労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
表示通知対象物質の追加の官報・通達 [法令・通達情報※労働衛生]
表示通知対象物質の追加の官報が発出されました。
表示通知対象物質:
容器に入れたり包装して、使用、保管、譲渡、あるいは、提供する場合に、名称等の表示・通知をしなければならない化学物質
今回の追加は234物質で、合わせて、234物質の裾切値も、労働安全衛生機則に追加されました。
労働安全衛生法施行令 別表第九の改正
労働安全衛生規則 別表第二の改正
労働安全衛生規則及び特定化学物質障害予防規則の一部を改正する省令(厚生労働二五)
大量の表示通知対象物質の追加となります。
施行期日は、令和六年四月一日ですので、SDSの改訂やリスクアセスメントの実施は、計画的に取り組む必要がありますね。
今回の表示通知対象物質の追加については、中災防のサイトも参照してください。
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「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案」のパブコメ [法令・通達情報※労働衛生]
「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案」のパブコメが発出されました。
「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集について
化学物質管理のあり方検討会の討議を受けて、「自律管理」に向けた省令改正となりますので、内容を詳しく見てみたいと思います。
改正の趣旨では、
「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集について
化学物質管理のあり方検討会の討議を受けて、「自律管理」に向けた省令改正となりますので、内容を詳しく見てみたいと思います。
改正の趣旨では、
「有機則等により危険性又は有害性等の高い化学物質を個別に特定し、具体的な措置内容を法令で定めていた従来の仕組みを、ラベル表示やSDS交付による危険性又は有害性等に関する情報の伝達及び当該情報に基づくリスクアセスメントによる、事業者が自律的な管理を行うことを基本とする仕組みへ見直す」となっています。
改正の概要としては、
安衛則では
ア)化学物質管理体制の強化
a)化学物質管理者を選任
b)保護具管理責任者を選任
c)業種にかかわらず、雇入れ時等に、化学物質の危険性・有害性・取扱い方法を教育
改正の概要としては、
安衛則では
ア)化学物質管理体制の強化
a)化学物質管理者を選任
b)保護具管理責任者を選任
c)業種にかかわらず、雇入れ時等に、化学物質の危険性・有害性・取扱い方法を教育
a)b)ともに、選任届までは不要ですが、立ち入りなどで確認されることになりそうですね。
後述するエ)の化学物質管理のモニタリングにおいて、安全衛生委員会などに参加して、リスクアセスメントの結果やばく露状況を報告して意見を述べたりする役割となりそうです。
化学物質管理者の選任要件や役割、選任時教育などについては、この前の「化学物質管理のあり方についてのリスクコミュニケーション」の質疑でも、これから専門家委員会で検討すると言うことのようです。
イ)SDS等による情報伝達の強化
a)SDSによる通知の方法を、HPへの掲載で可とする。
b)表示通知対象物質のSDSの5年毎の確認と更新したときの通知を義務化
表示通知対象物質以外で有害性区分のあるものについては、努力義務
c)事業者が移し替えてして使用・保管するときにも、表示・従業員への通知が必要
a)SDSによる通知の方法を、HPへの掲載で可とする。
b)表示通知対象物質のSDSの5年毎の確認と更新したときの通知を義務化
表示通知対象物質以外で有害性区分のあるものについては、努力義務
c)事業者が移し替えてして使用・保管するときにも、表示・従業員への通知が必要
a)は、提供者側の責任の一部を、使用者にも課する方向で、良い方向と思いますが、
b)は、製造・提供者側の負担が増えて、大変です。
c)は、これまで、盲点で野放しだったので、当然の措置かと思います。
ウ)リスクアセスメント
a)化学物質リスクアセスメントの実施記録を3年保管
b)労基署による化学物質管理の指導c)リスクアセスメント対象物について、
①-ばく露リスクの低減措置の実施
②-別途定めるばく露限界値の遵守
③-①②の結果の労働者の意見を聞き、その結果を記録3年保管
がん原性物質については、30年保管
④-リスクアセスメント対象物以外の物質についてのばく露防止措置を努力義務に
⑤-健康診断は、労働者と医師の意見を聞き、実施を判断する
ばく露基準値を超えた場合は、速やかに健診を実施
⑥-健診の結果の保存(3年、がん原性物質は30年)
⑦-がん原性物質の取り扱い作業記録を30年保管
⑧-眼・皮膚障害の危険性のある物質についての保護具着用
⑨-眼・皮膚障害の危険性の不明な物質については、保護具着用を努力義務
経皮吸収についての強化が物足りないと感じました。もう少し、議論や研究結果が必要なのかもしれません。
エ)化学物質管理についての労使によるモニタリング
衛生委員会における付議事項として、ウの(c)①、②及び⑤を追加
ばく露低減策、ばく露限界値遵守状況、健康診断、以上3つの結果の報告と審議が
安全衛生委員会の審議事項として義務付けられます。
a)化学物質リスクアセスメントの実施記録を3年保管
b)労基署による化学物質管理の指導c)リスクアセスメント対象物について、
①-ばく露リスクの低減措置の実施
②-別途定めるばく露限界値の遵守
③-①②の結果の労働者の意見を聞き、その結果を記録3年保管
がん原性物質については、30年保管
④-リスクアセスメント対象物以外の物質についてのばく露防止措置を努力義務に
⑤-健康診断は、労働者と医師の意見を聞き、実施を判断する
ばく露基準値を超えた場合は、速やかに健診を実施
⑥-健診の結果の保存(3年、がん原性物質は30年)
⑦-がん原性物質の取り扱い作業記録を30年保管
⑧-眼・皮膚障害の危険性のある物質についての保護具着用
⑨-眼・皮膚障害の危険性の不明な物質については、保護具着用を努力義務
経皮吸収についての強化が物足りないと感じました。もう少し、議論や研究結果が必要なのかもしれません。
エ)化学物質管理についての労使によるモニタリング
衛生委員会における付議事項として、ウの(c)①、②及び⑤を追加
ばく露低減策、ばく露限界値遵守状況、健康診断、以上3つの結果の報告と審議が
安全衛生委員会の審議事項として義務付けられます。
オ)化学物質によるがんの把握の強化
a)同一物質を取り扱い作業者が二人以上、同じ部位のがんに罹患した場合は、医師に業務起因性を聞くこと
b)前項で、医師が業務起因性の疑いを判断した場合は、労基署に届けること
一方、有機則等関係では、
カ)化学物質管理の水準が一定以上の事業場に対する個別規制の適用除外
下記の条件を満たしている場合、所轄の労基署に申請することで、有機則等の規制(局所排気の設置や稼働条件、健康診断なども)を除害できるとしています。
条件は、
①事業場に化学物質管理専門家が配置されていること
②3年間以上、化学物質による死亡および休業4日以上の労災発生が無い
③3年以上で、第一管理区分が継続
④3年間以上、特殊健診の(IS法令順守化学物質による)有所見が無い
a)同一物質を取り扱い作業者が二人以上、同じ部位のがんに罹患した場合は、医師に業務起因性を聞くこと
b)前項で、医師が業務起因性の疑いを判断した場合は、労基署に届けること
一方、有機則等関係では、
カ)化学物質管理の水準が一定以上の事業場に対する個別規制の適用除外
下記の条件を満たしている場合、所轄の労基署に申請することで、有機則等の規制(局所排気の設置や稼働条件、健康診断なども)を除害できるとしています。
条件は、
①事業場に化学物質管理専門家が配置されていること
②3年間以上、化学物質による死亡および休業4日以上の労災発生が無い
③3年以上で、第一管理区分が継続
④3年間以上、特殊健診の(IS法令順守化学物質による)有所見が無い
①は、オキュペイショナル・ハイジニストに加え、労働衛生コンサルタント・衛生工学衛生管理者も、一定程度の経験で専門家となるようですが、資格とか選任届とかについては、専門家委員会の検討と、告示などでの通達が気になるところです。
キ)作業環境測定結果が第三管理区分である事業場に対する措置の強化
㈠ 第三管理区分に区分された場所について、
①作業環境改善の可否と改善方策について、作業環境管理専門家の意見を聴く
②この意見を勘案し必要な措置を講じた上で、作業環境を再評価する
㈡ 第三管理区分が改善できなかった場合は、
①「個人サンプリング測定等」を行って、結果に応じた呼吸用保護具使用させる。
さらに、呼吸用保護具のフィットテストを実施し、結果を記録3年間保存。
② 保護具着用管理責任者を選任し、呼吸用保護具に係る業務を担当させること。
㈠ 第三管理区分に区分された場所について、
①作業環境改善の可否と改善方策について、作業環境管理専門家の意見を聴く
②この意見を勘案し必要な措置を講じた上で、作業環境を再評価する
㈡ 第三管理区分が改善できなかった場合は、
①「個人サンプリング測定等」を行って、結果に応じた呼吸用保護具使用させる。
さらに、呼吸用保護具のフィットテストを実施し、結果を記録3年間保存。
② 保護具着用管理責任者を選任し、呼吸用保護具に係る業務を担当させること。
③ 作業環境管理専門家の意見の概要と措置及び評価の結果を労働者に周知
㈢ 第三管理区分の評価結果が改善するまでの間、
① 6月に1回「個人サンプリング測定等」を行い、結果に応じた呼吸用保護具を使用させる
② 呼吸用保護具について、1年以に1回、フィットテストを行う。
③ ①②の結果を3年間(粉じんの結果は7年間)保存すること。
これまで、第三管理区分が改善されていない事業所への指導事項が、より明確になっています。個人ばく露測定とその結果に応じて呼吸用保護具等を選んで使用させること、フィットテストの実施と記録なども含まれている点がポイントですね。
ク)健康診断の実施頻度の緩和
健康診断の頻度(通常は6月に1回)を1年に1回とすることができる
条件は
・特化則の特別管理物質等に係るものは除く
・作業環境測定で3回連続して第一管理区分
・健康診断で3回連続異常所見がない
・ばく露量に大きな影響を与えるような作業内容の変更がないこと
など、となっています。
こちらは、労基署への申請については、要らないのかもしれません。衛生委員会での審議をしておく必要はありそうですね。今後の、Q&Aや告示で明らかになると思われます。
以上ですね。
今後の審議や、関係告知もしっかりフォローしたいと思います。
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ボイラー則の改正告示と、歯科定期検診の届出義務化のパブコメ [法令・通達情報※労働衛生]
表記の告示とパブコメがありました。
(1)は、木質バイオマスの簡易ボイラーについての安全規格を追加した告示です。
①水圧試験、「最高圧力が (新設)〇・一メガパスカルを超えるもの」について義務化
②自動温度制御装置等の設置義務化
③燃焼安全装置の設置義務化
③表示の義務化 (最高温度、燃料の種類)
(2)は、歯科検診を「有害業務の特殊健診」の位置づけを明確にする改正と考えられます。
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石綿作業主任者技術講習 [講習会情報]
石綿作業主任者技術講習
2/14-15で受講してきました。<埼玉県川口市>
2/14-15で受講してきました。<埼玉県川口市>
大幅改正の段階施行で、
今年の4月1日からは、事前調査の報告義務が発生しますね。
最新情報をフォローしているつもりですが、
良いタイミングなので、お復習いしておこうと言うことと、
R5.10からは、事前調査も有資格者でないと出来なくなる為、
「建築物石綿含有建材調査者講習」が今ホットです。
この講習を受けるには、石綿作業主任者技術講習の修了が必須と言うことなので、
資格拡大としては、美味しいと思います。
結構人気で、何処の会場もすぐにいっぱいになるようですね。
コロナ禍ということもあって、座席の間を一人飛ばしになっていましたが、
後ろまでぎっしりの会場で、50名程度受講しています。
内容的には、それほど多くないので、
「法令」 2時間
「作業環境の改善の知識」 4時間
「健康障害とその予防」 2時間
「保護具」 2時間
と長丁場の割には、説明事項が少ないので、
講師の先生も、時間を持て余してしまって居るようでした。
作業環境の改善については、
事故事例なども、それほどいろいろなパターンがあるわけでも無いようなので
テキストの写真とイラストだけで、講師の説明もあっさりしていました。
解体工事での、作業フローは、試験に出ない内容らしく
説明が少ないで物足りなかったです。
施工業者さんからの情報が少ないのかも知れませんね。
建設関係の講習機関のセミナーであれば、
もっと充実していたのかもしれませんね。
修了試験は、3択が20題。内訳は、下の写真の通りで
健康障害と予防4問、作業環境改善6問、保護具4問、法令6問、です。
講義中や終了時に、講師の先生が「ここにマーカーしてください」というので、
寝てさえいなければOKかと思われます。
座学が長かったので、翌日、腰がだるいです。歳ですな。
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令和3年度 労働安全衛生総合研究所(登戸地区)オンライン一般公開 [受験の記録]
コロナ渦で、2年ほど実施できていなかった、見学会が
今年は、オンラインで開催されるようです。
動画配信で、これまで公開していなかった実験室なども、見せて貰えるようです。
動画配信期間は、2月9日から14日までとやや短めです。
特別企画は、視聴申込すれば、誰でも視聴できるようです。
私も早速、申し込みました。
楽しみにしています。
プログラムを紹介しておきます。
特別講演③は、「化学物質の自律管理」に向けた動きの紹介なのかもしれないので、期待しています。
特別講演
研究所紹介①
労働衛生の歴史と具体的な課題についてご紹介します。
研究所紹介②
研究所の歩みと現在の活動についてご紹介します。
特別講演① (環境計測研究グループ)
大手ゼネコンでの熱中症対策について解説します。
特別講演② (環境計測研究グループ)
小規模建設現場での熱中症対策事例について解説します。
特別講演③ (過労死等防止調査研究センター)
過労死防止に向けての取り組みについてご紹介します。
特別講演④ (化学物質情報管理研究センター)
大転換期にある日本の化学物質管理を支援するために設立された本センターの役割と体制をご紹介します。
施設紹介
所内ツアー①
普段はお見せできない研究所の内部をご案内します。
普段はお見せできない研究所の内部をご案内します。
所内ツアー② 「人間工学研究グループ・実験室①」
労働者の体力と健康との関係について調査・研究する設備をご紹介します。
労働者の体力と健康との関係について調査・研究する設備をご紹介します。
所内ツアー③ 「人間工学研究グループ・実験室②」
暑熱・身体負荷による労働者の体温調節反応に関する研究設備をご紹介します。
暑熱・身体負荷による労働者の体温調節反応に関する研究設備をご紹介します。
所内ツアー④ 「人間工学研究グループ・実験室③」
働く姿勢が人体に及ぼす影響とその対策に関する研究設備をご紹介します。
働く姿勢が人体に及ぼす影響とその対策に関する研究設備をご紹介します。
所内ツアー⑤ 「環境計測研究グループ・実験室」
振動が人体に及ぼす影響とその対策に関する研究設備をご紹介します。
振動が人体に及ぼす影響とその対策に関する研究設備をご紹介します。
特別発表
①働く人のカラダ
②働く人のココロ
③労働にかかわる危険
②働く人のココロ
③労働にかかわる危険
研究グループ発表
①産業保健研究グループ
働く人々の健康問題、とりわけ過重労働やメンタルヘルスに関わる問題の原因究明及び対策立案を念頭に、ストレスや疲労、睡眠という視点から研究を行っています。
②人間工学研究グループ
労働者が曝される様々な健康障害要因が心身に及ぼす影響を明らかにすること、またその対策を提案することを目的とした疫学調査や被験者実験を行っています。
③環境計測研究グループ
環境計測研究グループでは、健康障害の原因となる「化学物質や粉じん等の有害因子」や「物理的リスク因子」の測定・評価・予測に関する研究及びこれらの成果を現場に適用するための応用技術の開発を行っています。
働く人々の健康問題、とりわけ過重労働やメンタルヘルスに関わる問題の原因究明及び対策立案を念頭に、ストレスや疲労、睡眠という視点から研究を行っています。
②人間工学研究グループ
労働者が曝される様々な健康障害要因が心身に及ぼす影響を明らかにすること、またその対策を提案することを目的とした疫学調査や被験者実験を行っています。
③環境計測研究グループ
環境計測研究グループでは、健康障害の原因となる「化学物質や粉じん等の有害因子」や「物理的リスク因子」の測定・評価・予測に関する研究及びこれらの成果を現場に適用するための応用技術の開発を行っています。
④化学物質情報管理研究センター
① 化学物質管理に必要な情報の収集・整理・発信、② 化学物質の労働者へのばく露評価の研究および労働災害の原因調査、③ 実験系を用いた化学物質の中毒性疾病(職業性がん等)の病因や発生メカニズムの解明、の3つの部で構成されています。
⑤過労死等防止調査研究センター
⑤過労死等防止調査研究センター
過労死等の効果的な防止に関する調査研究を進めるとともに、過労死等に関する情報の収集と提供を行っています。
⑥労働者放射線障害防止研究センター
現在、福島第一原発で2011年の事故当時から約10か月間、緊急作業に従事した約2万人の長期的な追跡調査を行っています。この疫学研究を含め、今後、放射線作業等による労働者の健康影響を調査する予定です。
⑥労働者放射線障害防止研究センター
現在、福島第一原発で2011年の事故当時から約10か月間、緊急作業に従事した約2万人の長期的な追跡調査を行っています。この疫学研究を含め、今後、放射線作業等による労働者の健康影響を調査する予定です。
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