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労働衛生工学(記述式)過去問【更新】R04分追加完了
健康管理(記述式)過去問R03分まで[R04分連載開始]
 
労働衛生工学:記述式の出題ポイント 索引【更新】
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令和4年度「第50回」労働衛生コンサルタント試験:記述式科目【労働衛生工学】(その8) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

<<修正しました>>

GW前に少し余裕が出来たので、昨年2022の労働衛生コンサルタント試験を使って勉強しました。私の回答案を紹介しますが、誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。

令和3年以前の「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。

medical_anzen_cabinet.png   

「#労働衛生工学」の【問3】に取りかかります。

【問3】【問4】は、例年通り、局所排気装置の計算問題ですね。

【問3】は、局所排気設計計算書を埋めていく問題ですので、過去問で練習して選択される方が多いのでは無いかと思います。

  

問3 有機溶剤取扱い作業場に設置を計画している図1に示す局所排気装置の系統線図について、以下の設問に答えよ。ただし、ダクトの断面は円形とし、空気の密度は1.20 kg/m3 とし、計算は有効数字4桁で行い、解答は有効数字4桁目を四捨五入して有効数字3桁で答えよ。

衛生工学20220301.jpg 

(1)以下に示した①~⑥の条件に基づいてフード1の主ダクト系列(図1の太線)の計算書(表1)及びフード2の枝ダクト系列の計算書(表2)の空欄に入る値を計算し、解答用紙に記入せよ。なお、フード2の枝ダクト系列の計算書(表2)については、ダンパーは開放状態とし、開放状態のダンパーによる圧力損失はないものとする。

 

① フード1は囲い式フードで、開口面の面積は1.00 m2、制御風速は0.40 m/s、平均風速は0.48 m/s とする。

 

② フード2は自由空間に置かれたフランジ付き外付け式フードで、制御風速を与えるフード開口面からの距離X1 は0.500 m、開口面の面積A は0.250 m2、制御風速は0.50 m/s とする。なお、自由空間に置かれたフランジ付きでない外付け式フードの等速度面の面積の推算式は、10 × X12 +Aとする。

 

③ フード3は図2に示したように有機溶剤の入った槽の上部開口部の横方向に吸引するスロット型フードで、フード開口面の中心軸(図2の一点鎖線)から0.400 m の距離での制御風速の値を0.50 m/s とし、スロット型フードのスロットの長さL は槽の長さと同じ1.00 m とする。

このスロット型フードの等速度面の面積の推算式は表3に示したが、スロットの長さ方向を中心軸(図2の一点鎖線)とした円柱状の等速度面の形状を考慮して選択せよ。なお、円柱の表面積(円の円周の長さ×円柱の長さ)は、その断面の円の半径をX2 、円柱の長さをL とすると、(2× X2 ×π)× Lで計算できる。実際のスロット型フードの等速度面はフードの厚みがあることから推算式が用いられる。

衛生工学20220302.jpg 衛生工学20220304.jpg

④ 主ダクト系列側の合流部の圧力損失は、主ダクト系列側の合流前の速度圧に比例するものとする。なお、主ダクト系列側の合流ダクトの静圧の記入欄には合流後の静圧の値を記入すること。

 

⑤ 拡大ダクトの圧力損失は拡大前後の速度圧の差に比例するものとする。なお、拡大ダクトの静圧の記入欄には拡大後の静圧の値を記入すること。

 

⑥ 空気清浄装置の圧力損失は、定格処理風量が100 m3/min のときの圧力損失が100 Pa であるとし、空気清浄装置の圧力損失は速度圧に比例するものとして計算すること。

 

回答案ですが、表を埋める前に、小問(1)①②③の必要排風量などを計算しておきます。

 

① フード1:囲い式フード

囲い式フードの必要排風量(m3/分)は、開口面積(m2)×制御風速(m/s)×補正係数×60(s) ですが、「平均風速」とあるので、設計には、0.48を使いましょう。補正係数1.2と言う理解で良いと思います。

1.00×0.40×1.2×60=28.8m3/分

② フード2:自由空間に置かれたフランジ付き外付け式フード

  

フランジ付きでない外付け式フードの等速度面の面積の推算式は、10 × X1^2 +Aって書いてくれていますが、フランジ付きだとその75%ってことを思い出さないといけないのが辛いところです。

等速度面面積は、0.75×(10 × X1^2 +A)

必要排風量は、等速度面面積×制御風速×60

0.75×(10 × X1^2 +A)×0.500×60=61.9(m3/分)

表の計算には、61.88を用います。

 

③ フード3は図2

これは、少し悩みますね。自由空間では無く、溶剤槽の上端にあるケースです。実際には、こんなスロット型フードは製造現場で沢山有るので、実用的と言えば実用的。

槽の手前の壁がフランジとして働いてくれるので、4分の3円柱と考えると良いと思います。

等速度面面積=4.2×X2×円筒の長さ=4.2×0.400×1.00=1.68

必要排風量は、1.68×0.5×60=50.4(m3/分)

槽の中は、自由空間ではないので、2分の1円柱と考える良いと思います。

表3の式  から

等速度面面積=2.8×X2×スロットの長さ=2.8×0.400×1.00=1.12

必要排風量は、1.12×0.5×60=33.6(m3/分)

衛生工学20220309.jpg
衛生工学20220310.jpg
修正についてのコメント  
「東さんからコメント頂いたとおり、沼野先生の「やさ局排」p169の写真7.2の事例の通りで、2分の1円柱の表面積を、等速度面としました。」
「層内からも、蒸発してきた溶剤蒸気の吸引するのですが、2分の1円柱の等速度面で、溶剤槽にフタをしたというイメージが正しいようです」
回答案作成に、沼野先生の本が大活躍しています。
局排設計教室01.jpg
 
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ちょまぷ

「東さんから、https://chomapu-shikaku01.blog.ss-blog.jp/2023-05-08にコメント頂いたとおり、沼野先生の「やさ局排」p169の写真7.2の事例を参考に、2分の1円柱の表面積を、等速度面としました。」 
 
「層内からも、蒸発してきた溶剤蒸気の吸引するのですが、2分の1円柱の等速度面で、溶剤槽にフタをしたというイメージが正しいようです。」東さん、コメントありがとうございました。
by ちょまぷ (2023-05-27 14:58) 

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