労働衛生コンサルタントの過去問や、労働安全衛生・環境関係の法令改正情報を綴っています。
事業運営のための衛生工学知識を深め、また、労働衛生コンサルタントを目指す方の参考になるよう、衛生工学の知識と新しい法令の告知情報を中心に記載していきます。
環境計量士の資格から、順番に、労働衛生コンサルタントに繋がったので、環境関連の話題も載せています。
変異原性が認められた物質の新規追加(15物質) [法令・通達情報※労働衛生]
第142回労働政策審議会安全衛生分科会にて、 いくつかの法令改正案が審議されましたので、 順番に紹介しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/ newpage_22704.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/
内容は、
(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)石綿障害予防規則等の一部を改正する省令等の一部を改正する省令案 要綱について(諮問)
(3)建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について
(4)新規化学物質の有害性調査結果について
今日は最後の (4)新規化学物質の有害性調査結果について、です。
令和2年12月25日から令和3年11月25日までに官報に名称が公表された新規化学物質のうち、
◎学識経験者に意見を求めた新規化学物質は、751物質
うち
①届出事業者に対し、健康障害防止措置の勧告が必要なもの・・・該当なし
②変異原性が認められると判定された物質・・・15物質変異原性が認められた届出物質(15物質)
(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)石綿障害予防規則等の一部を改正する省令等の一部を改正する省令案 要綱について(諮問)
(3)建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について
(4)新規化学物質の有害性調査結果について
今日は最後の (4)新規化学物質の有害性調査結果について、です。
令和2年12月25日から令和3年11月25日までに官報に名称が公表された新規化学物質のうち、
◎学識経験者に意見を求めた新規化学物質は、751物質
うち
①届出事業者に対し、健康障害防止措置の勧告が必要なもの・・・該当なし
②変異原性が認められると判定された物質・・・15物質変異原性が認められた届出物質(15物質)
②については、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」にそって、
これらの化学物質の製造、取り扱い作業に関し、事業者が
①作業環境管理・作業管理、
②作業環境測定、
③労働衛生教育、
④危険有害性等の表示等
を実施し、これら物質のばく露による労働者の健康障害を防止する必要があります。
指針による義務ですので、努める必要があるだけですが、作業環境測定結果や作業記録の保管は30年なので、事業所として組織的に活動する必要があります。
今回追加された15物質は、あまり広く使われている物質ではなさそうで、身近な製品に使われてはいないようです。とはいえ、届出した事業者さんにとっては、大事ですね。
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験
【製本版+ebook版】【ICH M7 変異原性不純物(品質パート)】パージファクター活用(スコアリングと判定基準)及びニトロソアミン類のリスク評価
- 出版社/メーカー: サイエンス&テクノロジー
- 発売日: 2021/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
変異原性試験Q&A―厚生省医薬品毒性試験法ガイドラインに基づく
- 出版社/メーカー: サイエンティスト社
- 発売日: 1992/04/15
- メディア: 単行本
アスベスト訴訟の最高裁判決を受けた石綿則改正についての議論**労働政策審議会安全衛生分科会** [法令・通達情報※労働衛生]
第142回労働政策審議会安全衛生分科会にて、 いくつかの法令改正案が審議されましたので、 順番に紹介しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/ newpage_22704.html
内容は、
(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)石綿障害予防規則等の一部を改正する省令等の一部を改正する省令案 要綱について(諮問)
(3)建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について
(4)新規化学物質の有害性調査結果について
今日は、(3)建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について、です。
タイトルでは背景や目的が判りにくいですが、
第140回労働政策審議会安全衛生分科会の資料2の「最高裁判決を受けた対応について」を要約すると、https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000841259.pdf
①一人親方等の安全衛生対策、有害性の警告表示の義務付け、集じん機付き電動工具の使用義務付けについて、検討が必要
②最高裁判決で示された、「安衛法第22条、第57条の保護対象は労働者に限定されない」という考え方を受けて、物の危険性や場所の危険性という点に着目して、特に労働者に限定して義務付けられているものを、どのように見直すかということの議論が必要
ということがポイントのようです。
確かに、電離則や有機則などの一部の規制(立ち入り禁止など)は、従事する労働者だけで無く、そのハザードに暴露されることのが無いように対象範囲を限定していない条項もあり、一般的に納得できるものも多いですね。
このような背景や経緯でもって、法の保護の対象範囲は、直接雇用の労働者以外にどこまで広げるべきか、その際、保護の措置の実施者と実施内容とは、どのように定めるべきか?
という議論が始まっています。
元請けが何処までやるのか、請負人がどこまでやるのか、
実効性のある対策が実施できるよう、特に個人事業主に過度な負担が掛からないように、また、直接従事しない作業者や家族への措置をどこまでにするのか?
などなど、
今後の議論が待たれます。
元請けと請負人分担の見直し案が一部提案されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/
内容は、
(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)石綿障害予防規則等の一部を改正する省令等の一部を改正する省令案 要綱について(諮問)
(3)建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について
(4)新規化学物質の有害性調査結果について
今日は、(3)建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた対応について、です。
タイトルでは背景や目的が判りにくいですが、
第140回労働政策審議会安全衛生分科会の資料2の「最高裁判決を受けた対応について」を要約すると、https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000841259.pdf
②最高裁判決で示された、「安衛法第22条、第57条の保護対象は労働者に限定されない」という考え方を受けて、物の危険性や場所の危険性という点に着目して、特に労働者に限定して義務付けられているものを、どのように見直すかということの議論が必要
ということがポイントのようです。
確かに、電離則や有機則などの一部の規制(立ち入り禁止など)は、従事する労働者だけで無く、そのハザードに暴露されることのが無いように対象範囲を限定していない条項もあり、一般的に納得できるものも多いですね。
このような背景や経緯でもって、法の保護の対象範囲は、直接雇用の労働者以外にどこまで広げるべきか、その際、保護の措置の実施者と実施内容とは、どのように定めるべきか?
という議論が始まっています。
元請けが何処までやるのか、請負人がどこまでやるのか、
実効性のある対策が実施できるよう、特に個人事業主に過度な負担が掛からないように、また、直接従事しない作業者や家族への措置をどこまでにするのか?
などなど、
今後の議論が待たれます。
元請けと請負人分担の見直し案が一部提案されています。
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験
石綿障害予防規則等の一部改正(船舶の解体改修工事を調査報告対象に追加) [法令・通達情報※労働衛生]
第142回労働政策審議会安全衛生分科会にて、 いくつかの法令改正案が審議され、 改正の答申が出されましたので、順番にご紹介したいと思います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/
内容は、
(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(
(2)
(3)
(4)新規化学物質の有害性調査結果について
今日は二つ目の(2) 石綿障害予防規則等の一部を改正する省令等の一部を改正する省令 案についてです。
ポイントは、船舶の解体・改修工事を、 石綿使用有無の事前調査の報告対象に加えることです。
建物以外にも、変電設備などが報告対象になっていますが、 そこに船舶が加わったと言うことですね。 船舶にもアスベストが使われていたというのは知りませんでした。 海外建造のものとかは、 国によってアスベスト使用禁止の時期が異なったりするので、 調査が大変かもしれません。
尚、公布はR4年1月ですが、施行については、 他の設備と同じ時期で
報告義務 令和4年4月1日
調査者の資格者への限定 令和5年4月1日
となっています。
改正答申の概要
https://www.mhlw.go.jp/stf/ newpage_22782.html
1. 総トン数が20トン以上の船舶に係る解体工事又は改修工事を労働 基準監督署への報告の対象とすること。
2. 船舶に係る事前調査については、 適切に当該調査を実施するために必要な知識を有する者として厚生 労働大臣が定めるものに行わせなければならないこととすること。
3. 1の改正及び電子情報処理組織を利用して報告を行うため、 事前調査結果等の報告様式について所要の改正を行うこと。
4.令和4年1月中旬(予定)に公布、公布の日に施行
※1~3については、「 石綿障害予防規則等の一部を改正する省令」( 令和2年厚生労働省令第134号。1, 3関係は令和4年4月1日施行、 2関係は令和5年10月1日施行)の改正であるため、 本省令自体は公布日施行だが、 実際に改正規定が施行されるのは1及び3については令和4年4月 1日、2については令和5年10月1日。
ポイントは、船舶の解体・改修工事を、
建物以外にも、変電設備などが報告対象になっていますが、
尚、公布はR4年1月ですが、施行については、
報告義務 令和4年4月1日
調査者の資格者への限定 令和5年4月1日
となっています。
改正答申の概要
https://www.mhlw.go.jp/stf/
1. 総トン数が20トン以上の船舶に係る解体工事又は改修工事を労働
2. 船舶に係る事前調査については、
3. 1の改正及び電子情報処理組織を利用して報告を行うため、
4.令和4年1月中旬(予定)に公布、公布の日に施行
※1~3については、「
以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。 下記のリンクをポチっとクリックして頂けると更新の励みになります。
にほんブログ村
資格・スキルアップランキング
にほんブログ村
資格・スキルアップランキング
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験
実務ですぐ役立つ! これだけは知っておきたい 建築物のアスベスト対策
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 2021/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
労働安全衛生規則等の一部改正(医師の長時間労働における産業医面談について) [法令・通達情報※労働衛生]
労働安全衛生規則等の一部改正( 医師の長時間労働における産業医面談について)
第142回労働政策審議会安全衛生分科会にて、https://www.mhlw.go.jp/stf/
内容は、
(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(
(2)
(3)
(4)新規化学物質の有害性調査結果について
最初は、(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案です。
内容は、医師の長時間労働に関する産業医面談について、
医師には時間外労働の上限特例が規定されていますが、労働基準法の36条協定に、時間外労働が月100時間以上の医師に対する面接指導の規定を盛り込むことが検討されています。
一方、医師に関わらず、安衛法では、実際の時間外労働が月80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる場合には、事業者が同法に基づく面接指導を行うことが定められています。
労基則に基づく面接指導と、安衛法に基づく面接指導とが、整合性を取って実施されるよう、以下の改定を行うことが答申されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22693.html
改正案
労働安全衛生法(以下「安衛法」という。)に基づく面接指導の対象となる労働者として、当分の間、労働安全衛生規則(以下「安衛則」という。)第52条の2に規定するもののほか、時間外労働が月100時間以上となることが見込まれる医師(以下「面接指導対象医師」という。)のうち、労働基準法施行規則に基づく面接指導(※)を受け、かつ安衛法第66条の8第2項ただし書に規定する事業者の指定した医師以外からの面接指導を受けた結果を証明する書面の提出があった者以外の者を加えること。
すっごく判りにくいですが、要するに、過労働が100時間を超える見込みの医師であって、すでに面接指導を受けていない医師は、面接指導の結果を証明書を提出が無ければ、産業医面談させなければいけなくなります。(疲労の蓄積が認められているか否かに関わらず)
さらに、面接指導の結果の記録には、面接指導対象医師の睡眠の状況を追加すること
となり、疲労の蓄積が認められるがどうかを、睡眠の状況で確認・記録担保しようとしています。
医師には時間外労働の上限特例が規定されていますが、労働基準法の36条協定に、時間外労働が月100時間以上の医師に対する面接指導の規定を盛り込むことが検討されています。
一方、医師に関わらず、安衛法では、実際の時間外労働が月80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる場合には、事業者が同法に基づく面接指導を行うことが定められています。
労基則に基づく面接指導と、安衛法に基づく面接指導とが、整合性を取って実施されるよう、以下の改定を行うことが答申されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22693.html
改正案
労働安全衛生法(以下「安衛法」という。)に基づく面接指導の対象となる労働者として、当分の間、労働安全衛生規則(以下「安衛則」という。)第52条の2に規定するもののほか、時間外労働が月100時間以上となることが見込まれる医師(以下「面接指導対象医師」という。)のうち、労働基準法施行規則に基づく面接指導(※)を受け、かつ安衛法第66条の8第2項ただし書に規定する事業者の指定した医師以外からの面接指導を受けた結果を証明する書面の提出があった者以外の者を加えること。
すっごく判りにくいですが、要するに、過労働が100時間を超える見込みの医師であって、すでに面接指導を受けていない医師は、面接指導の結果を証明書を提出が無ければ、産業医面談させなければいけなくなります。(疲労の蓄積が認められているか否かに関わらず)
さらに、面接指導の結果の記録には、面接指導対象医師の睡眠の状況を追加すること
となり、疲労の蓄積が認められるがどうかを、睡眠の状況で確認・記録担保しようとしています。
医療従事者の健康問題や、労働環境は、コロナ渦で逼迫していますので、喫緊で解決しなければいけない課題だと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。 下記のリンクをポチっとクリックして頂けると更新の励みになります。
にほんブログ村
資格・スキルアップランキング
にほんブログ村
資格・スキルアップランキング
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験
【試行版】化学物質管理に関する社内安全衛生教育用動画(eラーニング) [講習会情報]
【試行版】化学物質管理に関する社内安全衛生教育用動画(eラーニング)特設サイトのご案内
来年2月末まで、試行版で公開された後、改良されて本番公開となるとのことです
少し覗いてみては如何でしょうか?
■■■■■■eラーニングの概要■■■■■■
■対象:化学物質の取り扱うすべての労働者の方々向けです。
なお、教育資料4,5,8は化学物質管理者、職長など中級、 上級者の方向けです。
■プログラム:
【教育資料01】『職場で化学物質を安全に取り扱うために!』
【教育資料02】『化学物質の危険有害性とは! ―ラベルの見方、絵表示の意味―』
【教育資料03】『職場での適切な化学物質取扱い方法について ―ラベルの内容から対策を検討する―』
【教育資料04】『職場での適切な化学物質取扱い方法について ―SDSの読み方-』
【教育資料05】『職場での適切な化学物質取扱い方法について ―法規制と危険有害性-』
【教育資料06】『化学物質による健康障害防止の基本』
【教育資料07】『物理化学的危険性(爆発・火災) による事故防止の基本』
【教育資料08】『リスクアセスメント事例と災害対策事例』
■開催期間:~2022年2月28日(月)まで
■対象:化学物質の取り扱うすべての労働者の方々向けです。
なお、教育資料4,5,8は化学物質管理者、職長など中級、
■プログラム:
【教育資料01】『職場で化学物質を安全に取り扱うために!』
【教育資料02】『化学物質の危険有害性とは! ―ラベルの見方、絵表示の意味―』
【教育資料03】『職場での適切な化学物質取扱い方法について ―ラベルの内容から対策を検討する―』
【教育資料04】『職場での適切な化学物質取扱い方法について ―SDSの読み方-』
【教育資料05】『職場での適切な化学物質取扱い方法について ―法規制と危険有害性-』
【教育資料06】『化学物質による健康障害防止の基本』
【教育資料07】『物理化学的危険性(爆発・火災)
【教育資料08】『リスクアセスメント事例と災害対策事例』
■開催期間:~2022年2月28日(月)まで
▼特設サイトはこちらから(
https://labelsds-e-learning.
ちょっと、覗いてみた感じでは、文字が小さくてイラストも小さいので難しい印象を与えてしまいそうです。イラストを大きくして、動くgifアニメにするなど、もう少し工夫が欲しいというのが第一印象でした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。 下記のリンクをポチっとクリックして頂けると更新の励みになります。
にほんブログ村
資格・スキルアップランキング
#労働衛生コンサルタント,#口述試験,#試験対策,#労働衛生工学,#筆記試験,#記述式試験
Q&Aで解決 化学品のGHS対応SDSをつくる本: JIS Z 7252/7253:2019準拠
- 作者: 治彦, 吉川
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2019/09/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
化学品の安全管理と情報伝達 SDSとGHSがわかる本 GHS国連文書・JIS対応
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)