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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その9) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

<<フード3のスロット型フードの排風量計算がまちがっていましたので、修正しました>>

 

GW前に少し余裕が出来たので、昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しました。私の回答案を紹介しますが、誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。

令和3年以前の「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。

局排設計教室01.jpg   

「#労働衛生工学」の【問3】小門(1)局所排気装置計算書の問題の続きです。

 

前回のブログで計算した各フードの排風量を使って、局排計算書を埋めてゆきます。

  

問3 有機溶剤取扱い作業場に設置を計画している図1に示す局所排気装置の系統線図について、以下の設問に答えよ。ただし、ダクトの断面は円形とし、空気の密度は1.20 kg/m3 とし、計算は有効数字4桁で行い、解答は有効数字4桁目を四捨五入して有効数字3桁で答えよ。

衛生工学20220301.jpg 

(1)以下に示した①~⑥の条件に基づいて計算書(表1)計算書(表2)の空欄に入る値を計算し、解答用紙に記入せよ。

 

 

① フード1:囲い式フード

囲い式フードの必要排風量(m3/分)は、開口面積(m2)×制御風速(m/s)×補正係数×60(s) ですが、「平均風速」とあるので、設計には、0.48を使いましょう。補正係数1.2と言う理解で良いと思います。

1.00×0.40×1.2×60=28.8m3/分

 

② フード2:自由空間に置かれたフランジ付き外付け式フード 

フランジ付きでない外付け式フードの等速度面の面積の推算式は、10 × X1^2 +Aって書いてくれていますが、フランジ付きだとその75%ってことを思い出さないといけないのが辛いところです。

等速度面面積は、0.75×(10 × X1^2 +A)

必要排風量は、等速度面面積×制御風速×60

0.75×(10 × X1^2 +A)×0.500×60=61.9(m3/分)

表の計算には、61.88を用います。

③ フード3は図2

これは、少し悩みますね。自由空間では無く、溶剤槽の上端にあるケースです。実際には、こんなスロット型フードは製造現場で沢山有るので、実用的と言えば実用的。沼野先生の「やさ局排」のp169にも写真があります。

槽の中は、自由空間ではないので、2分の1円柱と考える良いと思います。

表3の式  から

等速度面面積=2.8×X2×円筒の長さ=4.1×0.400×1.00=1.12

 

必要排風量は、1.12×0.5×60=33.6(m3/分)

 

④ 主ダクト系列側の合流部の圧力損失は、主ダクト系列側の合流前の速度圧に比例するものとする。なお、主ダクト系列側の合流ダクトの静圧の記入欄には合流後の静圧の値を記入すること。

   

⑤ 拡大ダクトの圧力損失は拡大前後の速度圧の差に比例するものとする。なお、拡大ダクトの静圧の記入欄には拡大後の静圧の値を記入すること。

拡大前の速度圧 103.1  拡大後の速度圧  32.41

よって、(103.1-32.41)×0.220=15.55

             → 15.6Pa

  

⑥ 空気清浄装置の圧力損失は、定格処理風量が100 m3/min のときの圧力損失が100 Pa であるとし、空気清浄装置の圧力損失は速度圧に比例するものとして計算すること。

処理排風量は、28.8+61.88+33.6=124.3m3/分なので、

(124.3/100)の二乗×100=154.5

空気清浄機による圧力損失は、155Pa

 
計算表はこんな感じ
衛生工学20220303.jpg
衛生工学20220303b.jpg
衛生工学20220305.jpg
衛生工学20220304X.jpg
 
次回は、この表の結果を使って、小門(2)、小門(3)を解いていきます。
 
 
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尚、あくまで、個人学習用のmemoとして紹介しておりますので、誤答、誤字脱字などについては、ご容赦いただきますようお願い致します。
間違った箇所をコメントでご指摘頂ければとてもありがたいです。
また、リンク先が切れている場合なども、ご容赦ください。
 
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参考にしています

作業環境測定を主にやっており、間違いかどうかがわかりにくいのですが(1)③の3/4円柱の式は、4.1では無いでしょうか?
この式をそのまま使用しないで、何か加算されているのでしょうか?
また、R04(2)&(3)もリンク切れなので、直していただけると勉強しやすいのでお願いします。
by 参考にしています (2023-05-22 00:23) 

東 昭三

初めてコメントさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。
R4年の問3(1)③のフード3の必要排風量を求める式について、
等速度面面積=4.2×X2×円筒の長さ=4.2×0.400×1.00=1.68
必要排風量は、1.68×0.5×60=50.4(m3/分)とされております、
私も当初そう思っていたのですが、沼野先生の『やさ排教室』p168の練習問題5に背面にフードの付いた開放槽 の縁に取り付けたスロットの必要排風量を求める問題が載っています。ここでは、
等速度面面積=1.6×X2×円筒の長さとなっています。これは1/4円柱としての等速度面積を求めています。R4年のフード3との違いは背面のフランジの有無だけだと思います。この練習問題から類推すると、R4年のフード3の必要排風量を求める等速度面の面積を求める式は1/2円柱として
等速度面面積=2.8×X2×円筒の長さ
ではないのでしょうか、お尋ねします。
また開放槽の縁に取り付けたフランジ付きスロット式フードのQを求める式が、同本の161pの⑨に載っています。ここでもフランジつきで開放槽の縁に取り付けた場合、1/4円柱で考えています。
私もちょまぷ様と同様な考えをしていたので、この式そのものがどうもスッキリとしないのですが、なにかお考えがあれば、ご教示ください。
by 東 昭三 (2023-05-22 12:50) 

ちょまぷ

「参考にしています」様コメントありがとうございます。
過去問リンクまとめページのR04(2)&(3)のリンク切れの件、ご指摘の通りリンク先が間違っていましたので、修正致しました。
フード3の3/4円柱の式については、「4.1」の間違いでした。何を見間違えたのかお粗末な間違いです。ボケ始まっちゃったかな。。。
 
「東」様、コメントありがとうございます。3/4円柱なのか、1/2円柱なのか、というご指摘ですね。もう一度、沼野先生の『やさ局排』勉強し直してみます。数日、お時間下さい。
 
by ちょまぷ (2023-05-23 05:03) 

東 昭三

ちょまぷ様

早速のコメントありがとうございます。

どうぞよろしくお願いします。
by 東 昭三 (2023-05-24 00:17) 

ちょまぷ

「東さんからにコメント頂いたとおり、沼野先生の「やさ局排」p169の写真7.2の事例を参考に、2分の1円柱の表面積を、等速度面としました。」 
 
「層内からも、蒸発してきた溶剤蒸気の吸引するのですが、2分の1円柱の等速度面で、溶剤槽にフタをしたというイメージが正しいようです。」東さん、コメントありがとうございました。
 
https://chomapu-shikaku01.blog.ss-blog.jp/2023-05-07も修正しました。
by ちょまぷ (2023-05-27 15:04) 

東 昭三

ちょまぷ様
コメントありがとうございましたです。
どうも半円が正しいようなのですが、等速度面のイメージが今一ハッキリしないのです。コンサルタント会の令和5年度版に詳細説明が出ればいいのになあと期待しています。ご親切にありがとうございました。。
by 東 昭三 (2023-05-27 22:38) 

yoneda

局排の初心者です。どうぞよろしくお願いいたします。
表1計算書の段5-6直線ダクトの列排風量から速度圧の値が、問題では「同上」と示されていますが、回答例では111.3、14.84、132.1と違う数字が入っている理由を教えてください。
by yoneda (2023-07-01 14:00) 

ちょまぷ

yuneda様、コメントありがとうございます。御指摘のとおり、同上が正しいです。表計算ソフトの数式を入れまちがっていました。修正して、この後の、小問(3)の結果も変わりますので修正しておきました。
by ちょまぷ (2023-07-01 14:32) 

しみず

いつも労働衛生工学の勉強の参考にさせていただいています。
問題文からの誤植と思われる点を発見しましたのでお知らせです。

番地9-10直線ダクトの圧損係数は0.333となっておりますが、
問題文では0.0333のようです。
恐れ入りますが、こちらをもとに再度計算表を作成いただけないでしょうか。

by しみず (2023-07-15 16:49) 

ちょまぷ

「しみず」様、コメントありがとうございます。ご指摘の通り修正しました。今後も何かお気づきの点がありましたら、よろしくお願いいたします。
by ちょまぷ (2023-07-16 08:55) 

torys

いつも参考になる投稿ありがとうございます
第50回の問3の解答が気になっています
•「解答は…3桁で答えよ。」とありますので、桁数を気にしています
• 空気清浄装置の圧力損失
P L=((実際の排風量)/100m3/min)2×100pa
  =(124の二乗/100の二乗)×100
  =153.7
  =154pa

ではないでしょうか
よろしくお願いします

by torys (2023-07-25 20:53) 

ちょまぷ

torys様、コメントありがとうございます。計算表の桁数は、4桁数で計算した結果を示していますので、解答用紙には3桁で記入すればよいのかなと思って、そのまま載せています。
空気清浄機の圧力損失については、ご指摘頂いた通りです。修正しておきます。
今後とも、なにかありましたらご指摘ください。
by ちょまぷ (2023-07-26 10:00) 

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