事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
令和5年度化学物質管理に係る専門家検討会 第二回議事録 前半 [行政ニュース 化学物質管理]
令和5年度化学物質管理に係る専門家検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33388.html
第2回の議事録が8月14日に公開されていましたので、勉強してみました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34691.html
開催日は、令和5年7月18日(火) 14:00~16:15
議題は、
①濃度基準値の検討
②その他(個人ばく露測定の精度管理の仕組)
有機スズ化合物については、化学構造の似た化合物群で、基準値を決めるとしています。
その他の、「〇〇とその化合物」についても、同様に決めていくとのこと。
概ね、構造と毒性が相関しているので、そんなものかなと思いました。
ただ、濃度基準値の確認のなかで、事業者が、何のために、基準値を守るのか?、どういう毒性なのか?、どんな病気になるのか? がイメージできないと、基準値だけが独り歩きしても、ピンとこないだろうという意見がありました。
元の文献では、有機スズ化合物は中枢神経障害、脳浮腫、四肢の脱力や全身の震えを引き起こす可能性が、ラットなどで確認されており、症状としては後頭部の頭痛、鼻血、倦怠感、肩こりなど、だろそうです。中毒の初期症状を知らないと、現場での管理が難しいように思います。
有機スズの毒性https://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/osen_3.pdf
検討に関連して出た意見として、
ユーザー事業者の代表者から
①現場の準備のために、SDSの更新を早くしてほしい
②濃度基準値があることや、基準値そのものがSDSに記載されないので、ルール化して欲しい。
化学品メーカーからは、
①システム改修のための、外注先が取り合いになっており、間に合わない。
②裾切値などを検討してほしい(有機則のように)。接着剤など、微量のモノマー不純物などが、分析も必要で対応しきれない。
その他
①濃度基準値を設定するに当たって、労働者の安全を確保するという形で厳し目に設定するのはよいのですが、実は一般消費者が使っている商品に含まれる化学物質を吸い込んでいる濃度のほうが全然高いということになっていないか
②沸点が非常に低いものは、瞬間的に高濃度になる可能性があるので、排気装置の必要があることを注意喚起すべき(フロン系の化合物群での議論)
③感作性物質については、濃度基準値を適用するときに既に感作を受けた人は注意が必要ではないか?(同じで良いのか?)
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皮膚等障害化学物質への有効な保護具の選択等に関する意見交換会 [講習会情報]
皮膚等障害化学物質への有効な保護具の選択等に関する意見交換会(東京Web①)を聴講しました。
https://mhrt-r05-dermalppe.spiral-site.com/
基調講演の資料も、このページにアップされていますので
参考にしてください。
(1)皮膚等障害化学物質等の接触の防止について(仮題)
講師:厚生労働省担当官
(2)皮膚等障害化学物質の選定のための検討会での検討結果報告(仮題)
講師:独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 豊岡 達士
パネルディスカッションでは、沢山の質疑応答があり参考になりました。
議事録と答えきれなかったQ&Aについては、後日、同じサイトにアップされていますので
注目していきたいです。
【気になった意見】
CRAの結果、接触するリスクの低いケース
①万が一、飛散したときの防護
②使用する時間が短い
高価で、作業性の悪い、化学防護手袋にこだわる必要はないという意見が出されており、
厚労省・JNIOSHの方も、特に異論を唱えていませんでしたので、
注目すべき見解だと思います。
調べてみると、
保護手袋メーカー アゼアス(株)さんの
アンセル化学防護手袋 透過データには、
透過破過時間のランクで、
10分以下 推奨しない
10~60分まで 飛沫保護機能
60~240分 通常保護機能
240分以上 優れた保護機能
と、ランク付けされていますので、
参考になると思います。
ユーザー代表の立場の、最川さんのコメント
「製造元が、使い方を説明するべきであり、どんな保護手袋がよいのかを示すべき」
化学品メーカー代表の立場の、日化協 山口さんのコメント
「末端ユーザーの皆さんが、手袋を化学物質が手袋を透過するという事実をほとんど気にとめていないという実態が心配」
まとめに代えて
安衛検での提言をあげておきます。
1.保護手袋の選択や保護具使用の教育
・Group1(356物質)について、半数強について耐透過性データが確認できない状況。
・耐透過性情報がない物質については、その物質と物性(分子量、LogKow、官能基、粘性等)や液性(酸・アルカリ)が近い物質を参照したり、それらを入力して皮膚透過量を推定するアプリケーションなどを活用すれば適切に防護手袋を選択できる。
・今後、皮膚吸収物質の一覧を明示することで、保護具メーカーが保有する耐透過性データや各事業者で実施された透過性試験の結果を開示し、適切な保護具の選定に活用することで、経皮ばく露防止に努めていくことが必要。
2.皮膚吸収性有害物質に関する教育等
・皮膚吸収性有害物質Group1,2それぞれで留意すべき特徴等について、現場管理者等への教育や教材の作成が必要。
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労働安全衛生展 出張報告 [その他、労働安全関係]
労働安全衛生展 出張報告 7/27に参加しました。
30-40企業が出展。名刺交換させていただいた企業さんを紹介します。
アジアクリエイト(株) 松井様
安全体感装置と、出張講習などを紹介
https://asia-create.jp/training-center
粉じん爆発とか巻き込まれ体感とか、多種多様な装置をお持ちされています。最近は、youtube動画もありますが、実際、私も体験してみると、インパクトが違います。
感電・過電流・トラッキング安全体感装置
展示会場では、カタログにない活線の切断感電体験装置のデモを体験させていただきました。
清水建設さんの安全体験車両も有名ですね。
安全体感車「甕割号(かめわりごう)」
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2022/2022002.html
(株)モアグリップ 専務取締役 村田様
耐滑塗装の実演。塗料だけの少量販売から、工場床面の塗装請負まで。
DIYサイズでの販売は、試し塗りとかちょっとした屋内階段の滑り止めとかにお勧め
https://suvelankakumei.jp/non_slip/
しかも、骨材には、廃瓦や陶器片を破砕して使用。アップサイクルなエコロジー商品。
(株)ピカコーポレーション 部長 山川様
今年の10/1から義務化される、2t以上のトラックの荷台への昇降設備の展示
https://www.pica-corp.jp/safety/nieki.php
手すり付きの新製品を特価で展示
https://www.pica-corp.jp/products/products.php?id=505&h_cat1=6&h_cat2=24
(株)ツールマート 課長 酒井様
フォークリフト用安全対策備品の展示紹介。
フォークリフト用のドラレコやバックモニターの他、いろいろな装置を展示。
今あるフォークリフトに後付けできるのが魅力。
個人的には、「フォーク水平ランプ」が良かったな。
https://www.toolmart.jp/product/lamp/
その他
○スピード警告装置
構内の制限速度が守られているか確認したいという声に応えました。
○接近警報システム(方向検知タイプ)
フォークリフトの接近をセンサーで検知し、光と音で知らせます。
○ワーニング ラインライト2
LEDのブルーライトが床面を照射。フォークリフトの接近を知らせます。
大林グループの(株)オーク情報システム 課長 坂上様
無線通信できるWGBT計測機器を複数台、建設現場の各所に配置して、一括監視を実施。
移設も容易で、工事の進行に合わせて監視箇所を変えられるのも魅力。
ユニパルス(株) 課長 吉岡様
電動バランサーの実演展示、
重量物の負荷軽減だけでなく、加重センサーの制御で、落下事故なども防止できるとのこと。
一斗缶のアタッチメントが実演されており、傾けて注ぐこともできるようなアタッチメントも展示。アタッチメント類は、注文生産にも応じてくれるらしいです。
中小企業向けの安全対策融資「エイジフレンドリー補助金」の紹介もしていました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html
https://www.jashcon-age.or.jp/
(株)テラモト
クッション性のある床材や、クッションマットの展示。
立ち作業で疲れないとのこと
今後、大阪でも開催予定だそうですので、
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