事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
労働衛生工学過去問(H24-1-2) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタントの筆記試験を受験される方を応援するために、過去問を一問ずつ紹介していきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答・ご不明な点についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>
少し古い問題ですが、化学物質管理のあり方の基本的な知識を問う問題ですので、似たような問題が再出してもおかしくは無いと思います。
H24衛生工学 問1の小問(4)と小問(5)
問1
作業環境に存在する化学物質による健康被害防止の為の有害性の調査(化学物質リスクアセスメント)について、以下の設問に答えよ。
(4) ある作業場では、慢性中毒を示す物質Aを取り扱っている。表1に示す物質Aの作業環境測定結果および、表2に示す物質Aの毒性値、作業者の呼吸量、作業時間等の情報を用い、
①ばく露推定値
②年平均の1日の作業時間
③その時間内の呼吸量
④作業者のばく露量
⑤作業者の許容ばく露量
を計算し、物質Aの慢性毒性についてリスクの判定結果を示せ。
計算式を順次示し、数値には単位を記すること。またばく露の推定に使用した作業環境測定の数値には、その選択理由を簡潔に記せ。なお、物質Aは作業場以外には存在せず、毒性は物質Aの吸入ばく露によってのみ生じ、他の要因の関与はないものとする。また、肺からの吸収率はAとする。
(5)同じ化学物質の使用を続ける場合のリスク低減のための措置について、優先順位の高い順に三つ上げよ
小職の回答例
①ばく露推定値
第二評価値は、その環境の時間/空間の偏りも加味した平均的な濃度であるため、この値を採用する。 8.2mg/m3
②年平均の1日の作業時間
7時間×200日/365日=3.83時間/日
③その時間内の呼吸量
7時間×200日/365日*10/8=4.79m3/日
④作業者のばく露量
7時間×200日/365日*10/8*8.2mg/m3=39.3mg/日
⑤作業者の許容ばく露量
400/300*60=80mg/日/一人
物質Aの慢性毒性についてリスクの判定結果
時間当たりの平均ばく露量は、NOAELの約1/2であり、この環境においては、慢性中毒のリスクはないものと判断できる、作業環境・作業管理の維持を図る必要がある。
(5)同じ化学物質の使用を続ける場合のリスク低減のための措置について、優先順位の高い順に三つ上げよ
①同じ機能の化学物質への代替による使用の中止や、使用量の低減
②ラインの自動化による隔離、局所排気設備設置など、ばく露量を低減するための工学的な措置
③使用時間の短縮、作業管理などによる、ばく露の低減
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