労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等の告示① [法令・通達情報※労働衛生]
「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等」を告示しました
~溶接ヒュームの濃度の測定、呼吸用保護具の使用などについて規定~
2020年8月3日に厚労省のホームページに、標記の告示が公開されました。
特化則の改定、作業主任者の業務の明確化、個人サンプラーを用いたばく露評価、など、新しい取り組みが必要となる重要な改定と思います。ばく露評価に基づいたリスク評価と対策の決定など、労働衛生コンサルタントの業務に直結する手引きとなっているように思います。
数回に渡って内容をかみ砕いて整理しておきたいと思います。
試験に直接問われることは無いと思いますが、記述式の化学物質管理などの理解の助けになるかと思います。
また、口述試験では、このような告示で公開されている「リーフレット」の内容を問われることや、回答の事例として用意しておくのも良いかもしれません。
厚生労働大臣は、本日、「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等」(令和2年厚生労働省告示第286号。以下「告示」)を告示しました。この告示は、一部を除き、令和3年4月1日から施行されます。
この告示は、金属アーク溶接等作業で発生する「溶接ヒューム」へのばく露による労働者の健康障害防止措置を規定するために改正された特定化学物質障害予防規則(以下「特化則」)に基づいたものです。金属アーク溶接等作業※1を継続して行う屋内作業場での溶接ヒュームの濃度の測定方法や、その結果に基づく有効な呼吸用保護具の選択・使用方法などを定めたものです。
厚生労働省は、今後、この告示を含めた改正政省令など※2の円滑な施行に向けて、関係者への周知の徹底や啓発活動に取り組み、「溶接ヒューム」による健康障害の防止対策を推進していきます。
この告示は、金属アーク溶接等作業で発生する「溶接ヒューム」へのばく露による労働者の健康障害防止措置を規定するために改正された特定化学物質障害予防規則(以下「特化則」)に基づいたものです。金属アーク溶接等作業※1を継続して行う屋内作業場での溶接ヒュームの濃度の測定方法や、その結果に基づく有効な呼吸用保護具の選択・使用方法などを定めたものです。
厚生労働省は、今後、この告示を含めた改正政省令など※2の円滑な施行に向けて、関係者への周知の徹底や啓発活動に取り組み、「溶接ヒューム」による健康障害の防止対策を推進していきます。
※1 |
金属をアーク溶接する作業、アークを用いて金属を溶断し、
またはガウジングする作業その他の溶接ヒュームを製造し、または取り扱う作業
|
以下、下記からの引用です。
労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第148号)、特定化学物質障害予防規則及び作業環境測定法施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第89号)及び作業環境評価基準等の一部を改正する告示(令和2年厚生労働省告示第192号)が、令和2年4月22日に公布及び告示され、令和3年4月1日から施行されます。
厚生労働省通達「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行等について」(令和2年4月22日 基発0422第4号)では、以下抜粋のとおり解説しています。
厚生労働省通達「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行等について」(令和2年4月22日 基発0422第4号)では、以下抜粋のとおり解説しています。
第1 改正の趣旨及び概要等
3 改正省令の概要
- 特化則(溶接ヒュームへのばく露防止)関係
イ | 金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場において、新たな金属アーク溶接等作業の方法を採用しようとするとき、又は当該作業の方法を変更しようとするときは、あらかじめ、当該金属アーク溶接等作業に従事する労働者の身体に装着する試料採取機器等を用いて行う測定により、当該作業場について、空気中の溶接ヒュームの濃度を測定することを義務付けたこと。 |
ウ | イによる空気中の溶接ヒュームの濃度の測定の結果に応じて、換気装置の風量の増加その他必要な措置を講じることを義務付けたこと。 |
エ | ウの措置を講じたときは、その効果を確認するため、イの作業場について、イの測定により、空気中の溶接ヒュームの濃度を測定することを義務付けたこと。 |
オ | 金属アーク溶接等作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に有効な呼吸用保護具を使用させることを義務付けたこと。 |
カ | 金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場において当該金属アーク溶接等作業に労働者を従事させるときは、当該作業場についてのイ及びエによる空気中の溶接ヒュームの濃度の測定の結果に応じて、当該労働者に有効な呼吸用保護具を使用させることを義務付けたこと。 |
キ | カの呼吸用保護具(面体を有するものに限る。)を使用させるときは、1年以内ごとに1回、定期に、カの呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認し、その結果を3年間保存することを義務付けたこと。 |
5 施行日、準備行為及び経過措置
エ | 改正省令の3(1)イの屋内作業場については、令和4年3月31日までの間は、改正省令の3(1)ウ、エ、カからクまで及びコ(3(1)カの呼吸用保護具の使用に係る部分に限る。)は、適用しないこととしたこと。 |
第2 細部事項
2 改正省令関係
- 特化則第38条の21第1項関係
ア | 本項の「金属アーク溶接等作業」には、作業場所が屋内又は屋外であることにかかわらず、アークを熱源とする溶接、溶断、ガウジングの全てが含まれ、燃焼ガス、レーザービーム等を熱源とする溶接、溶断、ガウジングは含まれないこと。なお、自動溶接を行う場合、「金属アーク溶接等作業」には、自動溶接機による溶接中に溶接機のトーチ等に近付く等、溶接ヒュームにばく露するおそれのある作業が含まれ、溶接機のトーチ等から離れた操作盤の作業、溶接作業に付帯する材料の搬入・搬出作業、片付け作業等は含まれないこと。 |
- 第38条の21第2項関係
イ | 本項の「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場」には、建築中の建物内部等で当該建築工事等に付随する金属アーク溶接等作業であって、同じ場所で繰り返し行われないものを行う屋内作業場は含まれないこと。 |
- 第38条の21第5項関係
本項は、作業場所が屋内又は屋外であることにかかわらず、金属アーク溶接等作業に労働者を従事させるときには、当該労働者に有効な呼吸用保護具を使用させることを義務付ける趣旨であること。
- 第38条の21第7項関係
ア | 本項に規定する呼吸用保護具の装着の定期的な確認は、面体と顔面の密着性等について確認する趣旨であることから、「呼吸用保護具(面体を有するものに限る。)」という規定は、フード形、フェイスシールド形等の面体を有しない呼吸用保護具を本項の確認の対象から除く趣旨であること。 |
3 改正告示関係
- 評価基準関係
評価基準別表第30号のマンガン及びその化合物に係る管理濃度は、米国産業衛生専門家会議(ACGIH)及び欧州委員会(EC)科学委員会の提案理由書及びそれらに引用されている文献等を踏まえ、マンガンとして0.05mg/m³としたこと。
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