労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
労働衛生工学過去問(R01-4-3) [労働衛生コンサルタント過去問:労働衛生工学]
労働衛生コンサルタントの筆記試験を受験される方を応援するために、過去問について、一問ずつ解いていきたいと思います。<<尚、回答例は小生の見解ですので、誤解誤答についてはコメントにてご意見を頂きたいと思います。>>
問4 図に示す局所排気装置の系統線図について、以下の設問に答えよ。
ただし、ダクトの断面は全て円形とし、空気密度は1.20 kg/m3、フード3 の必要排風量は40.0 m3/min とする。(1)、(2)及び(7)については計算過程を示せ。計算は有効数字4桁で行い、解答は4桁目を四捨五入して有効数字3桁で答えよ。(3)及び(4)の局所排気装置計算書は有効数字4桁で答えよ。
完成した計算表
(4)主ダクトと枝ダクトとの合流点(図1の6 番地)でフード1とフード2の風量は実際にはどうなるか計算書の値を基に定性的に述べよ。
(5)フード1とフード2の静圧バランスをとる方法を二つ簡潔に述べよ。
(6)静圧バランスが合うようにフード1を基準にフード2を調整した後、局所排気装置計算書①より求めたファン前後の静圧の値を用いて、ファン前後の静圧差を求めよ。
(7)同じ局所排気装置でファン排風量を現在の2倍にした場合、ファン前後の静圧差は何倍となるか。その根拠も示せ。
実は、後半の小門は、計算表が未完成でも回答できるところがポイントです。
小生の回答案
(4)静圧の差が30%ほどあるため、静圧の高い(負の値が小さい)ほうは風量が増え、静圧の低い(負の値が大きい)ほうは、抵抗が大きいため風量が下がってしまう。この問題のケースでは、フード2の風量が設計値より小さくなってしまう。
(5)過去にも何度も問われている質問。
①抵抗調節平衡法
②流速調節平衡法
方法の名前までは正確に覚えていなくても、設計排気風量を維持したままバランスを取るには、①圧損の小さいほうのダクトにダンパーを付けて圧損を増やして、静圧を揃える方法、と、②圧損の大きいほうのダクト径を大きくして圧損を減らす、あるいは、圧損の小さいほうのダクト径を小さくして圧損を上げる方法、の二つの方法があります。
但し、この問題では、風量を変更してはいけないとも書いていないので、圧損の大きいほうの風量を減らしたりするのも手段の一つです。
また、現実的には、ダクトの合流部の改良や、ベント角を緩くすることで、圧力損失を減らすなどの方法もありますので、そちらでも間違いではないと思います。
①抵抗調節平衡法
②流速調節平衡法
方法の名前までは正確に覚えていなくても、設計排気風量を維持したままバランスを取るには、①圧損の小さいほうのダクトにダンパーを付けて圧損を増やして、静圧を揃える方法、と、②圧損の大きいほうのダクト径を大きくして圧損を減らす、あるいは、圧損の小さいほうのダクト径を小さくして圧損を上げる方法、の二つの方法があります。
但し、この問題では、風量を変更してはいけないとも書いていないので、圧損の大きいほうの風量を減らしたりするのも手段の一つです。
また、現実的には、ダクトの合流部の改良や、ベント角を緩くすることで、圧力損失を減らすなどの方法もありますので、そちらでも間違いではないと思います。
(6)悩ましい問題設定ですが、冷静に考えるとフード1が基準であれば、局排装置計算書①には、変更が無いので、そのままの数値でファン前後の静圧差を変えてもOKですね。
83Pa-(-617Pa)=700Pa
これも、局排装置設計書が書けてなくても回答できる問題ですね。
(7)排風量を2倍にすると、流速が二倍になります。
速度圧は4倍になり、静圧差も4倍になります。
速度圧は4倍になり、静圧差も4倍になります。
真面目に計算間違いを気にして慎重に解くより、問題全体を読んで「書けるところは書いてしまう!」という受験テクニックも役立つと思われます。
沼野先生の本で、みっちり勉強しましょう。
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