労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、お疲れ様でした。
受験者の方から、さっそく問題を入手いたしましたので、順番に紹介したいと思います。
今日は小問(2)は、有害化学物質、特に特化物に関しての問題(穴埋め19問)
(2)空気中の化学物質についての分類や性状、用途などに関する以下の文章中の空欄【A】~【S】に当てはまる語句を解答欄に記入せよ。ただし、同じ記号の空欄には同じ語句が入る。
気体状物質の内、ガスは常温、常圧での状態が【A】の物質であり、【B】は常温、常圧での状態が【C】または【D】の物質が、蒸気圧に応じて揮発又は【E】して【A】となっているものである。業務上疾病の要因となる物質の例としては、ガスでは【F】、【G】、【H】などを、【B】では、【I】、【J】、【K】などを挙げることが出来る。
【F】はコークス炉などで発生する副生ガスとして製鉄用に使用され、【G】は黄緑色で刺激性があり漂白剤や消毒剤などに使用される。また、【H】は石油精製業や下水処理場などで発生し腐卵臭を有する。
【I】は常温で液体の唯一の金属として知られ、【J】はポリウレタンの製造、合成ゴム、塗料、接着剤の原料として使用される。【K】は接着剤や塗料の溶剤、ガソリンのアンチノッキング剤などに使用され、代謝物である尿中【L】は生物学的モニタリングの指標として利用される。
粒子状物質のうち、【M】は【C】の微細な粒子が空気中に浮遊しているものであり、例えば【N】の【M】は、メッキ作業場においてメッキ槽などから発生して鼻潰瘍、【O】穿孔、皮膚障害などを引き起こすことが知られている。【P】は金属【B】などが空気中で【Q】や化学変化を起こし【D】の微粒子となって空気中に浮遊しているものである。主に亜鉛や銅が空気中で酸化された【P】を吸引して数時間後に悪寒と発熱、関節痛などが観られる【R】が知られるが、ポリマー熱分解産物の【P】の吸引によっても同様の症状が見られ、これは【S】と呼ばれている。
以下、小職の回答案です。
気体状物質の内、ガスは常温、常圧での状態が【A】気体の物質であり、【B】蒸気は常温、常圧での状態が【C】液体または【D】固体 の物質が、蒸気圧に応じて揮発又は【E】昇華して気体となっているものである。業務上疾病の要因となる物質の例としては、ガスでは、【F】、【G】、【H】などを、【B】では、【I】、【J】、【K】などを挙げることが出来る。
【F】一酸化炭素はコークス炉などで発生する副生ガスとして製鉄用に使用され、【G】塩素は黄緑色で刺激性があり漂白剤や消毒剤などに使用される。また、【H】硫化水素は石油精製業や下水処理場などで発生し腐卵臭を有する。
【I】水銀は常温で液体の唯一の金属として知られ、【J】イソシアネート??はポリウレタンの製造、合成ゴム、塗料、接着剤の原料として使用される。【K】トルエンは接着剤や塗料の溶剤、ガソリンのアンチノッキング剤などに使用され、代謝物である尿中【L】馬尿酸は生物学的モニタリングの指標として利用される。
粒子状物質のうち、【M】ミストは【C】液体の微細な粒子が空気中に浮遊しているものであり、例えば【N】六価クロムの【M】ミスト は、メッキ作業場においてメッキ槽などから発生して鼻潰瘍、【O】鼻中隔穿孔、皮膚障害などを引き起こすことが知られている。【P】ヒュームは金属【B】蒸気などが空気中で【Q】凝固や化学変化を起こし【D】固体の微粒子となって空気中に浮遊しているものである。主に亜鉛や銅が空気中で酸化された【P】ヒュームを吸引して数時間後に悪寒と発熱、関節痛などが観られる【R】金属熱が知られるが、ポリマー熱分解産物の【P】ヒュームの吸引によっても同様の症状が見られ、これは【S】ポリマーヒューム熱と呼ばれている。
【K】トルエンは、アンチノッキング剤で迷いましたが、4アルキル鉛をアンチノッキング剤として覚えているのは古い人(笑)で、今はトルエンがアンチノッキング剤として添加されているそうです。
【J】は、私にとっては盲点の問で、自信ありません。職業アレルギーで話題になったことがあるようです。https://www.research.johas.go.jp/sanchu/allergy-4.pdf
【S】のポリマーヒューム熱もマイナーな用語ですが、こちらを引用しておきます。https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/25706449、
有機則・特化則の範囲で作業環境測定士の試験問題のようですが、有害性の中身や職業性疾病など、広範囲の知識を問われていますね。
小問(3)以降は、明日また。