8月26日(月)に、「第八回職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会」が開催され、資料・議事録が公開されました。今後の化学物質管理のあり方に関して、重要な議論がなされていますので、じっくりを内容を整理したいと思います。


議論の項目は、




1_一般消費者向けの製品に係るラベル表示・SDS交付のあり方について





2_作業環境管理・作業管理・健康管理の関係について(論点の整理)




3_化学物質管理に関する規制の課題と今後の方向性について







です。


二回目は、「作業環境管理・作業管理・健康管理の関係について」です。



いわゆる「三管理」(作業環境管理・作業管理・健康管理)の相補的・総合的な活動を促進し、化学物質のばく露低減を図って、健康障害を予防する活動について、現状の仕組み・法規制と現場での問題点をレビューして、今後の施策を検討することが狙いです。



①最初に、作業環境管理と作業管理の関係について議論がされています。こちらは主として重篤な健康被害が多発している状況を踏まえての議論だと思われます。

・作業環境管理の原則に基づくことが難しい現場、例えば工学的にばく露防止が困難な作業現場や、経皮吸収ばく露の影響が大きい作業現場において、作業管理に頼らざるを得ない場合に、作業管理などの新たな管理が必要となる

・この新たな作業管理を支えるための仕組みや、指導する専門家の育成がポイントとなる。

  例:保護具の選択や、正しい着用の指導、着用の監視


これらの議論は、溶接ヒュームの事例で、かなり苦労してガイドラインを定めた経緯を教訓として、他の事例にもこういった議論を行って、ガイドライン(ルール)を明確にするだけでなく、それを現場に如何にして落とし込むか、徹底してくか?という大きな課題があるという認識に基づいているものと思われます。


②二つ目は、作業環境管理と健康管理の関係についてですが、ここでは、作業環境が良好な場合の健康診断を緩和について、現状の認定の仕組みの有効性・実効性について、議論がされています。

 取り扱う物質や業務内容に関しては、国際的にみても過度な規制となっている一方で、緩和にあたっての作業管理の妥当性の担保について、組織のマネジメントの有効性や、専門家の活用など、改善の余地があるという議論が進められているようです。


 緩和を認めた事業所に作業環境測定結果の報告を義務付けたり、外部専門家(インダストリアル・ハイジニスト)の確認を義務付けたりすることが可能か、といったことを検討しています。


 ここで出てきた、「インダストリアル・ハイジニスト」というのは、国際的な労働安全衛生コンサルタント資格のことですが、日本の「労働衛生コンサルタント」との関係は資料からは明らかになっていません。


 日測協で実施している、海外でも通用する「オキュペイショナル・ハイジニスト」に認定されるには、別の講習(93単位)と評価試験の合格が必要です。

https://www.jawe.or.jp/kosyu/kosyuhygienist.html

日測協認定オキュペイショナルハイジニスト養成講座

認定オキュペイショナルハイジニスト評価試験要綱



3)三つ目の話題も作業環境測定と健康管理の関係についてです。

作業環境測定の結果を、産業医の特殊健康診断結果の判断に活用する仕組みの明確化ですが、こちらは、自主的に行っている事業所もあるので、確実に行えるように制度化するのだろうと思われます。


二つ目の話題の「インダストリアル・ハイジニスト」は、労働衛生コンサルタントとしては、気になりますね。

海外の制度とも関係も勉強する必要があると思います。


機会があれば、情報を集めて整理してみたいと思います。


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