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労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
 
労働衛生工学(記述式)過去問【更新】R04分追加完了
健康管理(記述式)過去問R03分まで[R04分連載開始]
 
労働衛生工学:記述式の出題ポイント 索引【更新】
(各種労働衛生関係の講習会での修了テスト問題から編集)
  

事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。

 
口述試験:衛生工学の情報のまとめ(クリックすると開きます)
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。

記述式 労働衛生工学の出題ポイント [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]

受験される方を応援するために、過去問で良く出題されている用語を解説してみたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>

労働衛生のポイントとなる用語の定義に関する問題が良く出ます。

短時間で正確に記述するのはなかなか難しく、丸暗記する訳にもいかないと思いますが、良く出題されている用語は、直接定義を問われなくても、設問に答えるヒントになるので、直前に復習しておくと良いと思います。

今日は、「発がん性区分」について

労働衛生工学でも健康管理でも、出題されたことがありますね。実は機関によって「発がん性区分」の決め方や標記が少しずつ異なっていますので混乱しそうになります。問題では、IARCの「発がん性区分」とか、GHSの「発がん性区分」とか、指定してあることが多いようです。それは、「発がん性がある」という情報が、人に対してある?のか、動物実験なのか?、証拠の確度が高いのか、不完全なのか?などを鑑みて、各機関が定めているからで、直近の研究成果などを元に数年に一回見直しがされています。


化審法では、図表 10 に示した情報源について、発がん性分類の情報の収集を行い、情報が複数得られる場合は、最も厳しい有害性クラスを割り当てるのだそうです。

発がん性01.jpg

正確に区分を答えるというよりは、医学的な多数の情報・実験結果に基づいて、判断しているということがポイントであると記憶しておくことが重要だと思います。


とはいえ、GHS基準とIRCA基準の違いを知っておきましょう。(笑)


IARCの発がん性評価
グループ1:ヒトに対して発がん性がある。「発がん性の十分な証拠」がある場合に用いられる。107因子:アスベスト、カドミウム、アルコール飲料、受動喫煙を含む喫煙など
グループ2A:ヒトに対しておそらく発がん性がある。 (probably)
ヒトにおいて「発がん性の限定的な証拠」、実験動物において「発がん性の十分な証拠」がある場合に用いられる。または、ヒトにおいては「発がん性の不十分な証拠」で、実験動物では「発がん性の十分な証拠」の場合にも分類されることがある。
  59因子:生活リズムを乱す交代制勤務、ディーゼル エンジンの排ガスなど  
グループ2B:ヒトに対する発がん性の疑われる。 (possibly)
ヒトにおいて「発がん性の限定的な証拠」、実験動物では「発がん性の十分な証拠」があると言えない場合に用いられる。また、ヒトにおいては「発がん性の不十分な証拠」で、実験動物「発がん性の十分な証拠」がある場合にも分類されることがある。→グループ2Aとの境界領域ですね。
  267因子:携帯電話、ガソリンエンジンの排ガス、鉛など  
グループ3
グループ3:ヒトに対する発がん性について分類することができない。
ヒトにおいては「発がん性の不十分な証拠」であり、実験動物において「発がん性の不十分な又は限定的な証拠」である場合に広く用いられる。
  508因子:お茶、ヘアカラー、インプラント・その他の異物など  
グループ4
ヒトに対しておそらく発がん性がない。(probably)
ヒト及び実験動物において「発がん性がないことを示唆する証拠」がある場合。「ないことの証明って結構大変なので、最新のリストには載っていません。


GHS基準は以下の通り。

区分1:人に対する発がん性が知られているあるいはおそらく発がん性がある
化学物質の区分 1 への分類は、疫学的データまたは動物データをもとに行う。個々の化学物質はさらに次のように区別されることもある:
区分1A:人に対する発がん性が知られている:主として人での証拠により化学物質をここに分類する
区分1B:人に対しておそらく発がん性がある:主として動物での証拠により化学物質をここに分類する

証拠の強さとその他の事項も考慮した上で、人での調査により化学物質に対する人のばく露と、がん発生の因果関係が確立された場合を、その証拠とする(人に対する発がん性が知られている物質)。あるいは、動物に対する発がん性を実証する充分な証拠がある動物試験を、その証拠とすることもある(人に対する発がん性があると考えられる物質)。さらに、試験からは人における発がん性の証拠が限られており、また実験動物での発がん性の証拠も限られている場合には、人に対する発がん性があると考えられるかどうかは、ケースバイケースで科学的判定によって決定することもある。

区分2:人に対する発がん性が疑われる
化学物質の区分2への分類は、化学物質を確実に区分1に分類するには不充分な場合ではあるが、人または動物での調査より得られた証拠をもとに行う。証拠の強さとその他の事項も考慮した上で、人での調査で発がん性の限られた証拠や、または動物試験で発がん性の限られた証拠が証拠とされる場合もある。


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