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令和3年度「第49回」労働衛生コンサルタント試験(労働衛生工学)回答速報8 [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

今日から問4に取り掛かります。
例年通り、問3と問4は、局所排気装置の設計に関する問題ですが、問4は、フード設計における流体力学の知識と活用事例について問う問題になっています。
 
問題文と図
 
問4

局所排気装置に関する以下の設問に答えよ。計算問題は計算過程を示し。計算は有効数字3桁で行い、解答用紙の解答欄(空欄)には有効数字3桁目を四捨五入して有効数字2桁で解答を記入せよ。なお、ダクトの断面は円形とし、空気密度は1.20Kg/m3とする。
(1)
図1のフランジ無しのフード開口面からの距離Xの位置の風速が0.39m/sであったとき、このフードにフランジを付けた時のフード開口面からの距離Xの位置の風速v[m/s]を求めよ。
但し、フード開口面積A0は0.113m2、フード開口面からの距離Xは0.4mとし、フランジ無しのフード開口面からの距離Xでの等速度面の面積は、10X^2+A0で計算出来るものとする。
R3toi4図1.jpg
厳密にはフランジを付けると圧力損失も変わるので、同じダクト径とファンでも静圧が変わって、排風量が変わることが想定されますが、排風量は変化しないと考えて回答します。
 
外付け式フードの排風量は、
 
フランジ無しの場合
Q無=(10X^2+A0)×v0×60
フランジありの場合
Q有=0.75×(10X^2+A0)×v×60
 
Q無=Q有として、
0.75×v=v0なので、
v=0.52m/s


(2)図3-1から図3-4に示した局所排気装置のX印の位置で詰まり等が生じた場合、A,B,Cの位置での静圧をマノメーターで測定した時の静圧の絶対値は、「増加する」、「減少する」、「変化しない」のいずれになるかを答えよ。
①主ダクト(Xの位置)に詰まりが生じた場合
R3toi4図3_1.jpg
局所排気装置の定期自主点検の資格を持っていたり、実際に点検されている方には、馴染みの問題かもしれません。この問題も、実務経験を問う設定のように思います。
さて、1問目は、主ダクトの途中に粉じんなどが堆積して詰まってきた場合に起こる状況です。
Aのマノメーターの位置では、
  先で詰まっているので流れが悪くなる→流速が落ちると速度圧が下がり、圧力損失も減ります。
  従って、Aのマノメーターは、静圧の絶対値は小さくなります。
一方、Bのマノメーターの位置では、排風機のファン前後圧は変わらず運転していますから、
  基本的には、静圧は同はずですが、主ダクトの手前の静圧が下がった分、
  バランスを取るように少し静圧の絶対値は増加します。
 
  答え  A:減少する、B:増加する
 
②主ダクト(Xの位置)に穴が開いた場合
R3toi4図3_2.jpg
2問目は穴が開いた場合、ダクトの継ぎ手などが緩んだ場合に起こります。
そこから大気が流れ込むので、
  マノメーターAの位置では、ダクトの先で漏れた分流速が落ち、静圧の絶対値下がります。(大気圧に近づく)
  マノメーターBの位置でも、同じ事が言えるので、静圧の絶対値下がります。
 
  答え  A:減少する、B:減少する
  
③排気ダクト(Xの位置)に詰まりが生じた場合
R3toi4図3_3.jpg
3問目は、排気側で詰まった場合。排気ダクトに鳥の巣が出来たり(笑)、風でダクトが曲がって背圧が掛かったり。
排風機が同じファン前後の静圧差で運転していますから、ファン後の静圧の絶対値が上がると、ファン前の静圧の絶対値は下がります。
影響は、空気清浄装置の前後で同じなので、マノメーターBもCも同じように、静圧の絶対値は小さくなります。 
 
  答え  B:減少する、C:減少する
 
④空気清浄機に詰まりが生じた場合
R3toi4図3_4.jpg
4問目は、空気清浄装置の詰まり。良くある話です。
マノメーターBの位置では、静圧の絶対値は小さくなり、
空気清浄装置の後ろのマノメーターCの位置では、静圧の絶対値は大きくなります。
  答え  B:減少する、C:増加する

   

続きは、明日。

 

 


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H-KEN(エチケン)

ちょまぶ様、お世話になっております。
2021年(令和4年)、問4(2)静圧値の増減に関して質問させてください。②のとき×の位置に穴が開いたとき、A点の位置では流速、流量が低下するから静圧が減少するのは分かるのですが、B点の位置で静圧が減少する理由が分かりません。B点では流量が変化しない?ので、静圧は増減しないように思えてしまうのですが・・・
B点で静圧が減少する理由を解説いただけると幸いです。

一方、分かりやすいような極端な例として×点でダクトを完全に切断したときは、B点で静圧が減少するのは理解しています。これは「局所排気装置計算書」の静圧の算出方法の考えに基づくと明らかです。
なお私が間違っていましたらご指摘をお願いいたします。
by H-KEN(エチケン) (2023-10-08 14:09) 

ちょまぷ

H-KENさん、コメントありがとうございます。頑張って勉強されていますね。
この問題は、やさ局排P349を参考に回答しています。
①主ダクト(Xの位置)に詰まりが生じた場合 図18-1の(6)。
②②主ダクト(Xの位置)に穴が開いた場合  図18-1の(5)吸引ダクトのゆるみ
など。
 
静圧の下がる理由ですが、
・穴の手前では主ダクト側の流量が下がるので累積圧損も下がります。
・穴の圧力損失は小さいでしょうから、無視できるでしょう。
・B点では穴から漏れ入った空気で流量は同じなので、速度圧は同じです。
よって、静圧=累積圧損+速度圧で、小さくなったと考えました。
 
如何でしょうか?
by ちょまぷ (2023-10-08 15:04) 

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