事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
2023実施「労働衛生コンサルタント」試験問題が公表されました。 [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタント過去問リンク【労働衛生工学】令和4年度分追加しました [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その13) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
GW前に昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しました。私の回答案を紹介します。
誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。
令和3年以前の「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。
(7)完成した局所排気装置のダクト系の配管が予定より長くなりベンドも増えた場合に、推定されるこのダクト系の排風量Q[m3/min]と静圧の差Ps[Pa]の関係を、(6)の実線に比べて変化が定性的にわかるように解答用紙の図に点線で図示せよ。また、その理由を述べよ。
「理由」おおむね、排風量が同じ場合は、圧力損失が増えると、ファン選定に用いる静圧差は、正比例するので、図の上では、原点と(6)の点を結んだ直線の延長線上に来ると考えることができます。
「図」
(8)この局所排気装置で実使用時に排風量が過剰である場合に、排風機を替えずに排風量を制御する方法を二つ示し、それぞれの利点と欠点を述べよ。
<<方法1>>
排風機の種類にもよりますが、モーターの電流を下げて、回転数を落として、排風量を下げる方法があります。
【利点】
省エネになることと、将来、排風量を増やしたくなった時(ダクトの増設など)に、ダクト工事だけでファンを流用できるので、設置コストが下がることなどが、あげられます。
【欠点】
インバーターあるいは、モーター電流を制御する装置のコストアップがあげられます。
<<方法2>>
ダクトの途中に、ダンパーを取り付けて圧力損失を増やし、流量を絞る方法があります。【利点】
簡単・低コストで設置でき、風量の調整も、容易です。
【欠点】
エネルギーのロスが大きい点
ダンパーの騒音などのほか、管内の流速が局所的に落ちると粉塵除去用のダクトなどの場合は、管内の汚染などにも注意が必要です。
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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その12) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
GW前に昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しました。私の回答案を紹介します。誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。
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(3)上記の囲い式フード2台(各々の排風量は(1)の値と同一とする。)を接続した排風機の上流の点(B 点)での静圧を-554 Pa、下流の点(C 点)での全圧を175 Pa とするとき、B 点での全圧[Pa]と速度圧[Pa]及びC 点での速度圧[Pa]と静圧[Pa]を計算せよ。
ただし、フードと排風機の間には、ほかに気流の出入はないものとする。
合流後の排風量は、(1)で求めたQの2倍
Q(B)=64.7m3/分
B地点の断面積は
0.15*0.15*3.14=0.707m2
B地点の流速は、
64.68/0.7065/60=15.25 15.3m3/分
B地点での速度圧は
Pv(B)=15.25*15.25*0.6=139.7 140Pa
B地点での全圧は、
静圧+速度圧=ー554+140=-414 ー414Pa
C地点での速度圧は、B地点と同じ
140Pa
C地点での静圧は、排気系の全圧=速度圧+静圧なので
175=139.7+静圧(P(C)) → 35.3Pa
(4)排風機前後の静圧の差Ps[Pa]を求めよ。
(3)で計算した通り、35.3-(-414)=479 449Pa
(5)得られた排風量Q[m3/min]と静圧の差Ps[Pa]を用いて、この局所排気装置のダクト系の必要排風量と静圧を計算し、解答用紙の空欄に記入せよ。
問3にヒントがあって、ファン選定に使う静圧は、吸引ダクトと排気ダクトの静圧差から、速度圧を差し引いた値をつかいます。
必要排風量は、囲い式フードが二台分なので、(1)の2倍
32.3×2=64.6m3/分
静圧は、(4)で求めた、Psから速度圧140Paを差し引いた値
449ー140=339 309Pa通常、局所排気装置を設計して、排風機を選定するときには、ダクトの静圧差をそのまま使うことが多いのですが、定義は、「排風機前後の全圧差(=静圧差から、速度圧を差し引いた値」なのでそうです。静圧差をそのまま使う場合は、安全サイドに寄せた排風機の選択になると、沼野の御本に解説がありました。(「新やさしい局排装置設計教室」p316)
(6)解答用紙に示した「図使用予定の遠心式ファンの性能表」に(5)で求めた値を×印で図示し、それらを結んだ線を実線で図示せよ。ただし図は両対数で示されており、(5)で求めた値のうち、図の表示範囲外である場合は記入の必要はない。
この問題も、公表問題には、解答用紙が添付されていないので、どんな図があったのかわからないのですが、両対数のグラフだと、補助メモリ線が細かく書けなかったので、自作エクセルの両軸真数のグラフに書き込んでいます。基本的には、同じ傾向なので。
続きます。
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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その11) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
GW前に、昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しました。私の回答案を紹介します。
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令和3年以前の「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。
【問4】
図に示す同一の2台の囲い式フードを設置した局所排気装置について、以下の設問に答えよ。
ただし、ダクトの断面は全て円形とし、空気密度は1.20 kg/m3 とする。計算は有効数字4桁で行い、解答は4桁目を四捨五入して有効数字3桁で答えよ。解答欄に計算過程の欄がある場合は計算過程を示せ。
一問ずつ回答案を上げてみます。
(1)図に示す囲い式フード1について必要排風量Q[m3/min]を求めよ。
ただし、囲い式フード1の開口断面は1.40 m × 0.700 m の矩形、制御風速0.50 m/s、開口面の気流分布の補正係数k は1.1 とする。
必要排風量Q(m3/分)=補正係数×制御風速×開口断面の面積×60
なので
Q=1.1×0.5×1.4×0.7×60=32.34 32.3m3/分
(2)この囲い式フード1から1.00 m 下流の点(A 点)での速度圧[Pa]と静圧[Pa]を計算せよ。なお、
フードの圧損係数は0.500、また、ダクトの摩擦係数を0.02 とする。
円筒形ダクト配管の直径は、図から0.26mなので、断面積は
A=0.13*0.13*3.14=0.5307 0.0531m2
排風量と断面積から、流速は
=32.3/0.0531/60=10.14 10.1m/秒
速度圧は、流速^2×0.6=
Pv=10.14*10.14*0.6=61.69 61.7Pa
囲い式フードの圧力損失は、 速度圧×圧損係数×速度圧
P1=61.69*0.5=30.85 30.9Pa
直線ダクト1m分の圧力損失は、 ダクトの摩擦係数×ダクト長/ダクト直径×速度圧
P2=0.02*1.00/0.26*61.69
A地点での静圧は、-A地点までの圧力損失ー速度圧
PA地点=-61.69-(30.85+4.75)=-97.28 -97.3Pa
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