事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
労働衛生工学過去問(H27-1-3) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタントの筆記試験を受験される方を応援するために、過去問を一問ずつ紹介していきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答・ご不明な点についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>
H27衛生工学 問1
少し古い問題ですが、「呼吸用保護具の選択」については、重要項目だと思います。
今日は、問1小問(5)から
問1ろ過式呼吸用保護具に関する以下の設問に答えよ。
5)有毒ガス用防毒マスクは、有機溶剤の種類により、破過時間が大きく異なることが知られている。特に破過時間の短い有機溶剤を三つ上げよ
有機溶剤は活性炭を吸着剤に使うケースが多いので、メタノール、ジクロロメタン、二硫化炭素、アセトン、この辺りから3つ選んで。
イメージとしては(若干、正確性には欠けますが)分子の小さい物は吸脱着が速いので、透過に掛かる時間が短くなると考えれば、良いのではないかと思います。
破過時間
加藤征太郎:環境創造,1973年9月号,p.19.
ちなみに、吸着剤の破過が原因で労働災害になった大きな事件は、ビニールハウス内や、輸入時の農作物の害虫駆除などに、ヨウ化メチルを用いたことなんだそうです。
6)顔面と保護具の面体のフィットネスの試験方法を二つ上げ、簡潔に説明せよ。それが適用できない呼吸用保護具があれば、それを示せ。
陽圧法、陰圧法、フィットテスター法の三つがあります。
このうち、陽圧法、陰圧法は、使い捨て防じんマスクでは、適用できません。
陽圧法:排気口を塞いで呼気をはき、顔面とマスクの間から空気が漏れないことを確認する。
陰圧法:吸気口を塞いで息を吸って、マスクが顔面に密着することを確認する。
重松製作所さんのHPに詳しいです。
https://www.sts-japan.com/support/check.html
フィットテスター法:マスクを着用し、標準粉じんなどを飛散させて、マスク内部と外部の粉じん濃度を測定する。
7)電動ファン付き呼吸用保護具(粉じん用)の利点および、欠点を防塵マスクと対比して250文字以内で説明せよ。
利点①マスク内部が陽圧であり、隙間からの粉じんの吸い込みが少ない。
②呼吸が楽であり、作業負荷の高い仕事でも使用しやすい。
欠点①電動ファンの重量が重く作業負荷となる。電池の補充などの点検が必要
②呼吸以上に外気をフィルターを通じてマスク内に送り込んでいるので、ろ過材の劣化が相対的に大きくなる。
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