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「化学物質管理検討会情報」個人ばく露測定に係る測定精度の担保について [行政ニュース 化学物質管理]
「化学物質管理に係る専門家検討会」の中間取りまとめが公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36401.html
個人ばく露測定※に係る測定精度を担保するための方策について取りまとめたものです
ポイントは「個人ばく露測定に係る測定精度の担保等について」
① 基本的な考え方
② 個人ばく露測定を行う者に求められる能力
③ 想定される資格者の要件
を定めたものです。
どうやら、「資格者による個人ばく露測定を義務付ける」方向でまとまったようです。
対象物質が、リスクアセスメント対象物質全体に広がることから、測定機関や測定者のマンパワー不足が懸念されることもあり、作業環境測定士のような資格試験合格者ではなく、講習の修了者としたい旨で、提案されるようです。
但し、作業環境測定のC測定、D測定とも異なることから、新たな講習が必要になると提言されています。(日測恊が、作業環境測定士講習に変わる新たな役割で、さらに発展するような方向性ですね。)
【1】
①金属ヒュームに代表される、特化物の個人ばく露測定
②特別則で作業環境測定を行い、第三管理区分となった場合の個人ばく露測定
については、特別則を改訂して、資格者による測定を義務付ける。
【2】
リスクアセスメント対象物質の個人ばく露測定についても、
ガイドライン等の改正により、資格者による測定を義務付ける。
これからパブコメもあるようですが、検討会メンバーには、化学物質の製造事業者メンバーが居ないようなので、実施に当たっては、必要な技術や原資(人・金)について幅広い議論が必要なように思います。

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初めまして。
いつも拝見させていただいております。
そこでご質問をさせて頂きたいと思います。
「化学物質のリスクアセスメント」の中で、
原則としては、個人ばく露測定や確認測定が望ましいということですが、実際はクリエイトシンプル等の推定法のみを利用していく場合がほとんどと聞いております。
今後、測定が義務となる可能性があるのでしょうか。
お返事お待ちしております。
by 山中M (2024-01-18 14:39)
山中M様、コメントありがとうございます。おっしゃる通り、最初にCREATESIMPLEを利用する方法が主流になると思っており、厚労省もその方法を推しています。一方で、事業所で2-3箇所一番ばく露が多いなと思う場所で、検知管などで計って見せることで「あぁ、大丈夫なんだ」とか「結構、飛んでいるんだな」とか、現場の作業する方が「どのくらいばく露しているんだろう」という実感を持って頂けるのが良いかと思っています。今の全体換気とか、空き缶の処理とか、飛散した塗料の掃除とかの、日常管理の重要性を肌で分かって続けてもらえることにつなげてほしいという気持ちを込めて、アドバイスをさせていただいています。
by ちょまぷ (2024-01-20 08:58)
山中M様、コメントありがとうございます。
ご質問の「今後の義務化」についてですが、溶接ヒュームのように個人ばく露測定を行って使用する保護具の要求防護係数を決める、というルールも一方でありますので、現行の特別則による規制物質や濃度基準値を指定した物質については、努力義務となる可能性はあるを考えています。
特別則が自律的な管理に移行する過程で、議論されるのではないかと感じています。
by ちょまぷ (2024-01-20 09:05)