今日は、労働安全衛生マネジメントシステム規格ISO45001の改定動向についての情報です。
 
TC 283の労働安全衛生タスクグループ 4 (TG4) の会合が持たれ、「労働安全衛生の新たなテーマ」について話し合いがされたそうです。
https://japan.irca.org/media/category02/iso45001_iso9004-update
 
既存のOH&S 規格の開発に情報を提供すること、将来のOH&S 規格に何を取り入れるべきかについて議論することが、このチームの役割だそうです。
 

<概要>
主たる見直しの観点
1)気候変動・アフターコロナ・などの外的要因が、労働安全衛生システムに与える影響
2)2018版を運用実績のレビュー・フィードバック
 
現時点で提案されている論点は下記
①仕事と職場の境界があいまいであること(テレワークなど)
②外的要因が仕事の内外で労働者の健康と安全にどのように影響するか
③リスクマネジメント
④心理社会的リスク
⑤職場での薬物 (麻薬、覚せい剤など) 使用/障害
⑥気候変動がOH&Sに与える影響、化石燃料からの移行を含む
⑦医療の進歩を含む新しい技術
⑧グローバルネットワークとサプライチェーン
⑨現代の奴隷制、輸送問題、アウトソーシング、請負業者
⑩効果的な実施、適合性評価、リーダーシップ
⑪働く人の代表及び協議
⑫水の入手可能性、水質及び配水
⑬敏捷性 (アジリティ) 及び変更のマネジメント
⑭人口動態の変化
⑮OH&Sの専門家の能力と可用性
 
テレワークの浸透を反映した①仕事と職場の境界があいまいであること
⑥気候変動への対応が、職場環境や業務・作業。社会構造にも影響を与えることの位置づけ
などは、環境ISO、品質ISOとの絡みもあるので、どのような議論がされるのか興味がもたれます。
 
⑤麻薬の使用、⑫水の入手、などは、日本国内の実情からは、ピンとこないですが、海外では大きな課題のでしょうか?。ただし、「⑨現代の奴隷制」については、ブラック企業や、外国人技能実習生の不当な労働管理など、国内でもその一端が垣間見えるため、ISO規格にどの様に組み込まれるのか関心がありますね。
 
一方で、③リスクマネジメント⑧グローバルネットワークとサプライチェーン⑩効果的な実施、適合性評価、リーダーシップ⑪働く人の代表及び協議⑮OH&Sの専門家の能力と可用性、などは、運用上の課題で、ISO以外の(法的あるいは技術的)変化を取り込むか否かを議論することになると思われます。
 
⑬敏捷性 (アジリティ) 及び変更のマネジメントについては、従来からの課題の「変更マネジメント」が昨今の市場環境変化の速さによって、より重要になってきていることを受けていると考えられます。「敏捷性」を規格でどの様に定義してシステムに落とし込むのか興味深いですね。
 日ごろの審査・監査活動の中では、「小さいPDCAを回す」とか「リスクを先取りする」というスタイルになるが、実効性を持ってスピードを上げるのは、個々の力量に掛かっているので、どのようなキーワードで規格がこの部分を強化されるのかが興味深いです。

 

関連する情報があれば、今ブログでも紹介してみたいと思います。

 


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