事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
心理的負荷による精神障害の認定基準に係る運用上の留意点について [法令・通達情報※労働衛生]
心理的負荷による精神障害の認定基準に係る運用上の留意点について
先日改定された「心理的負荷による精神障害の認定基準」について、運用上の留意点が、発出されています。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T230904K0040.pdf
専門家会議の報告書も併せて吟味するようにとのことです。
変更の理由や、変更ポイントが詳しく説明されています
別紙1には、具体的事例の改定前後の対比があり、どこがどこに統合されたのかが分かりやすくなっています。
別紙2には、「業務による心理的負荷評価表に基づく心理的負荷の 強度の判断に当たっての留意事項」として、具体的事件ごとに例を挙げて、変更の内容や趣旨が説明されているので、判断基準の理解や、判断の助けになるものと思われます。
別紙3には、「複数の出来事があり業務による心理的負荷が強いと評価される例」として、事例が二つ示されています。評価の例として参考になるのではないかと思います。
<参考文献>
基補発0901第1号
https://www.mhlw.go.jp/content/001140932.pdf
令和5年9月1日付け基発0901 第2号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140929.pdf
改正概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140928.pdf
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心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正 [法令・通達情報※労働衛生]
心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正
表記の情報が厚労省から発出されています。
心理的要因に
①カスタマーハラスメント
②感染症等の病気や事故の危険性が高い業務
が追加されたのが大きい変更点ですね。
6か月以内に「特別な出来事」がなくても、業務における心理的負荷が認められるのも
重要なポイントかも。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34888.html
【認定基準改正のポイント】
1.業務による心理的負荷評価表※の見直し
・具体的出来事「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)を追加
・具体的出来事「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を追加
・心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」となる具体例を拡充(パワーハラスメントの6類型すべての具体例の明記等)
※ 実際に発生した業務による出来事を、同表に示す「具体的出来事」に当てはめ負荷(ストレス)の強さを評価
2.精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し
・悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める
3.医学意見の収集方法を効率化
・専門医3名の合議により決定していた事案について、特に困難なものを除き1名の意見で決定できるよう変更
資料2 心理的負荷による精神障害の認定基準について[450KB]
資料3 「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」報告書[1.4MB]
9/4 関連通知を追加します
心理的負荷による精神障害の認定基準について(令和5年9月1日基発0901第2号)(PDF,450KB) 【労働基準局補償課職業病認定対策室 労働者災害補償保険法関係】
心理的負荷による精神障害の認定基準に係る運用上の留意点について(令和5年9月1日基補発0901第1号)(PDF,651KB) 【労働基準局補償課職業病認定対策室 労働者災害補償保険法関係】
精神障害による自殺の取扱いについて(平成11年9月14日基発第545号)(PDF,52KB) 【労働基準局補償課職業病認定対策室 労働者災害補償保険法関係】にほんブログ村
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表示通知対象物質の削除に関する政令の発出 [法令・通達情報※労働衛生]
令和5年度化学物質管理に係る専門家検討会 第三回資料:その(2) [行政ニュース 化学物質管理]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33388.html
第3回の資料が公開されていましたので、勉強してみました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34842.html
開催日は、令和5年8月28日(月)
議題は、
(1) 濃度基準値の検討
(2) 濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について
(3) 個人ばく露測定の精度管理について
でした。
今日は、「(2) 濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について 」を見ています。
「濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について」
これまでのように、国が細かく決めるのではなく、リスク評価書に、提案されている方法から、事業者が選んで、検証して使うということのようです。
資料5-2:令和4年度濃度基準値設定物質に係る測定法個票案 (例:アセチルサリチル酸)
資料5-3:令和4年度濃度基準値設定物質に係るリスク評価書 (例:アセチルサリチル酸)
濃度基準値設定候補物質に係る測定法について、安全衛生総合研究所に設置された濃度基準値設定候補物質の測定法選定WGにおける測定法の評価内容を踏まえ、測定法を選定・提案することとなり、その基準が示された。
① 測定範囲が現在のOELの1/10から2倍の範囲をカバーすること
② OELの1/10の濃度で捕集剤からの脱着率や添加回収率が75%より良好であること
③ 捕集試料の冷蔵時の保存安定性が90%を超えること、または溶液試料としてその値を確保できることが推測されること
④ OELの2倍の濃度で破過なく測定できる条件があること 以上の項目のうち、3~4項目について定量的なデータのある方法は、原則として採用する。
c. 定量的なデータが不足していても、同様の測定法を用いる他の物質において測定法の検証がされている場合又は測定法の検証実験が行われている場合には、コメントを付して採用する。
d. 従来、作業環境測定において使用されることが少ない、前処理に誘導体化を用いる方法、クロマトグラフによる分離法と金属分析を組み合わせる方法も、コメントを付して測定法として採用する。
e. 従来、作業環境測定においてガスクロマトグラフ法の検出器として使用されている、電子捕獲型検出器(ECD)や炎光光度計(FPD)は採用する。質量分析計に置き換える際は、測定者が各自の作業環境に適合する方法を検証する。質量分析計による分析事例があれば参考文献として記載する。
f. 常温で気体であるような物質で特に測定法が示されていない場合、不活性プラスチックバッグによる捕集方法やキャニスターによる捕集方法、また、連続測定が可能なセンサーを利用する方法であっても、コメント付きで採用する。
g. 常温で気体と液体、気体と固体、使用法を考慮してミストと混合ばく露するような物質については、相補型捕集やIFVサンプラーを使用することになるが、IFVについては検証法が確立していないため、少なくとも相補型で捕集するコメント付きで提案する。
h. 試料の保存安定性は、実験が実施されていないことが多いが、他の項目の検証がなされている場合には、なるべく早く分析する等のコメント付きで採用する。なお、安定な粒子状物質については保存安定性の評価がなされていなくても許容する。
令和5年度化学物質管理に係る専門家検討会 第三回資料 [行政ニュース 化学物質管理]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33388.html
第3回の資料が8月28日に公開されていましたので、勉強してみました。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34842.html
開催日は、令和5年8月28日(月)
議題は、
(1) 濃度基準値の検討
(2) 濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について
(3) 個人ばく露測定の精度管理について
です。
濃度基準値については、前回、時間切れだった、スズ化合物の残りの7物質について
および、追加の12物質について、議論されています。
有機スズ化合物の哺乳類に対する有害性はアルキル基の種類及びその数により毒性が異なるとの知見から、令和5年度対象物質についてモノブチル-、ジブチル-、トリブチル-、トリフェニル-、テトラブチルとして評価した。なお、ジブチルスズ化合物はその有害性が最も高いと判断したジブチルスズクロリドの文献を基に濃度基準値を検討した。 とのことで、
スズ化合物の残りの7物質について0.1ppmに濃度基準値が提案されています。
その他の 種については、イソシアネート系の物質などの呼吸器への感作性が強いため、0.005mg/m2など、基準値がかなり低いです。
また、今回、議論された物質は、蒸気圧が低いので、空気中の粉じん(ミスト)と、ガス成分の両方の合計を計測する必要があり、その旨の測定法を使うような注意が必要とのことです。
(労働衛生コンサルタントの試験にも、こんな化合物の問題がでたのを思い出しますね)
無水マレイン酸 CAS108-31-6 八時間濃度基準値 : 0.08 mg/m3
1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物(無水トリメリット酸)CAS552-30-7 八時間濃度基準値 : 0.0005 mg/m3 短時間濃度基準値 : 0.002 単位: mg/m3
ヘキサメチレン=ジイソシアネート(HDI)CAS822-06-0 八時間濃度基準値 : 0.005ppm
ここまでは、呼吸器感作性や喘息を引き起こすので、基準値がかなり低いですね。
ジシクロペンタジエン CAS77-73-6 八時間濃度基準値 :0.5ppm
りん酸トリ-n-ブチル CAS126-73-8 八時間濃度基準値 :0.5ppm
O-エチル=O-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアート(別名:EPN)CAS2104-64-5 八時間濃度基準値 :0.1ppm
六塩化ブタジエン CAS87-68-3 八時間濃度基準値 :0.01ppm
プロピレングリコールモノメチルエーテル CAS107-98-2 八時間濃度基準値 :50ppm
ジエチルアミン CAS109-89-7 八時間濃度基準値 : 5 ppm
短時間濃度基準値 : 15 ppm
ノルマル-ヘプタン CAS 142-82-5 八時間濃度基準値 : 500 ppm
2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル(別名:エンフルラン)
CAS 13838-16-9 八時間濃度基準値 : 20 ppm
今までは、ヘキサンだけが有機則対象だったけど、
今年度の予定では、ヘプタンとペンタンに、濃度基準値が設定されますね
石油エーテルとかにも混じっているので、気にせず使っている現場とか多そうだから心配です。
エンフルランは、麻酔薬だけど、2008年には、使用禁止になっています。
まだ、どこか別の用途で使っているのかな?
R5年度濃度基準値設定予定の物質
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001103907.pdf
今日は、ここまで。
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