事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
ストレスチェック制度の実施状況および課題に関する調査報告 [その他、労働安全関係]
「ストレスチェック制度の実施状況および課題に関する調査報告」が、産業精神衛生研究会のホームページhttps://www.sanei.or.jp/に公開されておりましたので、レビューしました。
https://www.sanei.or.jp/images/contents/458/Report_Stress_Check.pdf
概要
産業医とメインの対象者として、事業所における実施状況などのアンケートを行った。
多くの事業所で、法的義務として実施されているが、現場の産業医から見たところでは、「第一義的なセルフケアへの効果は未知数であり、否定的な見方も多い」という状況。
ストレスチェック制度は、職場のメンタルヘルス対策の一部であり、他の活動との関連づけなどを行いながら、推進されるべき取り組みである。しかし、まだそのようには活かされていないことがうかがわれる。
以下、結果の一部を抜粋
①集団分析については、94.2%が実施。
他方、集団分析後の職場環境改善については、未実施が 35.8%
②ストレスチェックの受検率は、80.0%が 90%以上で、70%以下は 8.0%。
③高ストレス者の割合は、5%および10%が 82.5%
大半の事業所で、10人に一人位の割合で、高ストレス者がいるということ!
④高ストレス者における医師による面接指導の実施率は、0%、1%、5%、10%で 77.5%
そのうちの1/10くらいしか、医師が面談出来ていない!!
⑤労働者自身が行うストレス対策に対する効果は、37.0%が役立っていると回答した一方、50.6%が否定的。
自由記入欄より、気になったご意見
・現状では,申し出る者の割合が非常に低い
・面接を申し出たら結果の提供に同意したとみなされる点が,面接指導を低調にしている一因と考えられる
・職場と関連が弱い高ストレスに対して,効果的な対応ができない
・介入が必要な例が面接にのらない可能性が低くない
・面接を申し入れてくる高ストレス者の大半は特に問題がないことが多い点から,本制度がよく機能していないと推測される
・「高ストレス」を続けているにも関わらず面接を希望しない者への対応が難しい
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