労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、お疲れ様でした。
受験者の方から問題を入手いたしましたので、順番に紹介しています。
 
労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタントの筆記試験、お疲れ様でした。
受験者の方から問題を入手いたしましたので、順番に紹介しています。「回答が間違っているよ」というご意見があればコメントをお待ちしています。

今日は問4の最後のパートです。局所排気装置計算書の計算から少し離れた設問です。



(3)局所排気装置計算書に基づいて実際に設置された図1に示した局所排気装置を稼働させたときについて、次の問に答えよ。なお、解答用紙の解答欄には計算過程を示し、計算は有効数字3桁で行い、解答は有効数字3桁目を四捨五入して有効数字2桁で答えること。

①フード1は囲い式フードで、その開口面を16等分して、それぞれの中心の風速測定を行った結果、表1に示した値が得られた。囲い式フードの排風量の計算式で、開口面上での気流分布のムラを表す補正係数を計算せよ。


枝ダクト系列と主ダクト系列との合流点で全圧を測定してところ、-1930Paであった。この結果から、枝ダクト系列のダクトの断面積を0.00521m2として、稼働時のフード2の排風量[m3/分]を計算せよ。なお、合流点での主ダクト系列との静圧バランスはとれており、盛津の値は設計時と変わらないものとする。

 

③枝ダクト系列のフード2はスロット型外付け式フードで、その外観図を図2の(a)に、吸引口周囲の等速度面を(b)に示した。等速度面は、図2の点線で示した図形の表面で、円柱の両端に半球が付いたものと考え、表2のスロット型外付け式フードの形状等を参考にして②で求めた排風量から等速度面上の気流の速度[m/秒]を計算せよ。なお、等速度面を考えるときは、等速度面上の吸引口の幅(z)は無視してよい。


局所排気装置計算書は、昨日完成させました。(3)の②で一部の数値を使います。






小問(3)の回答案

①補正係数は、平均風速と最低風速の比なので、表1から平均風速は0.6m/s、最低風速は0.5m/sであり、

 0.6/0.5=1.2 k=1.2である。


②局所排気装置計算表で求めた合流点の全圧は-2120Pa-2290Paとなるが、実際の全圧は-1930Paだったということなので、設計風量より、(1930/2290)の二乗分平方根だけ、風量が少なくなっていることになる。

コメントでご指摘頂き修正しました(2021/05/23)

 合流点での静圧バランスがとれているという設定なので、主ダクトを枝ダクトの静圧は同じ、枝ダクト側の静圧が下がった分枝ダクトの風量が下がるので、

 13.1× (1930/2290)の平方根=10.9m3/分 9.30m3/分12.2m3/分


コメントで間違いを指摘頂き、修正しました。(2021/8/21)


③等速度面の面積=半径Wの円筒の表面積+半径Xの半球の表面積

  W×(2×X×π)+4×π×Xの二乗

=0.5*2*0.1*3.14+4*3.14*0.1*0.1=0.314+0.1256=0.4396


  ②の風量を用いると、等速度面の風速(m/秒)は、

  風速(m/秒)=10.9  9.3÷0.4396÷60=0.41m/秒 0.35m/秒


②で実際の全圧が設計時の全圧より下がっているというのは、ファンの選定が間違ったケースなのかもしれませんが、安全を見込んで通常は大きめのファンを選んぶので動作点での風量は、設計風量より少し大きくなるため、ダクト内での全圧や静圧は設計時より大きくなることが多いと思いますが、設問では敢えて足りないケースを選んだのでしょうか?

 

問4を振り返ると、設計風量に対してダクト断面積が小さくて、搬送速度が38.2m/sとかなり大きく、その結果、速度圧や圧損が全体に大きめという印象です。

通常、ガス状の有害物を排気する有機溶剤の局所排気装置では、搬送速度が10-15m/s、粉じんの局所排気装置では、搬送速度が20m/sくらいと教わっているので、そこに違和感があって、計算しながら凄く不安になる問題だったと思います。

 

また、小問(3)は、実際の局所排気装置を動かした経験のない方、実際の点検業務や作業現場のイメージのない方には、問われている意味が分かりにくい設問かもしれません。問4の中での配点が予想できないので、答え合わせをした後でも、合否の予測が難しいですね。







 

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やはり、沼野先生の本を隅々まで勉強しないといけませんね。

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私の本はかなり古いので、そろそろ最新版を購入しようかなぁ、、、