昨日9/4に紹介した「令和2年度化学物質のリスク評価検討会報告書」について、関係団体宛に「リスク評価結果等に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について」(基安発 0903 第5号)が発出されております。(リンク先は、日建連のHP)

 

特に、経気道ばく露について、作業工程に共通して高いリスクが認められた物質のオルト-フェニレンジアミンについては、

 

①経気道ばく露のリスクに係る追加調査の結果、本物質を製造し又は取り扱う事業場の作業工程に共通して、経気道ばく露により労働者に健康障害を生じさせるリスクが高いと判定

 

②有害性の高い物質であり、かつ、事業場において高いばく露が生じる可能性がある

 

③速やかに「化学物質のリスクアセスメント」を行い、リスクの低減に取り組むこと

 

となっています。

 

防錆剤、ゴム薬、医薬、顔料、アゾ染料、白毛染料、ゴム加硫促進剤、写真現像薬原料

などといった、広範囲で使用されており、また、

ACGIH TLV-TWA及び日本産業衛生学会許容濃度が、0.1 mg/m3と小さいので

かなりの注意が必要です。

 

発がん性区分も(2B):ヒトに対しておそらく発がん性があるということですので、早急に対策の実施が求められます。

 


さて、


労働衛生コンサルタントの過去問では、発がん性区分についての出題がありました。

日本産業衛生学会、GHS、ACGIHの発がん性区分とその意味を理解しておくことは、受験の準備として重要だと思います。



厚労省の発がん性区分骨子→https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000040892.pdf

 

日本産業衛生学会の分類
第1群  人間に対して発がん性のある物質
第2群A  人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質 証拠がより十分な物質
第2群B  人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質 証拠が比較的十分でない物質

 

GHS

「1A」ヒトに対する発がん性が知られている (known)

   ○ヒトで、がん発生の因果関係が確立された場合

「1B」ヒトに対しておそらく発がん性がある (presumed)

   ○動物試験で十分な証拠がある場合
   △ヒトでも動物試験でも証拠が限定的である場合

「2」ヒトに対する発がん性が疑われる(suspected)

   ○ヒト又は動物実験の証拠があるが、確実に1に分類するには不十分な場合
   △証拠の強さ等を考慮したうえで、ヒト又は動物試験で限定的な証拠がある場合


ACGIH

A1;確定した人に対する発がん性がある。(原文では、Confirmed Human Carcinogen)

A2;人に対する発がん性が疑われている。(原文では、Suspected Human Carcinogen)
A3;人との関連性は未知であるが、確定した動物に対する発がん性がある。

(原文では、Confirmed Animal Carcinogen with Unknown Relevance to Humans)
A4;人に対する発がん性物質としては分類されない。(原文では、Not Classifiable as a Human Carcinogen)
A5;人に対する発がん性物質としては疑われていない。(原文では、Not Suspected as a Human Carcinogen)

 




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