労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
労働衛生工学過去問(H27-4-3) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
H27年実施の問4の三日目です。残りの小問(3)、(4)を解いてみます。
問4:有機溶剤を使用する作業場に設置された囲い式フード、吸引ダクト、ファン排気ダクト、および、排気口で構成される局所排気装置(ダクトはすべて円形で、直径は0.20mとする)に、空気清浄機を追加設置する場合について、以下の設問に答えよ。
問4:有機溶剤を使用する作業場に設置された囲い式フード、吸引ダクト、ファン排気ダクト、および、排気口で構成される局所排気装置(ダクトはすべて円形で、直径は0.20mとする)に、空気清浄機を追加設置する場合について、以下の設問に答えよ。
小問(3)
一般的なガス状物質の排ガス処理について、 吸着法以外の方法を二つあげよ
小問(4)
空気清浄機設置後の局所排気装置について、次の問に答えよ。
①空気清浄機設置後、 排風量が設置前を同様の値になるように運転したとき、 ファン出口の静圧を求めよ。
②空気清浄機設置後、 排風量が設置前を同様の値になるように運転したとき、 図2に示したように、 ファンの入り口で水柱マノメーターによる圧力測定を行った結果、 水柱マノメーターの水面の高さの差の値が60mmであった。
ファン前後の静圧差(ファン出口の静圧ーファン入り口の静圧) を求めよ。
①空気清浄機設置後、
②空気清浄機設置後、
ファン前後の静圧差(ファン出口の静圧ーファン入り口の静圧)
小問(3)の回答例
吸収法
吸収法
(気液接触により水や溶剤に、ガスを溶解させる。 スクラバーとも呼ぶ。)
燃焼法
燃焼法
(ガス状物質を加熱し酸化分解する。 直接燃焼法と触媒燃焼法とに分けられる。 触媒を用いる場合が多い)
小問(4)
小問(4)
この問題は、空気清浄機の設置場所が、 ファンの前なのか後ろなのかが指示されていないので回答に悩まれ る人が多いかと思います。通常は、 ファンの前に排ガス処理を行うことで、 ファンの劣化を防ぐことが多いので、 それを知っていると素直に回答を書けると思います。
小問(4)
①の回答例
空気清浄機をファンの前に設置する。ファン出口の静圧は、空気清浄機設置前後で変化しない。 294-142=152Pa 回答150Pa
②の回答例
図2のマノメーターは、全圧を測定している。
全圧=60mm×9.8=588Pa
速度圧は、ダクト断面積と排風量が同じであれば、空気清浄機設置前後で変化しないので、
小問(1)で計算した152Paを用いると、
ファン前の静圧は、588+152=730Pa
①のファン後の静圧を用い、730+152=882Pa 回答880Pa
問4は以上となります。
試験会場で落ち着いて考えるのは難しいですので、その意味では難問ですね。
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験
コメント 0