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労働衛生工学過去問(H27-3-3) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

今回は、H27年実施の局所排気装置計算書の問題、問3、です。


今日は、小問(3)局所排気装置計算書の続きです。


【設定】


有機溶剤を取り扱う作業場に設置されたスロット型フード、吸引ダクト、空気清浄機、ファン、および、排気ダクトで構成される局所排気装置(ダクトはすべて円形ダクト)について、以下の設問に答えよ。スロット型フードは、図1に示すように3台のテーブルに設置されている。スロット型フードの構造の詳細を図2に示す。


計算は有効数字3桁で行い、回答は3桁目の四捨五入して有効数字2桁で答えよ。但し、局所排気装置計算書については、計算は4桁以上で行い、解答欄には有効数字3桁で解答を記入せよ。


設問(1)と(2)では、計算過程を示すこと。なお、空気密度は1.20Kg/m3とする。


H27toi1zu1.jpgH27toi1zu2.jpg

(3)スロット型フードの排風量を設問(1)で求めた値とし、図1の線図番地2-5のダクト直径を設問(2)で求めた値として、線図番地各部が表1に示した条件であるとき、回答用紙の局所排気装置計算書の空欄に計算結果を記せ。

但し、スロット型フードの圧力損失は、スロット部(番地0-1)の圧力損失と、テーパーダクト(番地1-2)の和とする。

また、スロット型フード2と、スロット型フード3は、ダンパー2とダンパー3により、スロット型フード1と同じ排風量になるようにバランスをとるものとする。


H27toi1zu3.jpg


H27toi3hyou1a.jpg


番地0-1 スロット型フードの搬送速度と速度圧を求めます。
  ①排風量は、小問(1)求めた16.0を使い、
   スロット面積は、図2のW×L=0.8×0.03
   搬送速度=16÷(0.8*0.03)÷60=11.1m/s
  ②速度圧は、0.6×排風量の二乗=0.6*11.1*11.1=73.9(Pa)となります。
番地1-2 テーパーダクトの部分は、
  ①断面積は、小問(2)で求めたダクト直径0.150を用い、
     3.14×(0.15/2)×(0.15/2)=0.0176
  ②搬送速度は、排風量16.0をから、16÷0.0176÷60=15.15→ 15.1m/s
  ③速度圧は 0.6×15.1×15.1=136.8 →139Pa
番地5-6 合流点では、
  ①合流後のダクト系は、表2のダクト直径0.2mを用い、断面積を計算
     3.14×(0.2÷2)×(0.2÷2)=0.0314
  ②搬送速度は、排風量がフード二個分 16×2=32m3/分から、搬送速度を計算
      32÷0.0314÷60=17.0m/s
  ③速度圧は、計算した搬送速度から
     0.6×17.0×17.0=173Pa


 


引っかかりやすいのは、フード2の排風量が記載されていないのですが、「同じ排風量になるように静圧をダンパーで調節する」とあるので、排風量は、フード1と同じ16m3/分だと気づくことですね。



番地7-8 合流点でも同様に、
  ①表2のダクト直径0.25mから、ダクト断面積は 0.0490m2
  ②搬送速度は、排風量がフード3個分の48m3/分を用い、
     48÷0.049÷60=16.3m/s
  ③速度圧は、0.6×16.3×16.3=159Pa


 


フード3もフード2と同じことなので、合流後の総排風量は、ダクト3本分 16×3=48m3/分となります。
H27toi3hyou1b.jpg
ダクト圧損(Pa/m)は、摩擦係数0.02/ダクト直径×速度圧で計算して、入力しておきます。


H27toi3hyou1c.jpg

次は、速度圧と圧損係数を掛けて、部分圧損を求めます。
 ダクトの部分は、速度圧×ダクト圧損×ダクト長で計算します。
H27toi3hyou1d.jpg
更に、部分圧損を番地0-1から順に、足し算して累計圧損を求めます。
H27toi3hyou1e.jpg
最後に、静圧=-累計圧損-速度圧で計算します。

H27toi3hyou1f.jpg


 


これで、局所排気装置計算書は完成です。


この年は、この結果を使わず回答できるので、気を取り直して小問(4)、(5)に望めば良いです。


 


 


 


 


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4805918425.jpg




#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験

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コメント 4

たきー

いつもお世話になっております。
質問させて頂きたいのですが「但し、スロット型フードの圧力損失は、スロット部(番地0-1)の圧力損失と、テーパーダクト(番地1-2)の和とする」とありますが圧力損失を足し算している部分がどこかわからなく、教えて頂けないでしょうか。お手数お掛けしますが宜しくお願いいたします。
by たきー (2023-07-01 17:47) 

ちょまぷ

「たきー」様、コメントありがとうございます。問題文の「但し、スロット型フードの圧力損失は、スロット部(番地0-1)の圧力損失と、テーパーダクト(番地1-2)の和とする。」ですが、計算表の中では、番地0-1と番地1-2に分けてしています。フードの圧力損失を「スロット」と「テーパー」の二つの要因に分解して合計しなさいという意味なので、その和を書く欄はありません。番地0ー1の部分圧力損失131Pa、番地1-2の部分圧力損失34Paとなっています。ご理解いただけたでしょうか?
by ちょまぷ (2023-07-02 09:19) 

たきー

ちょまぷ 様
解説ありがとうございます、回答に影響ある一文ではない事、理解しました。
H26度の解説は未掲載ですよね?
日本労働安全衛生コンサルト会発行の27年度26年度試験問題集を観てるのですが誤回答だらけにみえてちょまぷ様の回答で答え合わせをしています。
by たきー (2023-07-02 21:48) 

ちょまぷ

「たきー」様、コメントありがとうございます。厳密に言うと、他の要因もあるかもしれないのと、回答を考えためのヒントとして追加された一文かもしれませんね。受験勉強頑張ってください。
by ちょまぷ (2023-07-03 08:00) 

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