事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
労働衛生コンサルタント試験:過去問「健康管理」令和4年度(2) [労働衛生コンサルタント過去問:健康管理]
私の回答案を紹介しますが、誤答・誤解については、コメント欄でご指摘いただけると助かります。
令和3年までの受験区分保健衛生の記述式科目「健康管理」の過去問については、こちらのリンクをご参照ください。→→健康管理(記述式)過去問R03分まで
令和4年度の「健康管理」は、各問とも、専門分野の幅広い正確な知識を問う問題になっています。
問1「放射線の有害性について」
問2「インジウムの有害性と対策について」
問3「メンタルヘルスについて」
問4「健康診断全般について」
問1 放射線の性質及び職場における放射線障害の予防に関し、以下の設問に答えよ。
・・・
(5) 放射線業務従事者の眼に生じるおそれがある健康障害に関する次の事項について説明せよ。
① 健康障害の具体的な内容
② 健康障害を予防するための等価線量の限度
③ 健康障害を予防するための措置
(6) 放射線防護におけるALARA の原則について簡潔に説明せよ。
(7) 医療現場における放射線防護について次に掲げる事項ごとに説明せよ。
① 照射条件の工夫
② 散乱線の遮蔽
③ 放射線業務従事者の行動に関する留意点
④ 個人用保護具
(5) 放射線業務従事者の眼に生じるおそれがある健康障害に関する次の事項について説明せよ。
① 健康障害の具体的な内容
② 健康障害を予防するための等価線量の限度
③ 健康障害を予防するための措置
①水晶体の被爆による白内障
②100mSv/5年 50mSv/1年
③・線源の遮蔽・隔離
・線量当量の測定と作業時間の管理・低減
・防護メガネ、フェイスシールドなどの着用
・白内障の健康診断
(こちらは、最近、電離則が改正されたので、サービス問題かも知れませんね)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06824.html
(6) 放射線防護におけるALARA の原則について簡潔に説明せよ。
個人の被ばく線量や人数を、 経済的及び社会的要因を考慮に入れたうえ、 合理的に達成できるかぎり低く保つことである。 この原則をALARA (As Low As Reasonably Achievable) アララの原則という
(7) 医療現場における放射線防護について次に掲げる事項ごとに説明せよ。
① 照射条件の工夫
② 散乱線の遮蔽
③ 放射線業務従事者の行動に関する留意点
④ 個人用保護具
①照射条件の工夫
・照射条件の最適化
診療可能な最低限の画質となるよう、出力、パルスレートや撮影枚数、照射野を調整する、画像検出器と患者を可能な限り近づける
②散乱線の遮蔽
・医療現場での外部放射線防護の三原則
距離: 放射線源、散乱線源を意識し、可能な限り距離をとる。
時間: 放射線照射時間は、最小限にとどめる。
遮蔽: 散乱線源と作業者の間に放射線遮蔽板を配置する。
③放射線業務従事者の行動に関する留意点
(照射野に手や身体をを入れない)
照射野内外で100倍以上線量が異なる。皮膚障害、皮膚がんの可能性。
(散乱放射線の分布を教育する)
例えば、患者からの距離や、散乱放射線の少ない位置に立つなどを工夫する。
④個人用保護具
保護衣、ネックガードなど、照射場所や線源のエネルギーを考慮して選定する。
保護衣の遮蔽効果は90%以上有るが、完全では無いので、防護壁と併用や、照射時間の短縮など、他の防護策を補完する手段として認識する。
最後の問題は、特に、試験会場での限られた時間でどこまで記述すれば合格点なのか悩ましいですね。放射線障害の専門家でも無い限り、ポイントだけ記述するのは至難の業だと思います。逆に、60%で合格点だと割り切って、確実な知識を回答するのが良さそうです。
令和4年までの「労働衛生工学」の過去問については、こちらの過去ブログをご参照ください。
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