今日は問3の後半部分。局所排気装置計算書の結果を使って、性能が保証できるよう改良を加えていく部分となります。
 
問題文と図
 
問3
図1に示す局所排気装置の系統図について以下の設問に答えよ。
但し、ダクトの断面なすべて円形とし、空気密度は1.20kg/m3、フード3の必要排気量は60.0m3/分とする。設問(1)、(4)、(5)、(6)については、計算過程又は理由を示せ。計算は有効数字4桁で行い、回答は4桁目の四捨五入して有効数字3桁で答えよ。設問(2)の局所排気装置計算書は、5桁目を四捨五入して有効数字4桁で答えよ。

(3)
主ダクトと枝ダクトの合流点(図1の4-5番地)で、フード1とフード2の二系統の静圧のバランスがとれていない場合に、バランスを取る方法を二つ挙げて簡単に説明せよ。 
(4)
局所排気装置計算書でファン前後の静圧の差を求めよ。
(5)
同じ局所排気装置でファン排風量を現在の二倍にした場合、ファン前後の静圧差は、何倍となるか?
(6)
局所排気装置完成後に、フード1の開口面での風速分布を測定したところ下表のような結果を得た。この囲い式フードの補正係数の実際の値を答えよ。
 
(7)
フード1の実際の補正係数kを計算値1.1に近づける方法を二つ簡潔に述べよ。

 

回答案
沼野先生の教科書「新やさしい局排設計教室」第14章の「5.静圧のバランスを取る方法」に詳しいです。
方法の名称は書けなくても、青字部分の原理が書けていればOKかと思います。
①抵抗調節平衡法 
抵抗の小さいほうのダクトにダンパーを設けて絞ることで抵抗を増やしてバランスを取る方法
②流速調節平衡法
抵抗の小さいほうのダクト径を細くして抵抗を増すか、抵抗の大きいほうのダクトを少し太くして、抵抗を下げる方法
 
(4)
局所排気装置計算書でファン前後の静圧の差を求めよ。
 
回答案

局所排気装置計算書のファン前の番地12-13とファン後の番地14-15の差なので

103.9-(-735.4)=839Pa
 
(5)
同じ局所排気装置でファン排風量を現在の二倍にした場合、ファン前後の静圧差は、何倍となるか?
 
回答案

排風量を増減させると、ダクト内部の速度圧が排風量2乗に比例して増減し、各部分のダクト圧損は、速度圧に比例しているので、静圧は、排風量の2乗に比例することになる。従って、排風量を2倍にすると、静圧差は、4倍になる。

 

(6)
局所排気装置完成後に、フード1の開口面での風速分布を測定したところ下表のような結果を得た。この囲い式フードの補正係数の実際の値を答えよ。
 
回答案

風速分布の平均値と、最大/最小値と比が補正係数となる。

16点の測定値の平均値は、0.6868、最小値は0.5なので、

実際の補正係数は、0.6868÷0.5=1.374 補正係数1.37
沼野先生の教科書の図の数字がそのまま(-_-;)
 
(7)
フード1の実際の補正係数kを計算値1.1に近づける方法を二つ簡潔に述べよ。


 

回答案


沼野先生の教科書「新やさしい局排設計教室」第9章の2.囲い式フードの排風量の節約法に詳しく書かれています。教科書の図9・1が判りやすいのですが、言葉で説明するのはちょっと大変かもしれません。

 

①ダクトのテークオフの位置を変更する

 ・開口面の真正面(裏側)、

  あるいは、

 ・ブースの奥行きを大きくし囲い式フードの出来るだけ奥に寄せる

   その他、

 ・開口面の上側をできるだけ塞ぐ

 ・テークオフの接続をテーパーにする。

   などです。 

 

②プリーナムチャンバーを設ける

 ・テークオフの手前に邪魔板を設置し、下方にスリットを設けるなどして

  等速度面を垂直に近くする



 

といったところでしょうか。


以上で、問3は終わりです。

比較的定石通りで、ひっかけ、などの無い設問だったように思います。

 

少し時間を頂いて、問4にも取りかかる予定です。


 


 

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