事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
保護具着用管理責任者について [法令・通達情報※労働衛生]
今日は令和5年5月25日に発出された基発0525第3号「 防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、 使用等について」について勉強してみたいと思います。
防じんマスクや防毒マスクなどの呼吸用保護具については、従来から「防じんマスク通達」及び「防毒マスク通達」で、その適切な選択、使用、保守管理等に当たって留意すべき事項が示されてきています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001100843.pdf
現在、自律管理に向けて法改正や法令の強化が進む中での見直しとなっています。
【1】管理体制
①-1 保護具着用管理責任者の選任
事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として、労働者に呼吸用保護具を使用させるときは、保護具に関して必要な教育を受けた保護具着用管理責任者(安衛則第12条の6第1項に規定)を選任する。
①-2 保護具着用管理責任者の責務
ア:呼吸用保護具の適正な選択
イ:労働者の呼吸用保護具の適正な使用
ウ:呼吸用保護具の保守管理(点検)
エ:特定化学物質の第三管理区分に区分された場所における
改正特化則36条の第4項、同条第5項第1~3号のうち、呼吸用保護具に関する措置
オ:第三管理区分場所における特定化学物質作業主任者に、呼吸用保護具についての指導を行うこと
「エ」が判りにくいのですが、R6/4/1改正後に、第三管理区分の場所で、
エー1:個人ばく露測定の結果を反映した防護係数の保護具を選定して着用させる
エー2:作業中の着用を監視する
エー3:年に一回以上、フィットテストを行う
エー4:1,2,3の結果を記録し3年保管する
エー5:請負事業者にも、装着すべき保護具の種類とその着用の必要性を周知する
ということです。
② 保護具着用管理責任者による作業員の教育
取り扱う化学物質の有害性やばく露の程度の他、呼吸用保護具の着用方法と日常のフィットチェック方法を教える
③ 保護具着用管理責任者によるばく露の状況の記録と呼吸用保護具の適正な保守管理
【2】呼吸用保護具の選択
①基本的な留意事項
・酸欠作業や引火性物質使用環境への配慮
・要求防護性能の順守
・有機則や特化則で定めた規制についての順守
・その他、事業者の責務に関すること、眼の保護、作業性への配慮、など
②フィットテストとシールチェックについて
・フィットテストは、機器を使って年一回以上実施する点検
・従来「フィットチェック」と言っていた日常の簡易的な漏れ確認を「シールチェック」と呼ぶようにしたようですね。
金属アーク溶接等作業を行う作業場所においては、アーク溶接告示で定める方法により、第三管理区分場所においては、第三管理区分場所告示に定める方法により、1年以内ごとに1回、定期に、フィットテストを実施しなければならないこと。
アーク溶接告示:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12725.html
JIS T8150(呼吸用保護具の選択、使用および保守管理方法)に定める方法、および同等の方法
第三管理区分場所告示https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29393.html
JIS T8150(呼吸用保護具の選択、使用および保守管理方法)に定める方法(代替法なし)
JIS T8150:
③電動ファン付呼吸用保護具(Powered Air-Purifying Respirator:PAPR)の故障時の注意
以下、後半については、次の機会に勉強したいと思います。
【3】防じん機能付き電動ファン付呼吸用保護具(P-PAPR)について
【4】有毒ガス用電動ファン付き呼吸用保護具(G-PAPR)について
【5】保守管理について
自律管理に向けての法令改正の一覧ページの紹介も併せて紹介しておきます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
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