事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その3) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
GW前に少し余裕が出来たので、昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しています。私の回答案を紹介しますが、誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。
令和3年以前の「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。
さて、科目「#労働衛生工学」に取りかかります。
試験問題の構成は、先日のブログを参照して下さい。
今日は【問1】小問(3)
【問1】 職場における有害物管理に関する以下の設問に答えよ。
(3)作業環境測定(C・D 測定)について、以下の文中の【_A_】~ 【_E_】に当てはまる語句又は数値を解答欄に記入せよ。
試料採取機器等の装着は、単位作業場所において労働者にばく露される物質の量がほぼ均一であると見込まれる作業ごとに、それぞれ適切な数の労働者に対して行う。ただし、その数は、それぞれ【_A_】 人を下回ってはならない。適切な数の労働者は、原則として単位作業場所における全ての労働者とするが、作業内容等の調査を踏まえ、単位作業場所における【_B_】状態を代表できる抽出方法を用いて抽出された数の労働者が含まれること。
単位作業場所において作業に従事する労働者の数が【_A_】人を下回る場合にあっては、同一の労働者が同一の【_C_】 のうち単位作業場所において作業に従事する時間を分割し、【_D_】以上の試料空気の採取等が行われたときは、当該試料空気の採取等は、当該【_D_】 以上の採取された試料空気の数と同数の労働者に対して行われたとみなすことができる。
ただし、単位作業場所において作業に従事する全時間を均等に分割する必要がある。この際、測定の定量下限値が測定対象物質の管理濃度の【_E_】 分の1を上回ることがないように測定時間を確保する必要がある。
CD測定が出題されるようになりましたね。個人ばく露測定と混乱しないように注意が必要です。
回答案
【_A_】 5
【_B_】 ばく露
【_C_】 作業日
【_D_】 2
【_E_】 10
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09446.html
の
【別添】個人サンプリング法による作業環境測定及びその結果の評価に関するガイドライン(令和2年2月17日付け基発0217第1号)
に記載されているとおりです。
以上となります。
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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その2) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
さて、科目「#労働衛生工学」に取りかかります。
試験問題の構成は、先日のブログを参照して下さい。
今日は【問1】小問(2)
【問1】 職場における有害物管理に関する以下の設問に答えよ。
(2)金属アーク溶接作業が屋内の作業場にて行われている。この作業場の溶接ヒュームにおける吸入性粉じん中のマンガン発生量は10.0 mg/h であった。この作業場に外気を導入して、空気中のマンガン濃度を0.05 mg/m3 にするために必要な換気量[m3/h]を求めよ。
なお、作業中の単位時間当たりのマンガン発生量は常に一定で変化しないものとし、溶接ヒュームは十分に拡散して作業場内の空気と混合されるものとする。また、給気された清浄な空気は作業場内の溶接ヒュームと完全に混合した後に排気されると仮定する。計算過程も記せ。
回答案
発生時に完全混合とあるので、室内の濃度をx、換気量をVと置くと、
1時間で換気によって持ち出される量は、x×換気量V
定常状態では、t時間の内に増加する量=t時間で排気される量なので
10=x×換気量V→x=10/V
x<0.05にするには、
x=10/V<0.05→10/0.05<V ・・・200<V
200m3/時 以上の換気量が必要。
以上となります。
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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その1) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
GW前に少し余裕が出来たので、昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しています。私の回答案を紹介しますが、誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。
令和3年以前の「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。
さて、科目「#労働衛生工学」に取りかかります。
試験問題の構成は、例年通りですね。
第一問が、特化物の、作業環境管理と作業管理の法令と実務手法について
第二問が騒音振動の作業管理のどちらかから出題
第三問と第四問は、両方とも局所排気装置の設計に関する問題で、
今年は、第三問が、局所排気装置の設計計算書を作る問題、
第四問が、シンプルな圧損計算とファン選定の問題でした。
【問1】 職場における有害物管理に関する以下の設問に答えよ。
(1)金属アーク溶接等作業が屋内にて継続して行われている。換気装置の風量増加による効果を確認するため、労働者の身体に装着する試料採取機器を用いる方法(個人ばく露測定)により空気中の溶接ヒュームの濃度の測定を実施した。測定は、ばく露される溶接ヒュームの量がほぼ均一であると見込まれる作業(均等ばく露作業)に従事している労働者a ~ e の5名について、上記の方法により労働者の呼吸する空気中の溶接ヒュームを対象とした。その結果、下記に示した吸入性粉じんに含まれる溶接ヒューム中のマンガン濃度が得られた。
この均等ばく露作業に従事する労働者5名が使用する有効な呼吸用保護具を選定するための要求防護係数を求めよ。また、要求防護係数から選定した適切な呼吸用保護具を、下記の①~⑤のうちから該当するものを全て選び、その理由を記せ。
① 全面形面体電動ファン付き呼吸用保護具 S 級PL 3 (指定防護係数1000)
② 全面形面体電動ファン付き呼吸用保護具 A級PL 1 (指定防護係数19)
③ 半面形面体電動ファン付き呼吸用保護具 S 級PL 3 (指定防護係数50)
④ フード形又はフェイスシールド形電動ファン付き呼吸用保護具
S 級PL 1 (指定防護係数11)
⑤ 使い捨て式防じんマスク DL 1 (指定防護係数4)
さて、私の回答案ですが、
溶接ヒュームの個人ばく露測定による、保護具選定には統計的な手法は使わず、最大値にて保護具の性能を選定するのがポイントと思います。
平均値だと②OKになってしまうのが、引っかけです。
単純に、5回の個人ばく露測定の最大値を用いて
必要防護係数=1.2÷0.05=24なので、
指定防護係数が24以上の①と③を使うこと、となります。
【参考】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00001.html
パンフレットhttps://www.mhlw.go.jp/content/11305000/000654441.pdf【ページ4】
「溶接ヒュームの濃度の測定の結果得られたマンガン濃度の最大の値(C)を使用し、以下の計算式により「要求防護係数」を算定します。」
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