昨日の労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、お疲れ様でした。

受験者の方から、さっそく問題を入手いたしましたので、少し紹介したいと思います。

回答例については、明日以降で順次作成したいと思いますが、本日は、問題の傾向分析をしてみます。


出だしの小問(1)でいきなりの「KYT」には驚かされましたが、問1の問題の雰囲気が例年と大きく変わっています。小問(2)、(3)、(4)は、論述ではなく用語の穴埋め、小問(5)は、化学物質リスクアセスメントに必要な許容濃度を求める計算問題でした。

短文の論述よりは、採点者の解釈によるバラツキは減るのでしょうが、短文回答の問題よりも、出題範囲も広くとれるのかもしれません。

 

小問(1)は、(上にも書いたように)イラストを見てのKYT、衛生の観点で3個づつ

小問(2)は、有害化学物質、特に特化物に関しての問題(穴埋め19問)

小問(3)は、作業環境測定のデザインについて(穴埋め6問)

小問(4)は、有機溶剤の有害性に関わる物性や換気について計算(穴埋め7問)

小問(5)は、①許容濃度計算と②管理区分計算

と、かなり実務寄りになったようにおもいます。

 

問1は、有害物質管理ではあったものの、問題の構成が大きく変わっていましたが、問2は例年通り、騒音関係の論述と計算問題でした。


問3の計算問題は、久しぶりに出題されたキャノピー型フードの設計についてでしたが、ざっと見た感じ、沼野先生の本に書いてある通りで、特にひねりは無いように感じました。


問4の計算問題は、従来通りの枝分かれのある排気ダクト系統の局所排気装置計算書の作成でしたが、小問(3)で、囲い式フードの補正係数を求めさせたり、スロット式フードの等速度面の面積を計算させたり、と、かなり幅広い知識を問う構成になっていたように思います。



早速問1小問(1)のKYT


問1 職場における労働衛生対策に関する次の設問に答えよ。
(1)下記の図で表される二つの現場における労働衛生上の課題として、改善すべき点をそれぞれ三つ挙げよ。



①の金属加工場:

a)グラインダーの金属粉じんの集塵、b)アーク溶接の金属ヒュームに吸引ダクト設置、c)二つの作業で発生する粉塵の全体換気除去(シャッター、窓を開ける)、三つ目は、アーク溶接の光線の他の作業者からの隔離、の方が良いかもしれません。

グラインダーの砥石のカバーとか、溶接用電線が通路にはみ出しているとかも気になりますが、「労働衛生」の切り口なので「労働安全」の切り口は除いています。


②の原材料加工場:

粉体の飛散防止がポイントであることは一目で分かりますが、保護具以外の対策をどう描くかがポイントかもしれません。

a)反応窯の減圧、あるいは、換気口開放による、粉じん投入口から窯内への風向きの実現

b)作業者への呼吸用保護具と保護メガネの着用指示

c)空袋からの発塵の抑制

①の図と同じく、②の図にも腰痛とか、投入口の足場とかもありますが、「労働衛生」の切り口なので「労働安全」の切り口は除いています。


小問(2)以降は、明日また。


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