事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
リスクアセスメント対象物質の裾切り値についての告示と通達 [法令・通達情報※労働衛生]
新たな化学物質管理に関して、いわゆる裾切り値する通達がいくつか出ています。
こちらは、表示通知対象物資(リスクアセスメント対象物質)の裾切り値についての告示
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H231109K0010.pdf
別表第3(第3条関係)のように、
GHS区分で、裾切り値が概ね判断できるようになったのは、分かり易くて良いですね。
一方で、決め方が乱暴ではないかという意見もあったようですが。
パブコメ結果公示
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=495230147&Mode=1
意見募集結果
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000262248
こちらは、皮膚等障害化学物質の表示通知に関する裾切り値についての通達
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T231110K0010.pdf
ア) 皮膚刺激性有害物質 1パーセント
イ) 皮膚吸収性有害物質 1パーセント
ただし、国が公表するGHS分類の結果、①生殖細胞変異原性区分1又は発がん性区分1に区分されているものは0.1パーセント、②生殖毒性区分1に区分されているものは0.3パーセント)
各メーカーさんのSDS更新が進みますように。
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金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習の修了試験の採点の基準 [法令・通達情報※労働衛生]
金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習の修了試験の採点の基準等について
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T230912K0010.pdf
標記の通達が発出されています。
金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習は、令和6年1月1日から始まりますので、関連の法令整備が進んでいますね。
既に告知されているように、
金属アーク溶接等作業を行う場合は、特定化学物質作業主任者を選任が求められていましたが、今回新設された金属アーク溶接等作業主任者を選任してもよいということになります。
配点
(1)健康障害及びその予防措置に関する知識 20点
(2)作業環境の改善方法に関する知識 30点
(3)保護具に関する知識 30点
(4)関係法令 20点
合格基準
①100点満点の全科目の合計得点が60点以上、かつ、
②各科目の得点が配点の40パーセント以上
・金属アーク溶接等限定技能講習を修了しても、特化物技能講習の講習科目の省略や講習時間の短縮は認められない
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パブコメ「表示とSDS交付の裾切値」の制定 [法令・通達情報※労働衛生]
今年度以降に、表示通知対象物質(リスクアセスメント対象物質)に定められる予定の化学物質について、ラベル表示・SDS交付等の義務対象物質の含有量の基準(以下「裾切値」という。)を定めるものです。
裾切値未満の混合物(製剤)を除く規定です。
ラベル表示と、SDS交付で、値の異なる物質もあるので、要注意ですね。
既存の表示通知対象物質640物質についてはこちらの裾切値のリストがあります
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/sds640.pdf
労働安全衛生法施行令 別表3の1と、別表9の物質についてです。
また、(R4/2/24交付)R6/4/1から対象となる234物質については
Jniosh 労働安全衛生総合研究所のサイトからエクセルシートがダウンロードできます。
https://www.jniosh.johas.go.jp/groups/ghs/arikataken_report.html#m02
ひとまとめの一覧に、いずれなるのかもしれませんね。
【ただし書き】があります。
運搬中及び貯蔵中において固体以外の状態にならず、かつ、粉状にならない物については、裾切値を100パーセントとし、ラベル表示の対象から除く。(次のアからウまでのいずれかに該当するものを除く。)
ア 危険物(令別表第1に掲げる危険物をいう。以下同じ。)
イ 危険物以外の可燃性の物等爆発又は火災の原因となるおそれのある物
ウ 酸化カルシウム、水酸化ナトリウム等を含有する製剤その他の物であって皮膚に対して腐食の危険を生ずるもの
危険物などを除き、固体の物質は、ラベル表示については、裾切値を100%とするということですね。SDSの交付義務は除外されないので、ここも要注意。
別紙1~3に具体的な裾切値の一覧表があります。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000259068
別紙1は
アルキル水銀化合物や、インジウム化合物、鉛化合物、ニッケル化合物など、
【元素及び当該元素から構成される化合物】であって【包括的に表示通知義務対象物質】に指定される製剤の裾切値
別紙2は
労働安全衛生規則に個別列挙された表示通知義務対象物質の裾切値
石綿、キシレン、ジクロロエチレン、オルトトルイジン、リン酸トリトリルなど
別紙3は、今後指定予定の化学物質についての、裾切値の考え方を書いてあるので、指定基準の理解の助けになると思います。
例えば
急性毒性:区分1~4=表示の裾切値 1パーセント、SDS交付の裾切値 1パーセント
発がん性:区分1==表示の裾切値 0.1パーセント、SDS交付の裾切値 0.1パーセント
発ガン性:区分2==表示の裾切値 1パーセント、SDS交付の裾切値 1パーセント
参考文書として、
今後、表示通知対象物質(リスクアセスメント対象物質)に指定予定の化学物質についての裾切値の一覧も添付されています。
概ね表示は1%、SDS交付は0.1%が裾切値ですね。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000259069
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心理的負荷による精神障害の認定基準に係る運用上の留意点について [法令・通達情報※労働衛生]
心理的負荷による精神障害の認定基準に係る運用上の留意点について
先日改定された「心理的負荷による精神障害の認定基準」について、運用上の留意点が、発出されています。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T230904K0040.pdf
専門家会議の報告書も併せて吟味するようにとのことです。
変更の理由や、変更ポイントが詳しく説明されています
別紙1には、具体的事例の改定前後の対比があり、どこがどこに統合されたのかが分かりやすくなっています。
別紙2には、「業務による心理的負荷評価表に基づく心理的負荷の 強度の判断に当たっての留意事項」として、具体的事件ごとに例を挙げて、変更の内容や趣旨が説明されているので、判断基準の理解や、判断の助けになるものと思われます。
別紙3には、「複数の出来事があり業務による心理的負荷が強いと評価される例」として、事例が二つ示されています。評価の例として参考になるのではないかと思います。
<参考文献>
基補発0901第1号
https://www.mhlw.go.jp/content/001140932.pdf
令和5年9月1日付け基発0901 第2号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140929.pdf
改正概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140928.pdf
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心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正 [法令・通達情報※労働衛生]
心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正
表記の情報が厚労省から発出されています。
心理的要因に
①カスタマーハラスメント
②感染症等の病気や事故の危険性が高い業務
が追加されたのが大きい変更点ですね。
6か月以内に「特別な出来事」がなくても、業務における心理的負荷が認められるのも
重要なポイントかも。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34888.html
【認定基準改正のポイント】
1.業務による心理的負荷評価表※の見直し
・具体的出来事「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)を追加
・具体的出来事「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を追加
・心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」となる具体例を拡充(パワーハラスメントの6類型すべての具体例の明記等)
※ 実際に発生した業務による出来事を、同表に示す「具体的出来事」に当てはめ負荷(ストレス)の強さを評価
2.精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し
・悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める
3.医学意見の収集方法を効率化
・専門医3名の合議により決定していた事案について、特に困難なものを除き1名の意見で決定できるよう変更
資料2 心理的負荷による精神障害の認定基準について[450KB]
資料3 「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」報告書[1.4MB]
9/4 関連通知を追加します
心理的負荷による精神障害の認定基準について(令和5年9月1日基発0901第2号)(PDF,450KB) 【労働基準局補償課職業病認定対策室 労働者災害補償保険法関係】
心理的負荷による精神障害の認定基準に係る運用上の留意点について(令和5年9月1日基補発0901第1号)(PDF,651KB) 【労働基準局補償課職業病認定対策室 労働者災害補償保険法関係】
精神障害による自殺の取扱いについて(平成11年9月14日基発第545号)(PDF,52KB) 【労働基準局補償課職業病認定対策室 労働者災害補償保険法関係】にほんブログ村
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