労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案 [法令・通達情報※保健衛生]
「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案」が公表されました。いろいろと報道でも流れていますが、検討中のコメントの記憶が残っていたりして混乱しがちなので、一度、整理して理解したいと思います。
先ずは、新型コロナ感染症の位置づけについて、
『新型コロナウイルス感染症を「新型インフルエンザ等感染症」として位置付け、同感染症に係る措置を講ずることができること』
「もっとさっさと見直しておけばよかったのに」と言うことで、今更といった感じもありますね。
ところが、一番引っかかったのは、感染症法の改正が一緒に盛り込まれていることです。
先ずは、新型コロナ感染症の位置づけについて、
『新型コロナウイルス感染症を「新型インフルエンザ等感染症」として位置付け、同感染症に係る措置を講ずることができること』
「もっとさっさと見直しておけばよかったのに」と言うことで、今更といった感じもありますね。
ところが、一番引っかかったのは、感染症法の改正が一緒に盛り込まれていることです。
新型コロナ対策に関して、「新型インフルエンザ特措法を持って対応する」というのは良いと思いますが、感染症法の改正を行おうとしているのは、「もう少し時間をかけて議論してください」と言いたいです。(感染症法=正式名称は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律。)
先ず「宿泊療養・自宅療養」について、
『宿泊療養・自宅療養の協力要請規定を新設する。また、検疫法上も、宿泊療養・自宅待機その他の感染防止に必要な協力要請を規定する』とあります。
感染症法で、この枠組みが必要なのか良く議論して欲しいと思います。
さらに問題は、入院勧告について、
『入院勧告・措置の見直し
○ 新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち厚生労働大臣が定めるものについて、入院勧告・措置の対象を限定することを明示する。
○ 入院措置に応じない場合又は入院先から逃げた場合に罰則を科することとする』
これを、特措法ではなく、感染症法の部分で改正するのは、やりすぎではないかと思いますが。国会で野党さんがちゃんと議論してくれるのかどうか。
挙句の果てに
『積極的疫学調査の実効性確保のため、新型インフルエンザ等感染症の患者等が質問に対して正当な理由がなく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は正当な理由がなく調査を拒み、妨げ若しくは忌避した場合に罰則を科する』
とか
『緊急時、医療関係者・検査機関に協力を求められること、正当な理由なく応じなかったときは勧告、公表できることを規定する。』とか。
法令の検討委員会にも、医療機関の代表の方がいらしたと思いますが、特措法の改正と感染症法の改正を混ぜこぜにしてしまうと、【どさくさに紛れて】感がMAXです。
一方、新型インフルエンザ特措法の改正の中身は、
『① 特定の地域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるまん延を防止するため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更等の要請、要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料を規定する。
② 緊急事態宣言中に開設できることとされている「臨時の医療施設」について、政府対策本部が設置された段階から開設できることとする。
③ 緊急事態宣言中の施設の使用制限等の要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料を規定する。
④ 事業者及び地方公共団体に対する支援
○ 国及び地方公共団体は、事業者に対する支援に必要な財政上の措置、医療機関及び医療関係者に対する支援等を講ずるものとする。
○ 国は、地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。
⑤ 差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定を設ける。
⑥ 新型インフルエンザ等対策推進会議を内閣に置くこととする。』
ということで、今行っていることの法的裏付けや、法的な強化にとどまっています。
唯一もっと早く着手しておいてほしかったのは、【臨時の医療施設】の設置ですね。
新型コロナ対策で、諸外国が実施しているのに、何故日本が実施できていないのか、ず~っと疑問でしたが、これで、さっさと医療機関を立ち上げていれば、重症化病床不足もここまで深刻にならなかったのではないかと思います。
菅内閣もとっとと変わって欲しいですね。
緊急時には、政策に間違いもあるかもしれないけど、専門家の意見を聞いて間違いと分かったらすぐに修正していくスピード感がなさすぎ。
箱を大きく作り過ぎて、修正が効かないのも何とかして欲しいですね。
先ず「宿泊療養・自宅療養」について、
『宿泊療養・自宅療養の協力要請規定を新設する。また、検疫法上も、宿泊療養・自宅待機その他の感染防止に必要な協力要請を規定する』とあります。
感染症法で、この枠組みが必要なのか良く議論して欲しいと思います。
さらに問題は、入院勧告について、
『入院勧告・措置の見直し
○ 新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち厚生労働大臣が定めるものについて、入院勧告・措置の対象を限定することを明示する。
○ 入院措置に応じない場合又は入院先から逃げた場合に罰則を科することとする』
これを、特措法ではなく、感染症法の部分で改正するのは、やりすぎではないかと思いますが。国会で野党さんがちゃんと議論してくれるのかどうか。
挙句の果てに
『積極的疫学調査の実効性確保のため、新型インフルエンザ等感染症の患者等が質問に対して正当な理由がなく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は正当な理由がなく調査を拒み、妨げ若しくは忌避した場合に罰則を科する』
とか
『緊急時、医療関係者・検査機関に協力を求められること、正当な理由なく応じなかったときは勧告、公表できることを規定する。』とか。
法令の検討委員会にも、医療機関の代表の方がいらしたと思いますが、特措法の改正と感染症法の改正を混ぜこぜにしてしまうと、【どさくさに紛れて】感がMAXです。
一方、新型インフルエンザ特措法の改正の中身は、
『① 特定の地域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるまん延を防止するため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更等の要請、要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料を規定する。
② 緊急事態宣言中に開設できることとされている「臨時の医療施設」について、政府対策本部が設置された段階から開設できることとする。
③ 緊急事態宣言中の施設の使用制限等の要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料を規定する。
④ 事業者及び地方公共団体に対する支援
○ 国及び地方公共団体は、事業者に対する支援に必要な財政上の措置、医療機関及び医療関係者に対する支援等を講ずるものとする。
○ 国は、地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。
⑤ 差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定を設ける。
⑥ 新型インフルエンザ等対策推進会議を内閣に置くこととする。』
ということで、今行っていることの法的裏付けや、法的な強化にとどまっています。
唯一もっと早く着手しておいてほしかったのは、【臨時の医療施設】の設置ですね。
新型コロナ対策で、諸外国が実施しているのに、何故日本が実施できていないのか、ず~っと疑問でしたが、これで、さっさと医療機関を立ち上げていれば、重症化病床不足もここまで深刻にならなかったのではないかと思います。
菅内閣もとっとと変わって欲しいですね。
緊急時には、政策に間違いもあるかもしれないけど、専門家の意見を聞いて間違いと分かったらすぐに修正していくスピード感がなさすぎ。
箱を大きく作り過ぎて、修正が効かないのも何とかして欲しいですね。
またまた、アスベスト含有製品の流通です。 [法令・通達情報※保健衛生]
先日の、((株)堀木工所)さん、(株)カインズさんに続いて、今度はニトリさんからも石綿含有製品が流通したというニュースです。240万点回収というから大事ですね。
疑わしいことが確定したものだけでなく、現在調査中の製品もあえて公表するところは、業界大手としてよく考えた結果だと思いますね。
家にも、一つや二つ類似の商品はあるので、破損しないように補完ですね。夏場によく使うモノなので、寒い時期に判ったのは不幸中の幸いかも。
○ 調査中の製品をお持ちの方は、調査結果が出るまでお待ちください。
○ 固形のバスマットやコースターについては、通常の使い方で使用している限りは石綿(アスベスト)が飛散するおそれはなく、健康上の問題を生じさせるおそれはありません。
しかしながら、削ったり割ったりした場合など破損したときには飛散するおそれがありますので、調査中の製品をお持ちの方も含め、破損しないようにお願いします。
○ もしすでに破損しているなどでご心配な場合は、ビニール等に入れ、テープ等でしっかりと封をして、回収又は調査結果が出るまで保管してください。
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珪藻土バスマットで検索すると、amazonさんにも沢山。
各メーカーさん、販売店さんは、必死で調査中かも。
アイリスオーヤマ 珪藻土 バスマット Lサイズ シンプル 吸水 速乾 清潔 消臭 防カビ 抗菌 洗濯不要 足ふきマット 珪藻土バスマット 約60×39cm SKBM-6039
- 出版社/メーカー: アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
- メディア: ホーム&キッチン
冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法 [法令・通達情報※保健衛生]
厚労省から「冬場における「換気の悪い密閉空間」 を改善するための換気について」が公表されています。
季節を問わず、新型コロナウイルス対策には、 こまめな換気が重要です。冬本番を迎え、 寒さと換気に折り合いがつかないことが多いと思います。 室温が下がりすぎないよう、 上手に換気に取り組む必要があります。
冬場における「換気の悪い密閉空間」 を改善するための換気の方法について(11月27日)
その他、換気に関する資料等は下記URLを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/ covid-19/kansenkakudaiboushi- iryouteikyou.html#h2_6
冬場における「換気の悪い密閉空間」
その他、換気に関する資料等は下記URLを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/
時間換気30m3を目安として換気し、設定どおり換気できているかどうかの指標にCO2濃度を用いることが出来るという提案になっていて、面白いと思いました。
換気のみで感染予防になるわけではないということを強調しつつも、マスクや密集防止などの他の予防策と一緒に実施することで、良好な換気の状況の指標になるいうことです。(参考資料)の冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法についての4ページ目に「英国政府の緊急時科学助言グループ(SAGE)の環境モデリンググループ(EMG)」の提言が詳細に記載されています。
感染拡大が進んで不安な毎日ですので、少しでも安心させてくれる信頼できる情報が欲しいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。 下記のリンクをポチっとクリックして頂けると更新の励みになります。
企業内診療所の変更許可届出事項について [法令・通達情報※保健衛生]
とある経緯で、企業内診療所の変更許可と届出について整理する必要が出来ましたので、医療法、医療法施行令、医療法施行規則の該当部分を読み込んでみました。
まずは、根拠法令の該当箇所をまとめました。
まずは、根拠法令の該当箇所をまとめました。
詳細は、施行規則を参照することになりました。
企業内診療所の変更許可の必要な事項で気を付けないといけないのは、⑤開設の目的の変更(従業員以外の診療行為などへの変更)⑪診療所の建物内の変更(間取り・場所)→平面図、⑫エックス線などの設備の新設・増設や変更、という風に思います。ご参考になれば幸いです。
web産業医面談等についての留意事項の通達 [法令・通達情報※保健衛生]
昨日11/24、通達webに「情報通信機器を用いた面接指導の実施に係る留意事項(基発 1119第2号:令和2年11月19日)」が公開されました。
平成27年の通達の改訂版ですが、産業医面談などにてweb面談を用いる場合の留意事項となっています。
【1】面談する医師については、事業者が、事業内容・業務内容・作業環境等に関する情報に加えて、対象労働者の業務内容、労働時間等の勤務状況・作業環境等に関する情報を提供する以外に、下記の条件の医師であることが好ましいとしています。
①産業医、
②事業所の健康管理の業務の契約、
③対象事業所の巡視実績、
④対象労働者との面談の実績
【2】面談に使用する設備は、
①相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるもの
②映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑
③セキュリティ(不正アクセス防止)
④簡単な操作
【3】web面談を行うことに関して
①衛生委員会にて調査審議を行って、事前に労働者に周知していること
②労働者のプライバシーに配慮していること
が求められています。
【4】最後に、『面談の結果緊急に対応する必要があった際に、対応できる保健師などの体制の整備』が謳われています。
①産業医、
②事業所の健康管理の業務の契約、
③対象事業所の巡視実績、
④対象労働者との面談の実績
①相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるもの
②映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑
③セキュリティ(不正アクセス防止)
④簡単な操作
①衛生委員会にて調査審議を行って、事前に労働者に周知していること
②労働者のプライバシーに配慮していること
が求められています。
在宅勤務が定着してきていますので、こういったケースが増えてきているのだろう思います。留意事項の【3】【4】は、見落としがちな観点ですね。
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