事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
2021講習会参加状況まとめ [講習会情報]
2021年 労働安全衛生の重要法令改正 [法令・通達情報※労働衛生]
年末で仕事納めも済みましたので、一年の法令改正情報を振り返ってみました。
今年は、なんといっても、特化則・金属アーク溶接関連の改正の段階施行で、忙しかった方々も多かったのでは無いかと思います。また、石綿関連の改正も、段階施行に入っており、ずい道工事のガイドラインの改正も施行されるなど、粉じんによる健康障害の規制強化が続いた一年でした。
また、化学物質管理のあり方に関しては、個別物質の規制から自律管理に向けた動きが具体化しており、年末12/16には、表示通知対象物質の234物質追加のパブコメが発出されております。
来年度は、化学物質の自律管理に向けた議論が更に具体化していくことが、予想されますね。
来年も、改正情報をしっかりフォローして整理し、可能な範囲で提供してゆきたいと思いますので、当ブログをよろしくお願いいたします。
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以下、各法令改正のポイントです。
法令関係
・自律管理に向けた法整備が開始 JnioshのHP
表示・通知対象物質 2-300件/年 増加が始まる
・溶接ヒューム 規制開始 リーフレット
R4/3/31までに下記を実施
金属アーク溶接を行う屋内作業場での
個人ばく露測定とその記録・保存
測定結果に応じた防護係数の保護具の選定・着用
R5/4/1から
半年に一回、上記で選定し使用している呼吸用保護具のフィットテスト
・解体工事・補修工事でのASB規制強化(段階施行)
R3/4/1から
一定規模以上の解体工事・特定設備の補修工事について、
石綿含有の調査・掲示
Level2以上の石綿について、計画の届出
工事中のばく露防止・飛散予防措置の強化 など
R4/4/1から
調査結果の報告
R5/10/1から
石綿含有の調査を資格者に限定
※一人親方の家族や周辺作業員・関連業務への障害予防措置拡大も検討開始
・粉じん作業を行う坑内作業場の対策強化 厚労省 報道発表
R3/4/1から、ずい道等建設工事における粉じん対策ガイドラインの改正
・「ずい道等の掘削等作業主任者の職務」を追加
・「粉じん発生源に係る措置」の強化
・「換気装置等による換気」の強化
・事務所則の見直し・改定 リーフレット
照度基準 「一般的な事務作業」で300ルクス以上 R4/12/1~
室温基準 17~28℃ → 18~28℃ R4/4/1~
トイレの構造・数などの規制 R3/12/1~
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「個人サンプリング法」と「溶接ヒュームの測定」の比較 [講習会情報]
個人サンプリング法講習 修了考課対策メモ 試験対策のポイント [講習会情報]
今日は二日目の講義後、午後からの修了考課対策メモを公開します。
実際には、「法令関係」から、抜き出して、封筒の裏に落書きして覚えました(笑)
自分の復習用に、テキストにしたのが、下記になります。
修了考課は、30分25題くらいの○×の二択です。
法令関係以外に、サンプラーの装着実習と、測定下限の話と、簡易測定器の話が、1-2問ずつくらい出ていましたが、午前中に触ったばかりなので、なんとかなりました。
修了考課対策メモ
個人サンプリング法は、気中濃度測定。作業環境の評価であって、個人ばく露測定ではない。
繰り返し話されるので、誤解の無いように
気中濃度測定=65条→作業環境の評価と改善のための測定
個人ばく露測定=22条→化学物質リスクアセスメントのための測定
対象物
特化物のうち、低濃度管理物質 13種
鉛
有機則の有機溶剤 発散源の一定しない作業に限る
個人サンプリング法の選択
事業者による判断で採用(MUSTではない)
作業環境測定士が決めるのではない
(事業者・衛生委員会などに情報を提供する、意見を述べる)
A・B測定と、C・D測定の違い
デザイン・サンプリングは別物、分析と評価は同じ
デザイン・サンプリング
A・B測定
①A測定は、6m以内の等間隔の縦横線の交点で1点10分以上測定
②B測定は、ばく露の最も大きいと思われる時間と作業者を選定し、10分測定
③サンプリングは、試料採取機器を測定点に設置して実施(固定点)
C・D測定
①C測定、均等ばく露作業の全員を対象 →分割可能
均等ばく露作業の全時間を測定 →分割可能&短縮可能(下記・特例)
②試料採取機器を装着して、ばく露の最も大きいと思われる時間と作業者を選定し、
15分測定
③サンプリングは、試料採取機器を作業者に装着して実施(移動点)
C・D測定のサンプリングの特例
5人を限度に、人数を減らしても良い
分割:5人未満の場合は、時間・作業者が均等になるように分割
対象の全時間を均等に分割(一回 10分になっても良い)
対象者を均等に分割 (3人なら、一人2回ずつ、計6回測定)
短縮:2時間を下回らないように、時間短縮が可能
評価
C測定は、A測定と同じ統計処理
第一評価値・第二評価値を計算し、管理濃度と比較する。
D測定は、B測定と同じ式で、管理濃度と比較
許容濃度・ばく露限界値(STELなど)と比較するのではない。
①有機溶剤は、感度の心配より、吸着剤の破過に注意
②低管理濃度物質については、検出下限を満足するように、測定手段を工夫する必要有り。
作業環境測定士第二種講習「個人サンプリング法」 [講習会情報]
今日は二日目の講義について、紹介します。
午前中の前半1.5時間は講義です。
(3) 個人サンプリング法に係るサンプリングの方法
個人サンプリング法の対象物質毎に
(低管理濃度特定化学物質、鉛及び有機溶剤等)
採取方法及び採取した試料の管理方法について、説明があります。
(4) 簡易測定機器とその取扱い
個人サンプリング法に使用可能な簡易測定機器(検知管方式の測定機器を含む。)の原理及び取扱方法について。特に、有機溶剤用の計測器が進化しており、リアルタイムモニターとしても記録できるので、作業場や作業プロセスのいつのタイミングで、ばく露が大ききくなったのかも、調べることが出来る為、リスク評価にも、改善の為の調査にも使える優れものです。
アマゾンの「個人ばく露濃度計」
新コスモス電機 個人ばく露濃度計 XV-389 《携帯用ガス検知器》
- 出版社/メーカー: 新コスモス電機
- メディア:
個人サンプリング法の実習
午前中の後半1.5時間で、個人サンプラーの装着実習を行います。1時間半かけて、装着実習と同時に、いろいろな個人サンプリング用の採取容器に、実際に触ることが出来ます。
最初に、有機溶剤用のパッシブサンプラーを缶から出して、自分の襟元に付けることができます。操作は簡単ですが
①缶から出した瞬間から測定が始まっているので、いつ作業者に付けるのかがまず大事です。
②測定後にメンブレンを外して、プラ蓋に付け替えることで,測定終了となるので、何処で作業者から取り外すのか、作業環境測定士がすぐにプラ蓋を付けられるか?などを決めておく必要があります。
スリーエム 有機ガスモニター 3500
スリーエム4-339-01有機ガスモニター3500(分析結果付)【1個】(as1-4-339-01)
- 出版社/メーカー: スリーエム
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
粉じんをろ過するフィルターカセットとサイクロン型分粒器の組み立ても、慣れが必要のようです。また、サイクロン型分粒器を倒すと分粒した粗大粒子が、フィルターカセットの方に飛散してしまうので、作業者の襟元に、旨くセットする必要があります。
そこに、吸引ポンプのホースを取り付け、吸引ポンプも作業者の腰に取り付けるので、ホースを作業の邪魔にならないよう、旨く安全ピンなどで固定してあげる必要もあります。さらに、作業者からの取り外しの時もサイクロン型分粒器を倒さないよう気を遣います。
これは、お隣の受講者と、二人ペアで、一人が作業者役になってその人の身体に取り付けてみるのですが、なかなか苦労します。私のペアの方は、溶接ヒュームの個人ばく露測定で、何度も実施している経験者だったので、いろいろコツを教えて貰うことが出来ました。
テキストから転載した装着写真
測定下限値について
二日目の午後は、修了考課30分でおしまいです。
お昼を挟むので、食後、昨日の法令関係を復習しておくことをお勧めします。
修了考課の対策用のメモは、明日のブログで公開したいと思います。
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