速度面の風速(m/秒)は、
風速(m/秒)=10.9 9.3÷0.4396÷60=0.41m/秒 0.35m/秒
②で実際の全圧が設計時の全圧より下がっているというのは、 ファンの選定が間違ったケースなのかもしれませんが、 安全を見込んで通常は大きめのファンを選んぶので動作点での風量 は、設計風量より少し大きくなるため、 ダクト内での全圧や静圧は設計時より大きくなることが多いと思い ますが、設問では敢えて足りないケースを選んだのでしょうか?
問4を振り返ると、設計風量に対してダクト断面積が小さくて、 搬送速度が38.2m/sとかなり大きく、その結果、 速度圧や圧損が全体に大きめという印象です。
通常、ガス状の有害物を排気する有機溶剤の局所排気装置では、 搬送速度が10-15m/s、粉じんの局所排気装置では、 搬送速度が20m/sくらいと教わっているので、 そこに違和感があって、 計算しながら凄く不安になる問題だったと思います。
また、小問(3)は、 実際の局所排気装置を動かした経験のない方、 実際の点検業務や作業現場のイメージのない方には、 問われている意味が分かりにくい設問かもしれません。 問4の中での配点が予想できないので、答え合わせをした後でも、 合否の予測が難しいですね。
やはり、沼野先生の本を隅々まで勉強しないといけませんね。
初めまして。
労働衛生工学コンサルを目指している者です。
いつも勉強にさせていただいております。
ところで、ご質問がございます。
問4(3)②の枝ダクトと主ダクトの合流点の全圧についてです。計算書の3-4番地直線ダクトの累計圧損-2120Paで計算されておりますが、4-5番地合流ダクトの累計圧損-2290Paでの計算が正しいのではないでしょうか?
私の勘違いでしたら申し訳ございません。
教えていただけましたら幸いです。
宜しくお願い致します。
by てるりん (2021-05-23 08:04)
てるりんさん
コメントありがとうございます。
おっしゃる4-5番地の合流ダクトの累計圧損-2290Paを使うはずですね。小職の間違いです。
後ほど本文も訂正しておきます。
ご指摘ありがとうございました。
一生懸命勉強されていますね。頑張ってください。
by ちょまぷ (2021-05-23 10:31)
お世話になります。
昨日ご質問させていただきました者です。
宜しくお願い致します。
問4の③のスロット型フードについてご質問させていただきます。
等速度面が全円柱のスロット型フードの場合の排風量の計算は、一般的にQ=60×5×スロット長(L)×等速度面までの距離(X)×制御風速
となっていますが、なぜ、この問題では適用できないのでしょうか?
これで計算しますと、答えが0.62m/sとなります。
教えていただけますと幸いです。宜しくお願い致します。
by てるりん (2021-05-24 08:38)
てるりんさんコメントありがとうございます。良く勉強されており、公式も覚えていらっしゃるので、この様なコメントを頂いたものと拝察します。
おっしゃるとおりで、沼野先生の局排設計教室p156を見ると、
「自由空間に置かれたスロット型開口の等速度面の面積Acは、理屈では2πXLになるはずですが、実際のスロット型フードでは等速度面が正確な円柱ではないため、(中略)排風量=60×5.0×XL×制御風速」ということで、等速度面の面積を、みかけ6.28XLから5.0XLに減らして計算することになっていますね。
一方、この問題では、「等速度面は、図2の点線で示した図形の表面で、円柱の両端に半球が付いたものと考え」となっていますので、正直に、円筒+二個の半球が等速度面として、面積を求めて、計算をした方が良いのではないかと思います。
小職は、「設問の最終で、このような問いかたをしてくるということは、問題作成者の意図としては、『与えられた情報と(排風量は等速度面の面積と制御風速の積)という原則で解答して欲しい』と思ったからだ」と思っています。
長文となりましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
違う見解でしたら、コメント頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
by ちょまぷ (2021-05-24 15:24)
お世話になっております。
ご教授ありがとうございました。
とてもよく理解できました。
ありがとうございました。
また、ご質問ありましたら宜しくお願い致します。
by てるりん (2021-05-24 17:52)
お世話になっております。
度々、申し訳ございませんが再度ご質問があります。
局所排気装置計算書の計算ですが、平成25、26年あたりの設問文に「計算には有効数字3桁を使用し、解答は有効数字3桁で記入せよ」とあります。この場合、計算時では有効数字4桁を四捨五入して計算するのか、切り捨てて計算するのかが設問文から判断できません。
指定がない限り基本的に、切り捨てで計算すればよいのでしょうか?
約束事等ありましたら、ご教授お願い致します。
ちなみに、排風量は有効数字3桁目を四捨五入して有効数字2桁で計算するのが基本だと聞きました。
by てるりん (2021-05-24 18:26)
てるりんさん、コメントありがとうございます。私も「有効数字」には、頭を悩ませることが多いです。四捨五入と明示していない場合は、JISの有効数字丸め(俗称5捨5入)になるのだと思います。但し、実際の設計書の計算では、風量が大きくなる方向(安全サイド)に設計しておいて、ファン選定で余力のあるファンを選ぶことが好ましいので、切り上げという選択肢もあると思います。試験問題の時は、解答していて困ってしまいますね。JISと局排の数値計算の丸め方については、沼野先生の教科書にも、説明が追加されたようですので、機会を新ためて紹介したいと思います。
by ちょまぷ (2021-05-25 16:24)
分岐ダクトの風量は、
13.1*√(1930/2290)=12.0 になるのではないでしょうか?
全圧,静圧とも速度の二乗に比例することと、風量は速度に比例することを考えて。
by モリタ (2021-08-20 15:30)
モリタさん
間違いの指摘ありがとうございました。
修正致しました。
by ちょまぷ (2021-08-21 12:51)