厚労省のホームページに告示された内容を、数回に分けて整理しています。

連載の三回目は、規制の2番目、溶接ヒュームの測定、その結果に基づく呼吸用保護具の使用及びフィットテストの実施等」についての前半です。


2.特定化学物質としての規制





(1)
全体換気装置による換気等(特化則第38条の21第1項)


(2)
溶接ヒュームの測定、その結果に基づく呼吸用保護具の使用及びフィットテストの実施等(特化則第38条の21第2項~第8項)


(3)

特定化学物質作業主任者の選任(特化則第27条、第28条)




(4)
特殊健康診断の実施等(特化則第39条~第42条)


(5)
その他必要な措置



必要な措置の流れは下記の通り、

測定→換気装置の風量増加などの措置→(効果の確認)→保護具の選定→(面体を使う場合にフィットテスト)の流れです。



測定は、個人サンプラーを使います。これまでの作業環境測定に無かった、新しい方法です。



制度が出来たばかりですので、個人サンプラーを使用しての作業環境測定の出来る作業環境測定士さんは、これから始まる追加の講習を受けている必要があるようです。

個人サンプリング法特別講習




個人サンプラーを用いたばく露評価は、アメリカでは先行しているようですが、日本では法的に採用されたのは最近のことだと思います。これまでは、作業者一人一人のばく露量を評価して、作業者の健康障害の原因特定や、リスクを評価するために用いられるケースで、用いられていたようですが、事業所で日常的に採用されるような一般的な手法ではなかったと思います。


個人ばく露の評価をするものを、代表的な作業者の評価を行うことで作業環境の評価として活用し、その結果を用いて換気など工学的な措置の設計や実施評価を行うことになるため、現場では戸惑い・混乱が心配ですね。

 

次の、換気装置の風量の増加その他の措置は、下記の様になっています。





測定結果が、環境基準の0.05mg/m3以上の場合は、換気装置の改善(風量や風向、作業方法を含め)が求められます。この責任を担うのは、その場所に専任された特化物作業主任者ということになるため、作業主任者の責任は重大ですね。また、その作業の実際に実施方法を熟知していないと、効果的な改善だったり、品質の維持と環境改善の両立だったり、が難しくなると思われます。

 

現場の作業主任者と労働衛生コンサルタントが力を合わせて改善を進めるようになるのでは無いかと思います。

 

測定結果は測定の概要と共に、3年間の保存が必要です。

記録についても、従来の作業環境測定で求められている項目に加え、作業者の動線や作業時間など、より精緻な情報を記録していることが必要となると思います。

 

個人サンプラーを用いた作業環境測定方法(C測定・D測定)については、今年の2月にガイドラインが告示されたばかりで、この溶接ヒュームの環境評価は、それに準じて行うと考えられますが、まだ、一本化されていないように見られます。今後の告示ではっきりしてくるのだと思われますね。


   

<<2020/08/19追記>>



 

作業環境評価基準等の一部を改正する告示案の作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)の改正案として、『個人サンプリング法(作業に従事する労働者の身体に装着する試料採取機器等を用いて行う作業環境測定に係るデザイン及びサンプリング)による作業環境測定の対象となる「低管理濃度特定化学物質」に「マンガン及びその化合物」を追加すること。』とありますので(p16にありました)、追って改正告示されるものと思われます。

 



  


個人用保護具の選定と、フィットテストについては、次回に整理したいと思います。



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