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労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
 
労働衛生工学(記述式)過去問【更新】R04分追加完了
健康管理(記述式)過去問R03分まで[R04分連載開始]
 
労働衛生工学:記述式の出題ポイント 索引【更新】
(各種労働衛生関係の講習会での修了テスト問題から編集)
  

事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。

 
口述試験:衛生工学の情報のまとめ(クリックすると開きます)
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。

発がん性の分類について [労働衛生工学 出題ポイント]

「有害因子による発がん性」のリスク評価は、記述式試験の「労働衛生工学」「健康管理」の両方で、良く出題される分野です。今日は化学物質のSDSなどに記載されている発がん性の区分(発がん性物質の有害性区分:以下、発がん性区分と略しています)について整理してみたいと思います。
 
事業者向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0) page224
発がん性区分.jpg 
JISの区分は、国連GHSの区分と同じだそうです。
国連GHS分類による発がん性区分
区分 1
  1) ヒトに対する発がん性が知られている又は恐らく発がん性がある。 区分 1 への化学物質の分類は、疫学的データ又は動物データを基に行う。 個々の化学物質は、更に区分 1A 又は区分 1B に区別してもよい。
  区分1A ヒトに対する発がん性が知られている化学物質。
主としてヒトでの証拠によって区分 1A に分類する。
  区分1B ヒトに対して恐らく発がん性がある化学物質。
主として動物での証拠によって区分 1B に分類する。
区分2 ヒトに対する発がん性が疑われる。
ヒト又は動物での調査から限られた証拠があるが、それが確実に区分 1 に分類するには不十分な場合
 
分類を決定するために参照する情報源としては、
WHO 国際がん研究機関(IARC)、
EU CLP 分類、
米国国家毒性プログラム(NTP)、
日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告」発がん物質、
ACGIH“TLVs And BEIs”発がん性注記、
米国 EPA Integrated Risk Information System(IRIS)、
ドイツ DFG “List of MAK and BAT Values”発がん性注記
などがあります。
発がん性分類比較.jpg
 
各種機関の発がん性区分の比較
国連
GHS
日本産業
衛生学会
IARC ACGIH 厚労省の
有害性評価
1A A1 ヒトに対する発がん性が
知られている
1B 2A 2A A2 ヒトに対しておそらく
発がん性がある
2B 2B A3 ヒトに対する発が
ん性が疑われる
試験に出そうなのは、GHS、IARC、産業衛生学会、ACGIHくらいでしょうか。
分類のポイントは
①分類の考え方は、発がん性の強さ(量や確率)などではなく、発がん性の根拠となる情報の確からしさで決めているということ。
②根拠情報には、人における発がん事例動物実験での結果発がん性のメカニズム、などについて、実験内容なども含めた情報の確からしさを確認して採用する。
といった点だと思います。
参考までに、IRCAの発がん性区分について、もう少し詳しい説明を表にしておきます。
IARC
Group 1: Carcinogenic to humans
Group 2A: Probably carcinogenic to humans
Group 2B: Possibly carcinogenic to humans
Group 3:
Not classifiable as to carcinogenicity to humans
 
グループ 疫学的証拠 動物実験 その他の
証拠
判定
十分 ーー ーー
Carcinogenic
ーー 十分 人でのテータ
2A
限定的 十分 ーー
Probably
Carcinogenic
限定的 ーー 十分
ーー
十分
人でのデータ
メカニズム情報
2B
限定的 ーー ーー
Possibly
Carcinogenic
ーー
十分 ーー
ーー その他の十分な証拠
ーー 十分 人での証拠がない
Not Classifiable
上記以外の場合
 
 
 
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