労働衛生コンサルタントの筆記試験を受験される方を応援するために、過去問について、一問ずつ解いていきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答・ご不明な点についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>


労働衛生工学 R01

問 1 労働環境における有害物質に関する以下の設問に答えよ。(後半)





4)次の語句について、説明せよ。


① 作業環境測定における B 測定
② 作業場内の有害物質の濃度における対数正規分布
③ 吸入性(レスピラブル)粉じんと吸引性(インハラブル)粉じん
④ リスク低減措置の優先順位






作業環境測定士登録の資格で、受験されている方にとっては、①②③は、常識過ぎて書きにくいかもしれませんね(笑)。


私の回答例。






発散源の近くで作業する作業者が高い濃度にばく露される危険があるかないかを調べるための測定を「B測定」という。 作業方法、作業姿勢、有害物質の発散状況等から判断して、濃度が最大となると考えられる位置で、濃度が最大となると考えられるときを含めて10分間、A測定と同じ方法で測定します。 



 大気中の化学物質濃度等、連続的な希釈が想定される測定データの場合、 その母集団は対数正規分布になるという理論に基づいている。 作業環境測定の結果を、評価する際に、測定値の真数で平均と標準偏差を求めるのではなく、測定値の対数値の平均と標準偏差を求めて、真数に戻してその分布を評価する。



1 吸引性(インハラブル)粉じん(100µm 以下) 鼻孔又は口を通過する。10µm 以上のものは気管より上で補足され消化器へ移動する。 2 咽頭通過性(ソラシック)粉じん(10µm 以下) 咽頭を通過し、気管まで到達する。 3 吸入性(レスピラブル)粉じん(4µm 以下) 肺胞まで達する。



① 本質安全化:これは危険性又は有害性そのものをなくしたり、減少させたりすることである。 ② 工学的対策:密閉化装置により化学物質を封じ込めたり、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を用いたりして、有害な化学物質が作業者に触れないようにすることである。また、全体換気装置によっ、化学物質の濃度を下げることも工学的対策に位置付けられる。 ③ 管理的対策:作業手順書やマニュアルを作成してそれによる作業の実施、関係者以外の者の危険有害な場所への立入禁止、教育訓練の実施などによる危険性の低減などである。 ④ 個人用保護具の使用:





①は、作業環境測定の測定方法であること、A測定と対比して書くと良いかと思います。

②は書きにくいですが、作業環境測定の評価を、この仮説に基づいて、対数平均、対数標準偏差を求めて評価することを記載すれば、良いと思います。何故、対数正規分布なのかを書こうとすると、時間もスペースも足りなくなりますね(笑)

③ここは、最近、塩基性マンガンの管理濃度を決めるときに議論されていた部分で、そのニュースが印象に残っていれば、回答しやすかったと思います。粉じんのサイズで、呼吸器系の何処まで入っていくのかということですね。https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2015/77-column.html


④は、リスクアセスメントの基本的事項なので、間違えないところだと思います。

実は、次の問題でこの記載が活躍します。




問1(5)は、後日。


最後まで読んで頂きありがとうございます。 下記のリンクをポチっとクリックして頂けると更新の励みになります。

にほんブログ村
資格・スキルアップランキング





2021年版 第1種・第2種作業環境測定士試験 攻略問題集



  • 作者: 康彦, 三好

  • 出版社/メーカー: オーム社

  • 発売日: 2020/09/03

  • メディア: 単行本