個人サンプリング法講習を受けた際に、混乱するので説明を省いたヶ所がありました。 同じ「個人サンプラーを装着」して行う測定であるが、個人ばく露の評価を行うことが、特化則で義務化された「溶接ヒュームの測定」です。 測定は義務づけるが、局所排気装置などで作業環境の改善を行うと,溶接シールドガスも飛散してしまう為、溶接作業が成り立たないため、法65条の「作業環境測定」ではなく、法22条の個人ばく露の評価と言うこととし、ばく露測定結果から、要求防護係数を上回る指定防護係数を選択して使用させる。使用の管理と年1回のフィットテストが義務化されています。 「個人サンプリング法」と、この「溶接ヒュームの測定」を比較してみることで、両者の違いから、「個人サンプリング法」の特徴を、クローズアップしてみたいと思います。
個人サンプリング法 C・D測定 | ||||
基準など | ①作業環境測定基準 (安衛法65条) ②作業環境の気中濃度測定 | |||
測定対象 労働者数 | 「均等ばく露作業」毎に 5名以上 | |||
測定時間 | ①「均等ばく露作業」の全時間が原則 (片付け作業を含めるかは測定士の判断) | |||
②2時間まで短縮可能 (ばく露の程度が時間で均一な場合) | ||||
③作業者が5人未満の場合、 分割サンプリングが可能 | ||||
測定結果の 評価 | ①作業環境評価基準に基づいて 測定値を統計処理して、第一評価値、 第二評価値を求め、管理濃度と比べて 管理区分を決定する。 | |||
②基準値は「管理濃度」 | ||||
測定結果の 活用 | 管理区分が下がるような改善が義務 第三→第二→第一 | |||
測定頻度 | 6月毎に1回 | |||
その他 | ||||
溶接ヒュームの測定 個人ばく露測定 | ||||
基準など | ①特化則38条の21 (安衛法22条) ②空気中の溶接ヒューム濃度を 個人ばく露測定により測定 (呼吸域) | |||
測定対象 労働者数 | 「均等ばく露作業」毎に 2名以上 | |||
測定時間 | ①金属アーク溶接等の作業の全時間。 (準備・研磨・片付け作業も含めて、 「アーク溶接作業等」) | |||
②測定時間の短縮の措置は無い | ||||
③分割サンプリングは不可 | ||||
測定結果の 評価 | ①測定値は統計処理せず。 そのまま基準値と比べる。 複数の測定値の、最大値を用いる。 | |||
②基準値は、Mnの管理濃度と同じ 管理濃度とは呼ばない | ||||
測定結果の 活用 | 基準値を超えている場合に、 ①全体換気などの対策検討、あるいは、 ②定められた性能の呼吸用保護具の装着と、装着の管理の義務 | |||
測定頻度 | 作業ヶ所毎に1回。 溶接方法・換気などの作業状況を変えた場合、再測定 | |||
その他 | B測定、D測定に相当する、短時間高濃度の測定はない | |||
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