労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会中間とりまとめ が公表されました [法令・通達情報※労働衛生]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16086.html
職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会中間とりまとめ
が公表されましたので、レビューしたいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000721771.pdf
かなり大きな方針変更の提案となっており、小職のブログでも11月の検討会の資料をレビューしておりましたが、①『自律的な管理』とか、②『インダストリアル・ハイジニスト』とか従来の法規制に無い概念が導入されそうです。
以下、レビューになります。薄い色の字は私見ですので、言いすぎている部分はご容赦くださいませ。
1)化学物質規制体系の見直し(自律的な管理を基軸とする規制への移行)
下記のように変えることを提案しており『講ずべき措置は事業者が決めなさい』となっています。
これまで:
国が①リスク評価を行い、
②特定化学物質障害予防規則等の対象物質に追加し、
③ばく露防止のために講ずべき措置を国が個別具体的に法令で定める
事業者は法を守る
見直し:
国は①ばく露濃度等の管理基準を定め、
②危険性・有害性に関する情報の伝達の仕組みを整備・拡充し
事業者は
①その情報に基づいてその情報に基づいてリスクリスクアセスメントを行い、
②ばく露防止のために講ずべき措置を自ら選択して実行
→国は責任を問われませんよ~ってことですかいのぅ
職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会中間とりまとめ
が公表されましたので、レビューしたいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000721771.pdf
かなり大きな方針変更の提案となっており、小職のブログでも11月の検討会の資料をレビューしておりましたが、①『自律的な管理』とか、②『インダストリアル・ハイジニスト』とか従来の法規制に無い概念が導入されそうです。
以下、レビューになります。薄い色の字は私見ですので、言いすぎている部分はご容赦くださいませ。
1)化学物質規制体系の見直し(自律的な管理を基軸とする規制への移行)
下記のように変えることを提案しており『講ずべき措置は事業者が決めなさい』となっています。
これまで:
国が①リスク評価を行い、
②特定化学物質障害予防規則等の対象物質に追加し、
③ばく露防止のために講ずべき措置を国が個別具体的に法令で定める
事業者は法を守る
見直し:
国は①ばく露濃度等の管理基準を定め、
②危険性・有害性に関する情報の伝達の仕組みを整備・拡充し
事業者は
①その情報に基づいてその情報に基づいてリスクリスクアセスメントを行い、
②ばく露防止のために講ずべき措置を自ら選択して実行
→国は責任を問われませんよ~ってことですかいのぅ
(ア)GHS分類済み危険有害物に対する情報伝達及びリスクアセスメントの義務
国はGHS分類を行う。
国によるGHS分類の結果、危険性・ 有害性の区分がある全物質をラベル表示・ SDS交付の義務対象とし、事業者にリスクアセスメント及び措置の実施を義務付ける。
国はGHS分類を行う。
国によるGHS分類の結果、危険性・ 有害性の区分がある全物質をラベル表示・ SDS交付の義務対象とし、事業者にリスクアセスメント及び措置の実施を義務付ける。
(イ)吸入ばく露対策
代替化・密閉化等・作業管理・保護具などの一般管理の義務化を原則とするほか、
①国が定めたばく露限界値を基準とし、労働者が吸入する有害物質の濃度が当該基準以下となるような措置を講ずることを義務付ける。
代替化・密閉化等・作業管理・保護具などの一般管理の義務化を原則とするほか、
①国が定めたばく露限界値を基準とし、労働者が吸入する有害物質の濃度が当該基準以下となるような措置を講ずることを義務付ける。
(ウ)経皮ばく露
保護具着用を法で定める。
保護具着用を法で定める。
(エ)労災多発の場合等の製造・使用制限
(オ)特定化学物質障害予防規則等の既存の規制の取扱い
特定化学物質障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則等の個別の規制で管理方法が具体的に定められているものについては、これらの規定に基づく管理を 引き続き適用する。
特定の条件を満たす場合に、規制を緩和できる
①インダストリアルハイジニスト。等、が管理体制に関与する。
②③④数年間、当該有害物質による災害や健康診断での有所見が無く、管理状況が維持されていること
①については、柳川先生もコメントされておりますが、労働衛生コンサルは、どうなんでしょうね?
更に
(ア)労使等による化学物質管理状況のモニタリング
① 衛生委員会において、自律的な管理の実施状況 (リスクアセスメントの実施結果、労働者のばく露の状況、保護具の選択、使用を含む措置の実施状況等を想定。以下同じ。 を労使で共有し、調査審議を行うこと。
③ 自律的な管理の実施状況の記録・保存
④ 化学物質の取扱いの規模が一定以上の企業は、定期的に、自律的な管理の実施状況について、インダストリアル・ハイジニスト等の専門家の確認・指導を受けること。
特定化学物質障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則等の個別の規制で管理方法が具体的に定められているものについては、これらの規定に基づく管理を 引き続き適用する。
特定の条件を満たす場合に、規制を緩和できる
①インダストリアルハイジニスト。等、が管理体制に関与する。
②③④数年間、当該有害物質による災害や健康診断での有所見が無く、管理状況が維持されていること
①については、柳川先生もコメントされておりますが、労働衛生コンサルは、どうなんでしょうね?
更に
(ア)労使等による化学物質管理状況のモニタリング
① 衛生委員会において、自律的な管理の実施状況 (リスクアセスメントの実施結果、労働者のばく露の状況、保護具の選択、使用を含む措置の実施状況等を想定。以下同じ。 を労使で共有し、調査審議を行うこと。
③ 自律的な管理の実施状況の記録・保存
④ 化学物質の取扱いの規模が一定以上の企業は、定期的に、自律的な管理の実施状況について、インダストリアル・ハイジニスト等の専門家の確認・指導を受けること。
④って、対象企業って結構広いのかしら。元々、衛生工学衛生管理者が選任義務のある事業所に更に上乗せかしら。
(イ)健康影響に関するモニタリング
既存の特定化学物質、有機溶剤等は従前の管理を行うが、それ以外の自律管理物質については、
①健康診断の実施の要否は(労使の議論、産業医の意見を参考に)事業者が決定
②労働者がばく露限界値を超えてばく露した可能性がある等必要な場合は、臨時の健康診断を実施
③化学物質を製造・取扱う作業に従事する労働者については、年に1回実施する一般定期健康診断の問診を行う医師は、化学物質の取扱い状況等を労働者から聴取した上で、健康への影響の有無について特に留意して確認する。
③は大変なことになるよん。検診の時に、どんな薬品を使っていたかを事前に問診できるように準備しておくってことですよね。定期健康診断に特殊健康診断と同じ負荷かかるのと、定期健康診断の診察医さんに、産業医さん並みの知識を求めるってことですよね。
SDSについても見直しがあります。
①SDS交付義務のない一般消費者向け製品の対象明確化
②違反者への指導強化
③SDSに推奨用途と使用上の制限の明記
④SDSの定期的な更新の義務化
その他、事業所の安全衛生担当に負荷になりそうなのは、
①移し替え時のGHSラベル義務化
②外部委託時の危険有害性の情報伝達の義務化
③ラベル等の教育の義務化
(イ)健康影響に関するモニタリング
既存の特定化学物質、有機溶剤等は従前の管理を行うが、それ以外の自律管理物質については、
①健康診断の実施の要否は(労使の議論、産業医の意見を参考に)事業者が決定
②労働者がばく露限界値を超えてばく露した可能性がある等必要な場合は、臨時の健康診断を実施
③化学物質を製造・取扱う作業に従事する労働者については、年に1回実施する一般定期健康診断の問診を行う医師は、化学物質の取扱い状況等を労働者から聴取した上で、健康への影響の有無について特に留意して確認する。
③は大変なことになるよん。検診の時に、どんな薬品を使っていたかを事前に問診できるように準備しておくってことですよね。定期健康診断に特殊健康診断と同じ負荷かかるのと、定期健康診断の診察医さんに、産業医さん並みの知識を求めるってことですよね。
SDSについても見直しがあります。
①SDS交付義務のない一般消費者向け製品の対象明確化
②違反者への指導強化
③SDSに推奨用途と使用上の制限の明記
④SDSの定期的な更新の義務化
その他、事業所の安全衛生担当に負荷になりそうなのは、
①移し替え時のGHSラベル義務化
②外部委託時の危険有害性の情報伝達の義務化
③ラベル等の教育の義務化
検討会の資料の図は下記です。https://www.mhlw. go.jp/stf/newpage_14534.html
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学
分かりやすい説明ありがとうございます。
ところで、ちょまぷさんが日頃情報収集されている
元情報はどちらのサイトを見られてますか?
by トトっ子 (2021-01-19 14:32)
トトっ子さん コメントありがとうございます。
法改正動向などは、厚労省の新着をメインに見ています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/new-info/
時々、厚労省の検討会スケジュールを覗いて、検討会資料の更新などを追いかけています。
リンク先にも上げさせて貰っています「柳川先生」のサイトと、ここ1か月ほど更新されていませんが、中災防の新着もおすすめです。
良い機会なので、コンサルお役立ちリンクに加えておきます。
by ちょまぷ (2021-01-19 14:55)