友人から入手した試験問題を元に、回答案を考えています。

暫くすると、試験協会のHPにも掲載されますが、労働衛生工学については、正解が開示されないので、皆さんのご意見もコメントで頂ければ幸いです。


 


今日は問2の後半、小問(2)に取りかかります。


騒音測定結果の、周波数解析結果と日本産業衛生学会の騒音のばく露許容基準を用いた計算問題になります。小問(1)の「表1 オクターブバンドの周波数重み付け」を利用するのがポイントのようです。


 


問題文と図表


(2)ある作業者が屋外で騒音作業をしていた時、作業者の近くで騒音を測定してオクターブバンドによる周波数解析を行ったところ、表2の結果が得られた。以下の①~③の問に答えよ。 但し、問題文中の空欄には、上記(1)の同じ記号の空欄とおなじ語句等が入る。


なお、必要に応じて表1の数値、および、図1のy=10^xのグラフを用いて良い。


 


表2







オクターブバンドの


中心周波数[Hz]




250




500




1k




2k




4k




8k






騒音のオクターブバンド


音圧レベル実測値[dB]




87




87




96




91




89




97







 


①日本産業衛生学会の騒音のばく露許容基準(図2)を用いて、この騒音のばく露許容時間(分)を計算過程を示し、求めよ。(有効数字2桁)


②この騒音の【K】=【等価騒音レベル】を計算過程を示して求めよ。(有効数字3桁)


③この騒音現場で作業者が耳栓(SNR値:25dB)を使用するとき、耳栓装着後に期待される【B】=【騒音レベル】を、計算過程を示し求めよ。(有効数字2桁)



 


 


回答案①


 


表2にA特性の補正を行います。







オクターブバンドの


中心周波数[Hz]




250




500




1k




2k




4k




8k






騒音のオクターブバンド


音圧レベル実測値[dB]




87




87




96




91




89




97






表1からA特性補正値




-9




-3




0




+1




+1




-1






A特性補正後の値




78




84




96




92




90




96






図2で読み取った


ばく露時間(分)




>480




>480




>40




30




40




30-40







ということで、最小のばく露時間 30分が、許容時間となります。


 


図2にもプロットしてみました。




 

回答案②


https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/noise/souon_12.htm


の式を用います。





図1のy=10のべき乗の図から、




L=10log10(10^7.8+10^8.4+10^9.6+10^9.2+10^9.0+10^9.6)


 =10log10(6×10^7+2.5×10^8+4×10^9+1.5×10^9+1.0×10^9+4×10^9)


 =10log10((6+25+400+150+100+400)×10^7)


 =10log10(108×10^8)=10log10(4×27×10^8)


 =80+10×{2×log10(2)+3×log10(3)}=80+10×(0.6+1.44)
 =80+20.4=100.4dbB 答え 100dB


 

図1に書き込んでみました。


 


回答案③



SNR値:25dBを各バンドで引きます。


騒音レベルと言うことなので、A特性補正値は用いません







オクターブバンドの


中心周波数[Hz]




250




500




1k




2k




4k




8k






騒音のオクターブバンド


音圧レベル実測値[dB]




87




87




96




91




89




97






耳栓の効果




-25




-25




-25




-25




-25




-25






A特性補正後の値




62




62




71




66




64




72









L=10log10(10^6.2+10^6.2+10^7.1+10^6.6+10^6.4+10^7.2)


 =<図1が、7.5以上なので、全部に100倍して読み取って、最後に割ります)


 =10log10{(10^8.2+10^8.2+10^9.1+10^8.6+10^8.4+10^9.2)/100}


 =10log10{(1.5×10^8+1.5×10^8+1.3×10^9+0.4×10^9+2.5×10^8+1.5×10^9)/100}


 =10log10((1.5+1.5+13+4+2.5+15)×10^6)


 =10log10(37.5×10^6)


 =10log10(75/2×10^6)=10log10(5×5×3÷2×10^6)


 =60+10×(log10(5)+log10(5)+log10(3)-log10(2)


 =60+10*(0.70+0.70+0.48-0.30)


 =60+10*(1.58


 =75.8dB  答え 76dB




②③共に、一番騒音レベルの大きい周波数帯の騒音レベルが、2-3帯域あるので、


合計の騒音レベルが2-3倍=3~4dBプラスした値というイメージの数字ですね。


   


騒音のついては、あまり現場体験が無い為、回答案には自信はありません。

回答に疑問がある場合は、アドバイスお待ちしています。

 

問3以降は、また、後日。2-3日お待ちください。

 

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