公表された令和2年度の労働衛生コンサルタントの筆記試験問題の記述式科目「健康管理」の回答を作っています。

一日空きましたが、今日から問3の情報機器作業における労働衛生管理について


問3 近年、パソコンなどの情報機器の技術的発展に伴い、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が発出されるなど、データ入力や文章作成等のオフィスワークの形態も変化している。
情報機器を扱う作業の労働衛生に関する以下の設問に答えよ。
(1)一般に、パソコンなどを使う情報機器作業においては身体的な拘束性が強いと考えられている。この場合の「身体的な拘束性が強い」とは具体的にどのようなことか、簡潔に述べよ。
(2)照明に関して、一般的な事務作業では書類あるいはキーボード上への照度(ルクス)はどの程度必要か、簡潔に述べよ。また、書類あるいはキーボード面における明るさと周辺の明るさの適切な関係について述べよ。
(3)ディスプレイにグレアがあると眼疲労の原因となる。「グレア」とは何か、簡潔に述べよ。また、グレア対策について簡潔に述べよ。
(4)デスクトップ型パソコンと比べたとき、ノート型パソコンが持つ労働衛生上の問題点は何か、簡潔に述べよ。また、ノート型パソコンを使い続ける場合、その問題点を緩和する方策は何か、簡潔に述べよ。
(5)情報機器作業における椅子と机に関して、望ましい要件を述べよ(300 字程度まで)。
(6)一連続作業時間及び作業休止時間の目安について述べよ。
(7)情報機器作業においては、長時間椅座位姿勢を続けることによる腰痛のリスクがある。腰痛のリスクに対処するうえで留意すべき作業姿勢やその場で実施できる対策などについて述べよ(300 字程度まで)。
(8)高齢者が情報機器作業に携わる場合に配慮すべき事項について簡潔に述べよ(200 字程度まで)。
(9)テレワークで情報機器作業を行う労働者の長時間労働を防ぐための具体的な手法・配慮の例を三つ挙げよ。
(10)情報機器作業を行う労働者の健康診断で、業務歴・既往歴・自覚症状の有無の調査に加えて行う検査を二つ挙げよ。

 

小生の回答案

(1)一般に、パソコンなどを使う情報機器作業においては身体的な拘束性が強いと考えられている。この場合の「身体的な拘束性が強い」とは具体的にどのようなことか、簡潔に述べよ。
画面に向かってキー入力操作や画面表示の確認などを行う作業が、 長時間一定の姿勢で続くこと。(もう少し丁寧に書くなら)画面と目の距離や、身体とキーボードの距離が、長時間一定であるため、姿勢の自由度が小さいことから拘束性が高いと考えられる。


(2)照明に関して、一般的な事務作業では書類あるいはキーボード上への照度(ルクス)はどの程度必要か、簡潔に述べよ。また、書類あるいはキーボード面における明るさと周辺の明るさの適切な関係について述べよ。

事務作業は事務所則では、精密な作業では300ルクス以上、一般的な作業では150ルクス以上と定められている。
JIS Z91110の「事務所の照度基準」は、パソコンのキーボードを操作するような事務所では、机上の照度は750lx(ルクス)以上でなければならないと定めている。キーボード面の画面との照度差は少ないほうが良いため、画面は明るすぎない方が良い。また、周囲の照度との差も小さいほうが目の疲れが少ないと言われている


(3)ディスプレイにグレアがあると眼疲労の原因となる。「グレア」とは何か、簡潔に述べよ。また、グレア対策について簡潔に述べよ。

グレアとは、高輝度の光源によるまぶしさのことであるが、ディスプレイのグレアという場合には、ディスプレイに高輝度の照明や窓からの外光が映り込んで反射・散乱する光のことを言う。グレア対策としては、ディスプレイに反射防止膜を付けるほか、光源対策としては「乳白色のフィルタやキャップをかぶせて光を拡散させる」「間接照明に用いることで拡散を図る」「窓にカーテンを付ける」などがある。また、ディスプレイの角度を調整することでも緩和できる。


(4)デスクトップ型パソコンと比べたとき、ノート型パソコンが持つ労働衛生上の問題点は何か、簡潔に述べよ。また、ノート型パソコンを使い続ける場合、その問題点を緩和する方策は何か、簡潔に述べよ。


こんな絵の感じ(笑)

ノート型機器は、通常、ディスプレイとキーボードを分離できないので、作業生成が拘束されやすい。画面が小さいため文字も細かくなり、画面と目の距離が近づき過ぎる可能性がある。キーピッチも小さいため、手の大きな人には連続入力作業で手に負担がかかる。などが挙げられる。
対策としては、作業の内容に応じ外付けディスプレイ、外付けキーボード・テンキー入力機器、マウスの使用などにより、作業姿勢の問題を緩和することが出来る。


小問(5)以降は、明日また。




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